12人の優しい日本人のレビュー・感想・評価
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本作は月です 太陽たる12人の怒れる男の燦然たる輝きによって光る作品だからです
1957年のシドニー・ルメット監督の「12人の怒れる男」
映画史の輝ける金字塔
それを観てからでないと本作の面白さや可笑しみを本当の意味で楽しめないと思います
もしまだでしたら万難を排して、まずそちらをご覧下さい
騙されと思って絶対にそちらから観て下さい
映画遺産そのものですから、それ自体映画好きならマストな作品です
本作は月です
太陽たる12人の怒れる男の燦然たる輝きによって光る作品だからです
シドニー・ルメット監督の「12人の怒れる男」を先に観ていることで
本作はそれどう見事に料理してあるのか
どれほどリスペクトされているのか
表面的な面白さだけではなく、本当の面白さがどこにあるのか
そこを楽しめると思います
本作は1991年の公開
この当時はまだ日本には裁判員裁判の制度はありませんでした
2009年になって、わが国にも陪審員というべき、裁判員制度が始まりました
もしかしたら既に裁判員をされた方もいるかも知れません
自分はまだ裁判員への召集を受けたことはありません
いつか呼び出しが来るかも知れません
その時は、自分も12の怒れる男の誰か、本作の登場人物の誰かになっているかも知れません
本作を見直して、しっかりと「話し合い」をしたいと思います
12人のキャラ立ては見事でした。
架空の日本。12人の陪審員が、障害致死事件の判決を議論する様子をコメディタッチで描く物語。
三谷幸喜原作、脚本の映画で、舞台作品を映画化した作品です。
登場する12人のキャラクターが各々個性的(逆説的に没個性的)で、その特性に合わせた言動がストーリーを転がしていきます。
他者依存、思考停止、仕事人間、デフォルト設定された登場人物が日本人を微妙に皮肉っていて、思わず笑ってしまいます。
「ジンジャーエール」等の無茶無理もありますが、舞台のような大袈裟な演技で中和され、それ程気になりません。
名作として最高評価をする程ではありませんが、一度は鑑賞して損はない佳作だと思います。
陪審制があったなら
本家と比較が楽しい!
先にWOWOWでやってきた舞台版を観た。あちらは恩水さんが頑張っていた。
『十二人の怒れる男』では有罪を無罪にするまでの物語だったが、こちらは最初から無罪である。まぁ、初っ端にいきなり無罪だなんて、いい加減な評決に日本で裁判員制度があったら怖いなぁ~とも感じたが、やはり「多数決は民主主義の基本」だなんて理念自体も怖いものだ。
被告は21歳の女性だが、離婚歴もあり、昼はスーパー夜はホステスと女手ひとつで子供を育てている。同情すべき相手というだけで、無罪にすること。しかし、人殺しをするようには見えないというだけで無罪の意見が大多数を占めるなんてのも、日本人の無関心度が窺えるし、他人の意見に同調してしまうという主体性のなさ。いろんな性格が見えて興味深い。
物証は手に入らないが、目撃者のおばちゃんとか、トラック運転手のうそ臭い証言。それに直前に出前を頼んだピザなど、材料は少ないものの見方も色々あって、色んな可能性を追求する姿もいい。
二転三転する意見はしょうがないかもしれないけど、本質的には人を思いやる気持ちがあるってのもタイトル通りで素敵なことです・・・
ぐだぐだ会話劇
三谷監督が脚本ということで、コメディーっぽいのを期待したのだが、あまり笑えなかった。
むしろ時代の問題で人によっては不快に感じる表現もある。
女がどうだの男だどうだの、今観ると古い映画だなという印象。
最初は議論を続けようとする人を応援したくなったが、最後にはそれが逆転する。それがおもしろくも苦しくも感じた。
終盤に事件の真相が明らかされていくのはワクワクしたが、深く検証していく部分に進むまでが無駄な会話が多すぎてダレる。ある意味リアルかもしれないが。
このぐだぐだ会話劇を楽しめるかどうかで映画の評価は大きく変わると思う。私はあまり楽しめなかった。
役者面では豊川悦司がいい役していた。相島一之、村松克己も良かったです。
登場人物みんなキャラが濃くていい意味で変人なのがおもしろい。
ほぼ1室で話が展開していくのも良かった。
元ネタの十二人の怒れる男も観てみたい。
名作オマージュ
もし日本に陪審員制度があったとしたら、、
一つの傷害事件を題材に展開される12人の陪審員たちの議論を面白おかしく、しかし緻密な検証とともに描いた、名作「十二人の怒れる男」の日本版オマージュ作品。
主に舞台作家や放送作家として活躍していた三谷幸喜が初めて映画に関わった作品かと思う。
今作以降の三谷作品の代名詞ともいえるであろう密室劇や会話劇を得意とする作風や演出の片鱗を覗かせるうまい作りの作品だった。
12人もいる出演者が誰1人余すことなく癖の強さや勘の鋭さを言動や身振りを通して表現し、徐々に深掘りされていく一つの事件をたっぷり2時間近く考え抜くといった内容になっている。
ただ話を2時間膨らませるきっかけとなった相島一之の話し合いましょうが流石にクドかった笑。
