サマー・ソルジャー

劇場公開日:

解説

ベトナム反戦、沖縄闘争など、流動する現実世界で、闘い悩む人々、自己の生を主張しさすらう人々、実在の二人の脱走兵を匿まった協力家庭で起こった実際の出来事をドキュメンタリー・タッチで描く。脚本を執筆したジョン・ネースンは日本文学研究家として著名。監督は「燃えつきた地図」の勅使河原宏。撮影は大鳥満洲夫が担当。

1972年製作/129分/日本
配給:その他
劇場公開日:1972年3月25日

ストーリー

戦乱のインドシナから遠く離れた沖縄、そして日本本土には米兵たちの補給、休養基地が散在している。戦争の長期化と泥沼化には米兵たちに厭戦気分を植えつけ、ようやくこの愚かな悲劇の虚しさを気づかせ始めている。岩国--本土内で最大、核すら装備されている噂のある米軍基地の町。沖縄同様、基地周辺に屯する歓楽街に勤める礼子のアパートには、店で知りあった若いGIのジムが転り込んでもう三週間。片言の日本語も喋れぬジムを溺愛する礼子は甲斐甲斐しく世話をする。しかし、ジムは志願して派遣されたベトナムで数多くの死を目撃し、自らも負傷して送還されて療養中に、二度と軍隊に戻るまいと決意した脱走兵だった。礼子の部屋に隠れ、隣り近所警察の目を気づかう焦燥と不安の生活。礼子はジムの安全を願って日本人による脱走兵援助組織に頼る。組織に身柄を引き渡されたジムの逃亡生活が始まる。一般家庭を転々とするジムは、見知らぬ夜の大海をさまよう盲魚だった。さまざまな家庭での借り猫のような生活。しかし、ジムは得意のギクーで、日本人と連帯を求め自動車修理工場で工員たちと一緒に働いているうちに「私の任務は、今、この戦争の悪をあらゆる方法で世界にアッピールすることだ」と考えるようになった。組織には他に何人もの脱走兵が身を寄せてくる。しかし「イントレビッド号の四人」がスウェーデンに脱出した後、潜入スパイの手で国外逃亡ルートは破壊され、脱走兵たちは取口なしの逃亡生活に苦悶する。酒に酔ったあげく協力家庭の主婦に挑みかかり追い出されたダリル。毎日黙々とマラソンを続け、肉体と精神の堕落を喰いとめるジョー。彼はいつか世界が解放される日を待ち続けているのだ。逃げ続けるGIたち、匿まい続ける日本人たち。両者の絆は一体何なのか。反戦?同情?善意?--ジムはその絆が何であるのかわからず、或る日面会にきた礼子と、協力家庭から脱走する。さらに礼子の里からも脱走するジム。長距離トラックに便乗して京都神戸とさまよう中で、唯一自分を取り戻せたのは、脱走兵の身分を証さない時だけだった。再び岩国、組織の米人カウンセラー、ビートの説得もあって、自分に貼られた脱走兵の烙印を、軍隊へ投げ返し、軍体自体へ闘いを挑むために基地へ戻る決意をする。そして、今日もジョーは街を走り続ける。又ダリルの行方は依然として判明しない。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0米軍兵士のインタビューを織り交ぜたドキュメンタリータッチの部分がある。

2022年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 アパートにてジムの体を洗ってあげたりするが、誰かが来たら、さっと天袋に隠れたりする。IAWA(国際反軍委員会)に相談しに行くが、匿っていたら捕まるだけだと告げられるだけだった。その後、日本の支援者たちの家を転々としながら、反戦というよりは人を殺すことが嫌だという兵士のやりきれなさを切々と伝えてくる。日本の生活、習慣にはどうもついていけないようなジム。このまま軍隊に戻ったほうが楽ではないのかと反証してみるところもリアルでよかった。

 李礼仙といえば『金八先生』にも出てくる校長先生。貴重なヌードがあることにびっくりしましたが、この時期の女性はみな腋毛があったんだなぁ~なんだかうらやましい。

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kossy