広域暴力 流血の縄張
劇場公開日:1969年7月26日
解説
脚本を青木一夫が書き、「あらくれ(1969)」のコンビ、長谷部安春が監督し、上田宗男が撮影したシリーズ第一作。
1969年製作/87分/日本
配給:日活
劇場公開日:1969年7月26日
ストーリー
関東桜田会は、警察の組織暴力団壊滅作戦に追いつめられて解散した。しかし、新宿にシマを持つ大野木一家だけは解散に反対だった。しばらくの間は大野木のシマは平穏だったが、そのうちチンピラによるシマ荒しが頻繁におこり始めた。幹部の勇治が調べてみると、新築開店のクラブ・バッキンガムを根城とする陣野の仕業と判った。陣野政吉は、関西連合会会長陣野孝之助の弟であった。桜田組の解散につけこんだ関西連合会が、大野木を挑発し、喧嘩に、持込んで、シマを乗取ろうと企んでいたのだった。一方、元桜田会々長の藤岡は、共和商事を設立して実業界入りした。関西連合会のシマ荒しはなおも続いて、大野木の子分サブが刺されたことから、事態は険悪化し、警察の厳重な監視の目もあって、心配した藤岡は仲裁に入り、大野木一家と関西連合会は無事手打ちとなった。手打式の後、盛大な総長博奕が行なわれたが、大野木は用意した数千万円をたちまち失い、代貸矢頭と勇治と金策に飛び廻り、やむなく高利貸寺島から事務所と組長の邸をカタに、三千万円を借り、やっと花会の義理を果した。ところが、寺島はその権利書を、共和商事に四千万円で売り、矢頭が、藤岡のもとに駈けつけてみると、共和商事では元利合わせて五千万円になるという冷たい返事だった。大野木一家は五千万の借金の金操りに、血眼になって、金づるを捜し始めた。折から、バッキンガムの客平井が、丸菱商事の部長三島に、輸入した罐詰を持込んで、断られ、途方に暮れているという。早速、矢頭と勇治は、バッキンガムのマダム道代を使って三島をおどし、缶詰を買わせる段取りを進めた。いざ、取引きというとき、共和商事の妨害にあって、勇治は刺され、道代のもとへころがり込んだ。道代は陣野政吉の情婦だったと知り、勇治は唖然とした。道代の頼みで政吉は勇治を匿った。一方共和商事は、裏で、政吉の兄関西連合会々長陣野孝之助と、大野木のシマを一億円で取引きしていた。大野木と矢頭が話をつけに乗込んだが、藤岡は聞き入れず、大野木と矢頭はドスで刺されて死んだ。政吉から全てを聞いた勇治は、痛む傷を押えて藤岡に向っていった。