新諸国物語 紅孔雀
劇場公開日:1954年12月27日
解説
原作北村寿夫のNHK連続放送劇を「三日月童子 三部作」の小川正が脚色、「満月狸ばやし」の萩原遼が監督する五篇に分れた連続映画である。撮影は同じく「満月狸ばやし」の吉田貞次、音楽は「三日月童子 三部作」の高橋半が当った。出演者は「満月狸ばやし」の中村錦之助、高千穂ひづる、「竜虎八天狗 四部作 第一篇水虎の巻 第二篇火竜の巻」の東千代之介、「残月一騎討ち」の大友柳太朗、「怪猫腰抜け大騒動」の星美智子のほか、西条鮎子、新人和田道子、三条雅也、岸井明、山手弘、毛利菊枝など。「新諸国物語 紅孔雀 第一篇 那智の小天狗」(1954年12月27日公開 57分)「新諸国物語 紅孔雀 第二篇 呪の魔笛」(1955年1月3日公開 55分)「新諸国物語 紅孔雀 第三篇 月の白骨城」(1955年1月9日公開 53分)「新諸国物語 紅孔雀 第四篇 剣盲浮寝丸」(1955年1月15日公開 54分)「新諸国物語 紅孔雀 完結篇 廃墟の秘宝」(1955年1月21日公開 53分)。
1954年製作/272分/日本
配給:東映
劇場公開日:1954年12月27日
ストーリー
南紀州の浜に住む代官那智の嘉門は、ローマの聖者から授けられた紅孔雀の宝庫の鍵を持っていたが、それを知る元海賊の網の長老は、されこうべ党の妖術師一角と共に秘かにそれを狙っていた。一角は長者の娘久美に目をつけていたが、娘は嘉門の子小四郎と知り合い恋仲となる。一角は妖術をもって鍵を奪い、嘉門を捕えた。小四郎は姉幾重や下僕等と救助に赴くが、浪々の旅を続ける兄主水、怪童風小僧の秘かな助力で屡々危険を免れる。一方久美は海賊どくろ丸に攫われたが、風小僧に助けられ、浮寝島に辿りついた。島には悪婆黒刀自の呪いの術にあやつられた、美しい盲目の浮寝丸が住んでいた。黒刀自から、清い心を邪悪に変える毒薬を飲まされた久美は、小四郎を殺す目的で、那智の浜へ送られた。以下、舞台は、浮寝島を中心に、都智の浜、花の島、されこうべ党の本拠ギャマン屋敷でと、一角の妖術、黒刀自の呪いにもてあそばれながら主水、風小僧、小四郎等の必死の抵抗が続けられる。遂に我に返った浮寝丸の吹く笛に、黒刀自の呪いも破られる日が来た。浮寝丸は実は白鳥党の一族姉小路大納言の子であった。ギャマン屋敷に幽閉されていた大納言は救い出され、呪い解けて両眼が開いた浮寝丸と無事を喜び合った。幼い時攫われた浮寝丸の実の妹であった久美もまた邪悪の夢から醒め小四郎と相抱いた。紅孔雀の宝は無事白鳥党の手に戻り、世の不幸な人々に分け与えられた。