どうしてそこまで被疑者の女性を憎むのか、そのバックボーンとなる彼の苦い経験も後半に明かされるため理解はできるが、ボキャブラリーと説得力がなさすぎる。
もう少し冷静で論理的なキャラクターで話を引っ張っていってほしかった。こういったストーリーを引っ張るキャラクターとしては彼はあまりに感情的すぎた。
ただそれを帳消しにするレベルで後半のトヨエツが美味しい笑。
突然の弁護士設定とやたらと説得力のある話回しで後半の怒涛の展開を引っ張っていた。だからトヨエツが話し出すまでは我慢してみてもらいたい笑。それまでも面白いが笑。
また名作「十二人の怒れる男」のオマージュということもあり、走るスピードの速さ問題や死ねという発言に果たして殺意はあるのか問題などの知ってれば盛り上がれる演出が盛りだくさん笑。
観るならば是非オマージュ元の作品も観てもらいたい。
非常におもしろい
舞台脚本家・三谷 幸喜の代表作を映画化したもの。12人の陪審員が、有罪か無罪かを延々と話し合う映画。ただそれだけを、2時間も画面から垂れ流す。撮影シーンも部屋の中だけ。
内容は、非常におもしろい。ただし、内容は、ほとんどない。議論という名の小競り合いが続くだけ。なのに、おもしろい。
あなたは、こんなアイデアを考えたことは ないだろうか。「暴走族と大工と上品な貴婦人と弁護士が議論したら、さぞおもしろいだろうなあ」と。この映画は、それを具現化したものだ。だから、くだらないのに、おもしろい。
映画の主人公は爆発でもアクションでもない。物語ですらない。人間不在の物語が、いかにドラマチックでも、いかに斬新で意外性に満ちていても、おもしろいはずがない。すなわち、映画の主人公は人間である。この映画は、それを理解させてくれる作品だ。
もちろん、一流の俳優や脚本家が集まったからこそ、奇抜なアイデアが商品として成立したことも、忘れては ならない。
優しくはない
日本人らしき討議。
さすがこの時代!
20年以上前の作品なのに、古さを感じない。 裁判員制度を彷彿とさせ...
20年以上前の作品なのに、古さを感じない。
裁判員制度を彷彿とさせる議論で、二転三転していく嫌疑がおもしろい。
しかも、それぞれのキャラクターがはっきりしていて、ごちゃごちゃしているかんじなのに、吸い込まれる。
感情論で無罪、論理的で無罪、いや有罪。裁判員になったときの予習になりました。
最初の10分で面倒だし見るのやめようかと思ったが、最後まで見てよかった!20年以上前の作品なのに、古さを感じない。
裁判員制度を彷彿とさせる議論で、二転三転していく嫌疑がおもしろい。
しかも、それぞれのキャラクターがはっきりしていて、ごちゃごちゃしているかんじなのに、吸い込まれる。
感情論で無罪、論理的で無罪、いや有罪。裁判員になったときの予習になりました。
最初の10分で面倒だし見るのやめようかと思ったが、最後まで見てよかった!
良く2時間もったな。
勝手に喋っているだけ
総合55点 ( ストーリー:55点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:65点|音楽:10点 )
『十二人の怒れる男』は、一人の男が論理的に仮説を投げかけて間違いを次々に指摘して真実に迫っていった。
だがこの作品は各々が感情をぶつけ思い込みを押し付け屁理屈を並べて飛躍の理論を思いつくままに喋る。かなり支離滅裂であり、理路整然とはいかない。だから観ていていらっとする。喜劇ではあるから最初から事件の解決を真面目にする気はないのだろうが、そのために面白くない。とりあえずこれだけ話し合ったのに、結末だってそんなことで結論としていいのかと思った。
良いところは、12人の性格と立場の描き分けが出来ているところ。適当に済ませようとするものもいるが、再考を促す者だってそうするのは事件の真実を求めている純粋な動機とばかりも言えなさそうだ。
超名作「十二人の怒れる男」を意識したのは明らか。こういうテーマは人...
面白い
三谷幸喜の脚本劇
この作品は映画というよりは、どちらかというと1つの部屋で舞台での演劇を、映像にしているといった印象を覚えました。
始め陪審員なんていうので、ひと昔前に日本に陪審制が存在したっけ?などと疑ってしまいました、もしもの話だったんですね。
12人の陪審員は、始め全員意見が一致し、そこで会議は終わろうとしてしまいます。まぁそこからとんでもない議論がくりなされ、判定は何回もひっくり返ったうえに1つの結論に落ち着くわけです。
一人一人の陪審員がキャラをしっかりと持っていて、役者たちは本当にそこを見事に演じてみせていました。頑固そうなおじさんがあっさりと意見を変えたり、人間ってすぐ人の意見に飲まれちゃったりするんですよね。また役者たちは毎回のテイクが長かっただろうこの作品で、よくあの長いセリフを入れていたなぁと思います。
この作品は三谷幸喜さんが脚本を執筆したということで、やはりその点においては流石といったところです。笑える要素も所々にあって、なかなか楽しめました。
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