現代っ子

劇場公開日:

解説

倉本聰・弘田功治が脚本を執筆したNTV連続ドラマを、「俺の背中に陽が当る」の中平康が監督した社会ドラマ。撮影は「その人は遠く」の姫田真佐久。

1963年製作/95分/日本
配給:日活
劇場公開日:1963年7月28日

ストーリー

交通巡査だった父が突然死んで、やすしと好夫は佃島の五郎叔父の家に、母の正子とチコは成城の石田家に分散することになった。石田家はやすしの親友清の家、運輸会社の社長である石田の親切に正子は感激したが、子供たちは家政婦として働くのだから世話になるのは向うだという。働き口を探すやすしの歌がちょっとイカすのに目をつけた清は、TVタレントとして彼を売り込んだ。が、そのあまりに強引なやり方に頭にきたやすしと遂に大喧嘩、パトカーまでかけつける騒ぎとなった。事情を聞いた好夫が石田と談判の結果、やすしは石田運輸に入社出来た。隅田川にある会社には亡父の旧友田原老人もはしけの船頭として勤めており、やすしと好夫はその舟に住まわせて貰うことになった。早速好夫は級友たちを呼び船を見学させ貢物を取上げたり、やすしは隣の舟の洋子を連れて来て恋を語ったりした。恐れていた停年退職の時がやってきて、やけ酒を飲んだ田原老人は事務所の窓ガラスを叩き割ってしまった。好夫は自分が犯人だと名乗り出、事務員達の前で弁償すると大見得を切った。弁償金三千円は好夫たち“現代っ子”を題材にマスコミに売り出している担任の安川先生から絞ろうと思ったが、うまくいかなかった。チコは修学旅行の資金にせっせと貯めた金を牛乳びんに入れて庭の池に沈めておいたのだが、当日あけてみるとそれはすっかり盗まれていた。好夫の仕わざと判ってやすしは好夫を殴った。テコは旅行に行けなかったが好夫を責めなかった。翌日、好夫は酒に酔って河に落ち溺れかかっていた田原を救った。好夫は警視総監の表彰状と金一封を貰い、早速安川先生といっしょにインタビューを受けたが、大人たちの偽善を感じるとプイと席を立ってしまうのだった。

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映画レビュー

4.0中平康監督のテンポ良く楽しい映画

2022年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今年シネマヴェーラ渋谷で特集上映されてから気になる監督となっている中平康の監督作。
やはりテンポ良く進んでいく物語、ポンポン弾むような感じで早口に思えるセリフ、そしてシーン切り替えの上手さなどが見られる面白い映画だった。
観終わると、「よくまぁ、これだけのエピソードを約1時間半で描いたものだ…」と思える内容の濃さ。

朝の忙しい通学前の朝ごはん風景⇒人が出ていく度にズレる父親の表彰状⇒学校で「お父さんについて」の作文を読む少年⇒少年の父親は警官で殉職した……とアッという間にいろんなことが起きるが、そんなエピソードの中で多くの登場人物どうしの関係も見事につながっていく演出の妙。

まだ上空を高速道路が通っていない日本橋の風景、貨物を積んだ船が進むのを流れるように捉えたシーン、呑んだくれオヤジが学校に来たところを真上から捉えたシーンなど、アチコチで「ハッ!」とさせられる場面が見られる。
さすが、姫田真佐久さん撮影監督。

登場人物では、松原智恵子がとっても可愛い。
また、ノンクレジットで渥美清が出演している。これ、日活作品だが、なぜクレジット無しか不明。

なかなか見応えのある佳作だった。

<映倫No.13270>

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たいちぃ

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