次郎長三国志 甲州路殴り込み
劇場公開日:1965年8月25日
解説
村上元三の原作を、「次郎長三国志」のマキノ雅弘、山内鉄也が共同で脚色、マキノ雅弘が監督した“次郎長”シリーズ第四作目。撮影もコンビの山岸長樹。
1965年製作/90分/日本
配給:東映
劇場公開日:1965年8月25日
ストーリー
清水港次郎長、お蝶夫婦のもとに、渡世人小政が次郎長一家の投げ節お仲の消息をもって駈けつけた。お仲は赤鬼金平の仇討ちに次郎長一家を狙う、甲府猿屋勘助の行動を探ぐりに行ったのだが、折から勘助の所へ草鞋を脱いでいた小政の眼力で人質として捕われたのだ。小政は次郎長と勘助のもめごとを知らず、一宿一飯の恩義を感じながらも、勘助の汚いやり方に怒り、次郎長に事の仔細を知らせたのだった。小政の案内で旅姿も颯爽と甲州路を急ぐ次郎長一家、これに江尻の大熊も乾分、お蝶を連れて加わった。大勢の乾分を連れて待ち伏せた勘助だったが、遂に次郎長の手で鮮血にまみれ、お仲は無事救出された。渡世仁義の掟でも喧嘩は喧嘩、兄貴分の大熊と別れて、次郎長一家は病弱なお蝶を連れ、兇状旅に出た。こんな次郎長一家の姿を見た石松は、勘助殺しの下手人として自首して出ると言っては、次郎長お蝶に涙さすのだった。小政はこの次郎長一家の固い結束を見て、自分も乾分にと頼みこんだ。旅なれないお蝶の発熱をみかねた乾分たちは、昔次郎長が助けた関取りの八尾ケ嶽久六を訪ねた。久六は今は十手を握るやくざの親分となり、次郎長一家を親切げに迎い入れたが、久六の本心は賞金を狙っての芝居であった。途中でそれに気づいた石松らはお蝶を石松の幼友達七五郎の恋女房、お園に預けた。献身的なお園の看病に、次郎長一家は心をなごませた。数日後お仲が久六の賭場で荒稼ぎした金を持って訪ねた時、お蝶はも早やこの世の人ではなかった。が、かくまってくれていれば、お蝶は死ななかったのにと憤る乾分たち真新しい墓標の前でお蝶への弔合戦を次郎長に迫った。不意の殴り込みに、久六一家はひとたまりもなく叩き斬られた。御用提灯の波の中、お蝶の遺髪を抱いて、次郎長一家は清水へと急いだ。その中にお仲、お園に七五郎の顔もあった。