次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊

劇場公開日:

解説

「次郎長三国志 第七部 初祝い清水港」に次ぐ次郎長三国志第八部。“オール読物”連載の村上元三の原作より、小川信昭、仲原俊哉が共同脚色し、「ごひいき六花撰 素ッ飛び男」のマキノ雅弘が監督している。撮影も「ごひいき六花撰 素ッ飛び男」の飯村正。出演者は前作と略々同じであるが、今回は「七人の侍」の志村喬、「風立ちぬ(1954)」の青山京子、「赤線基地」でデビューした川合玉江などが新しく出演する。

1954年製作/103分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1954年6月8日

ストーリー

清水一家は次郎長女房お蝶と豚松の法事の日。百姓姿の身受山鎌太郎が受付に五両置いたのを石松は二十五両と本堂に張り出した。さて読経の声もたけなわ、死んだ豚松の母親や許婚お静が来て泣きわめく。鎌太郎の諌言までもなく次郎長は深く心打たれていた。法事を終えた次郎長は愛刀を讃岐の金比羅様へ納める事になり、選ばれた石松は一同心ずくしの八両二分を懐に旅の空へ出た。途中、知り合った浜松の政五郎にすっかりノロけられた石松は金比羅様に刀を納めると、その侭色街に足を向けて、とある一軒の店へ入った。夕顔というその女の濡れた瞳に惚れた石松は八両二分をはたいて暫く逗留、別れ際には手紙迄貰って讃岐を去った。近江で立寄った身受山鎌太郎は先の二十五両を石松に渡して義理を果し、石松の落した夕顔の手紙に同情して、夕顔を身受して石松の女房にする事を約した。しかし東海道を急ぐ石松は幼馴染の小松村七五郎お園夫婦の許に寄る途中、草鞋を脱いだ都田村吉兵衛に貸した二十五両がもとで、騙討をかけられ、偶然会った政五郎に見とられながら死んだ。石松の死を知った次郎長一家が東海道を西に急ぐ頃、清水へ向う二人、それは鎌太郎と身受けされた夕顔であった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0初次郎長

2023年9月23日
Androidアプリから投稿

立命館大学映像学部企画 さよなら京都みなみ会館 -35mmフィルム上映オールナイトの1番目で鑑賞。1954年の作品というとさすがに生まれる前で、次郎長三国志は初めて観ました。
石松が純朴で愛嬌もあってなかなか楽しめました。夕顔の手紙を自分で読めず代わる代わる読んでもらい、じわじわ愛情を感じるところがが良かったなあ。

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momo

3.0生きていてこそ咲く花よ。

2021年3月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

傑作と前評判の第8部。金毘羅代参から石松最期の閻魔堂までというのだから、こりゃあ石松祭りだ!!と鼻息荒く観だしたのだが。
たしかに、森繁久彌の石松は粗雑でおちょこちょいで無鉄砲で惚れっぽくて、だからこそ憎めなく愛嬌たっぷりの石松だった。見受山の鎌太郎を演じた志村喬も、主役を食うほどに抜群の男っぷりだった。お民(映画では名前が違ってた)の度胸も、粋だった。
石松のロマンスは、まるで監督からのはなむけのようでうれしくなったが、石松の末路を知る身としては、どこか儚さが先に立った。それはいい。不満は、三十石船は?石松最期の描き方は?、どちらも相当苛立っている。「圧巻のラスト」と銘打ったのは、閻魔堂の斬り合いのこと?ちょっとネタバレだけど、都鳥三兄弟に貸した金を催促しない石松がいじらしいんじゃないか?そんな憎まれ役の三兄弟が石松を欺いて後ろから袈裟切りに一太刀浴びせ、それでも立ち回るからこそ石松の壮絶さが増すんじゃないのか?しかも、最後そのシーンで終わすか?
鎌太郎で大量加点、閻魔堂で大幅減点。いってこいのチャラ。ああ、荒神山観れるかなあ。

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栗太郎

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