劇場公開日 1963年7月28日

現代っ子のレビュー・感想・評価

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4.0中平康監督のテンポ良く楽しい映画

2022年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今年シネマヴェーラ渋谷で特集上映されてから気になる監督となっている中平康の監督作。
やはりテンポ良く進んでいく物語、ポンポン弾むような感じで早口に思えるセリフ、そしてシーン切り替えの上手さなどが見られる面白い映画だった。
観終わると、「よくまぁ、これだけのエピソードを約1時間半で描いたものだ…」と思える内容の濃さ。

朝の忙しい通学前の朝ごはん風景⇒人が出ていく度にズレる父親の表彰状⇒学校で「お父さんについて」の作文を読む少年⇒少年の父親は警官で殉職した……とアッという間にいろんなことが起きるが、そんなエピソードの中で多くの登場人物どうしの関係も見事につながっていく演出の妙。

まだ上空を高速道路が通っていない日本橋の風景、貨物を積んだ船が進むのを流れるように捉えたシーン、呑んだくれオヤジが学校に来たところを真上から捉えたシーンなど、アチコチで「ハッ!」とさせられる場面が見られる。
さすが、姫田真佐久さん撮影監督。

登場人物では、松原智恵子がとっても可愛い。
また、ノンクレジットで渥美清が出演している。これ、日活作品だが、なぜクレジット無しか不明。

なかなか見応えのある佳作だった。

<映倫No.13270>

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たいちぃ