ざ・鬼太鼓座
劇場公開日:2017年1月21日
解説
「瞼の母」(1962)や「緋牡丹博徒」シリーズなど数々の娯楽映画を世に送り出し、85年に他界した加藤泰監督の遺作となったドキュメンタリー。新潟・佐渡島で太鼓を鳴らし続ける芸能集団「鬼太鼓座(おんでこざ)」の若者たちを撮影し、約2年の歳月をかけて製作された。雪の積もる町や海岸を走って肉体を鍛え、和楽器の演奏に没頭する鬼太鼓座の若者たち。「鬼剣舞」「佐渡おけさ」「津軽じょんがら節」などを力強く奏でる彼らの姿を、櫓や火山を模した美術セットを背景に、加藤監督独自のスタイルで映し出した。映画完成後は、限定的な公開やイベントでの上映のみで披露されてきたため、長らく幻の映画とされてきた。加藤監督の生誕100年となる2016年、35mmネガフィルムからのデジタルリマスター作業が行われ、同年のベネチア国際映画祭クラシック部門で上映。日本でも第17回東京フィルメックスの特別招待作品として上映される。
1981年製作/105分/G/日本
配給:松竹メディア事業部
日本初公開:1994年10月22日
スタッフ・キャスト
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2022年4月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
太鼓は最も古い楽器のひとつだ。
手を叩き、棒を打ち合わせ、あるいは弓の弦を弾いて鳴らし、
そうして祈りの踊りの中からついに数万年前、太鼓が発生する。
胎で聞いた心音に近いから、だから説明不要でDNAに あの音は直接に響くのだろう。
動揺して泣けてくるのはそのせいなのだろう。
本作、
今でこそ古い記録映画となったが、当時の「時代を先取ろうと藻搔いていたニューエイジたち」によって鬼太鼓座は作られている。
だから演奏が実に「先進的」で「極めて西洋的」であることに僕は驚いた、
リズムのとり方と(とりわけ太棹の)ピッチ=音程のセンスにそれが如実に現れている。
土俗から生まれた楽器で、古からの伝承曲をカバーして彼らは現代を奏でているわけだ。
そこに気づいたときに初めて、最初は邪魔で仕方がなかったあの一柳慧の電子音楽が、鬼太鼓座の太鼓とひと続きで今の世に繋がっていることが実感させられた。
監督のこだわり。実にアヴァンギャルドである。
昔のドキュメンタリー映像作品。
メンバーの紹介がまた良い。
でもちょっと思った
外からの入部者ではなく佐渡生まれ佐渡育ちの代々の佐渡っ子だけで叩けば、太鼓の音はまた違ったものになることは確かではあるけれど。(※)
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太鼓が好きな僕は「扉をたたく人」や「セッション」、そして「ブリキの太鼓」なぞも思い出してしまう。
2016年12月21日
Androidアプリから投稿
純粋に太鼓を叩き、音を奏で、舞い踊っている彼らと相似して、映画そのものがリズムをもって躍動してる。同録でカットを割りながら、音が繋がっている技術的巧みさと執念。予告に使われた「臨界点」という言葉に相応しい演奏シーンは必見。