スローなブギにしてくれ
劇場公開日:1981年4月7日
解説
ふとしたことからめぐり合った二人の男と一人の女の奇妙な生活を描く。片岡義男の同名の小説を映画化したもので脚本は「バージンブルース」の内田栄一、監督は「天使を誘惑」の藤田敏八、撮影は「泥の河」の安藤庄平がそれぞれ担当。
1981年製作/130分/日本
配給:東映
劇場公開日:1981年4月7日
ストーリー
夕暮の第三京浜。白いムスタングから仔猫と若い女の子が放り出され、後ろから来たオートバイの少年に救けられた。ゴローとさち乃の出会い、ニ人は一緒に暮しはじめた。ムスタングの男は、福生の旧米軍ハウスに住み、仕事仲間の輝男と敬子のカップルが同居している。敬子が産んだ子供はどちらが親か分らないが、三人は奇妙な均衡の中で暮している。子供は敬子の妹、由紀江が面倒を見ている。ある朝、輝男がジョギング中に心臓発作で死んでしまった。一方、さち乃は行きつけのスナック、クイーンエリザベスでバイトをはじめた。ゴローはバイト先で喧嘩して仕事を辞めてしまい、またさち乃と客の仲を嫉妬してふらりと何処かへ出かける。さち乃は男に連絡を取り、季節外れの高原ホテルで会った。男は別居中の妻との離婚の書類にハンを押すためと、子供のピアノの発表会を見に行くためにここへ来たのだ。子供と電話で話す男の顔を見て、さち乃はホテルを出た。再びゴローとさち乃の生活が始まった。ある日、さち乃が作業服の男たちに強姦された。ゴローは必死で男たちを捜し、なんとか見つけると目茶苦茶に叩きのめした。ごきげんなゴローにさち乃は「あたしよりも仇を討つことしか考えないの」と咳いた。さち乃は男のもとに向った。そこには敬子と由紀江と赤ん坊が同居しており、さち乃はそんな生活に馴染めずハウスを飛び出した。彼女が出ると同時にハウスのバランスがくずれ、皆バラバラとなった。消えたさち乃を求めて、男はゴローと会った。そこへ、ゴローに作業服の男が襲いかかり中へ割って入った男が腹を刺されてしまう。三ヵ月の重傷。男は「さち乃に刺されたようなものさ」と咳く。スナックでしょげているゴローのところにさち乃が戻って来て、また働くという。マスターが「復帰祝いに何か曲をかけよう」と言うと、ゴローが「スローなブギにしてくれ」と答えた。ゴキゲンなブギがゆっくり流れた。
スタッフ・キャスト
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さち乃浅野温子
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ゴロー古尾谷雅人
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敬子浅野裕子
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由紀江竹田かほり
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さち乃の母春川ますみ
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花絵赤座美代子
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老父浜村純
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老母滝奈保栄
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ハーレーの女宮井えりな
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刑事石橋蓮司
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クイーンエリザベスの客A晴乃ピーチク
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クィーンエリザベスの客B鈴木ヒロミツ
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クィーンエリザベスの客Cきくち英一
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スナックのママ藤方佐和子
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牛どん屋の店長鶴田忍
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作業服の男A高橋三千綱
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作業服の男B和泉聖治
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テレビカメラマン林美雄
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宮里輝男原田芳雄
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若い男中沢青六
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少年A高橋仁
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少年B山中健二
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少年C山内友宗
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少年D今井久
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女の客戸田裕子
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マリ小林綾子
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若い女城山いずみ
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女子大生宇野靖世
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真輝江黒稔
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弁護士伊丹十三
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クイーンエリザベスのマスター室田日出男
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男山崎努
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岸部一徳
受賞歴
第5回 日本アカデミー賞(1982年)
ノミネート
音楽賞 | 南佳孝 |
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