ゾディアック

劇場公開日:

解説

「セブン」「ファイトクラブ」のデビッド・フィンチャー監督が、実際に起こった未解決事件を題材に放つサスペンス・ドラマ。周到に用意した手掛かりで人々を翻弄する連続殺人犯“ゾディアック”に挑み、人生を狂わされた4人の男たちの姿を描き出す。出演はジェイク・ギレンホール、ロバート・ダウニー・Jr.、マーク・ラファロほか。

2007年製作/157分/アメリカ
原題:Zodiac
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2007年6月16日

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受賞歴

第60回 カンヌ国際映画祭(2007年)

出品

コンペティション部門
出品作品 デビッド・フィンチャー
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映画評論

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映画レビュー

3.5丁寧なつくり

2024年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

演出が丁寧でどの場面も構図が良い、演者の演技がクローズアップされている
作中舞台のクオリティが高い
悪く言えば冗長な演出が多くテンポが悪い

実際に起きた連続殺人事件「ゾディアック事件」をテーマにした作品、という前情報だけで視聴した。

風刺漫画家ロバート・グレイスミスが主人公で、事件の全容解明を描いていくという作品だが、どこからどこまで実際の話なのかよく分からないまま最後まで見て抱いた感想は
「なんでこの主人公の生活と執念をここまで丁寧に演出しているんだ?」だった。

視聴後調べたところこれは原作者のノンフィクション小説を元に撮影されているからで
作品の主軸が「ゾディアック事件」ではなく「原作者による事件の調査」なのが理由だった
事前に知っていればもう少し楽しめたか、あるいは視聴する気がそがれていただろう。

本作で個人的に一番気になった箇所は
ジョン・キャロル・リンチはウェイド・ウィリアムズ(プリズンブレイクのベリック役)と一瞬見間違うほど構成要素が似すぎ
というストーリーと全く関係ないところだけだった。

犯行シーンの描写は実に恐ろしい、必見
クオリティが高く、良い作品ではあるが、
スリラー映画としては犯行シーン以外がいまいちで長い

個人的に後半の展開はあまり好みではなかった。

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tabletap

4.0デヴィッド・フィンチャー作品はやっぱり好き

2024年4月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

実際の未解決事件「ゾディアック」
それをデヴィッド・フィンチャー監督、ジェイク・ギレンホールやマーク・ラファロなど豪華キャスト
犯行シーンの2つは観ていられないくらい残酷で、ゾディアックの非情さがよくわかりました
そこからストーリーは、事件を解明しようとするマーク・ラファロ演じるトースキー刑事をメインに進んでいき、後半はジェイク・ギレンホール演じる漫画家グレイスミスがメイン
この2人のゾディアックへの入れ込み方がすごくて人生を狂わせるほど
実際の未解決事件だからラストでもゾディアックは誰なのかわからなくてもモヤモヤはしませんでした
トースキー刑事は途中から自分の人生に戻っていき、グレイスミスはどんどんはまっていき
家族を放ったらかしにしてゾディアックに夢中のグレイスミスはそれで良かったと思える程ののめり込み具合
今作でもそういう役柄がはまっているジェイク・ギレンホールでした
地下室でのシーンはホラーなみにハラハラドキドキ、グレイスミスがいろんな点と点を結び付けてゾディアックの正体に迫っていくシーンは緊張感があり、デヴィッド・フィンチャー監督のサスペンスはやっぱり好きだと改めて思いました

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小町

3.5未解決事件に取り憑かれた男

2024年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

「ゾディアック」と名乗る犯人は、新聞社に犯行声明文を送りつけてくる。
時には犯行を予告して、実行する。
警察の捜査を嘲笑うように、証拠品(血に染まった被害者シャツの切れ端)を、
送ってくる。

1968年にカリフォルニアのナパの水辺で、車の中でいちゃついていた
カップルが銃撃されて死亡する。
そんな事件が何件が起きた後で、犯人の「ゾディアックと」名乗る男から
サンフランシスコのクロニクル誌に直筆の暗号や手紙が送られて来る。

指紋もDNAも目撃者(直ぐに失踪してしまう)もいるのに、警察は犯人に
辿り着けない。
クロニクル誌の記者も警察官も、次第に疲弊してくる。

未解決事件を描いた映画として、韓国映画の「殺人の追憶」が有名だが
この映画の主人公はクロニクル誌の挿絵画家ロバート・グレイスミス
(ジェイク・ギレンホール)が主役なのだ。

彼はクロニクル誌でジィーッと記者の捜査を見つめている。
新聞を読み、暗号を解き、資料をスクラップして行く。

グレイスミスが動き出すのは映画の終盤の真ん中を過ぎた
残り後55分からなのだ。
【ゾディアック】についての言わば第三者のど素人の挿絵画家が、
カリフォルニア1番の【ゾディアックの研究者】になって行く。

10年も経つと刑事のマーク・ラファロと知り合いになり、
捜査資料の閲覧を頻繁に警察署に訪れる。
そしてグレイスミスはマーク・ラファロや記者そして妻からも、
「ケリをつけなさいよ!!」と執筆を急かされる。
そして1986年「ゾディアック」は出版されて、ベストセラーになるのだ。
グレイスミスが犯人だと名指しした男。
それはリー・アレン。
はじめから捜査線上に上がっていた男。
確かに怪しい。
失踪していた目撃者の男性も、リー・アレンを10点満点で8点の確率で
犯人だと断言する。
捜査の手が届きそうになる直後、リーは心臓発作で死んでしまう。
しかし指紋もDNAも筆跡鑑定も、実は一致していないのだ。

事件は未解決でもグレイスミスがベストセラー作家としてその後も
本を書き、3人の子供の好き父親だと言う。
奥さんも偉かった。
グレイスミスは、「ゾディアック事件」に、誰よりも、
刑事よりも記者よりも夢中になり人生を賭けた。
その時間は【幸せな時間】だったと思う。

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琥珀糖

3.5深く、静かに、蝕んでいく

2024年3月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

難しい

落ち着いた語り口調で、事件に関わった者たちの執念とその影響力が丹念に描かれていきます。
体感的にはそんなに長く感じませんでした。時代の雰囲気と忍び寄る何とも言えない恐怖が全編漂っていて、演者も非常に良かったです。特にロバート・ダウニー・Jrは突出してましたね。
フィンチャーの他の作品群に比べたら動的要素は比較的少ないですが、画面から目が離せません。テイスト的には「大統領の陰謀」。フィンチャーが世に放つ静かな蒼い炎。そんな感じでした。

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吠えない狼