月光仮面 悪魔の最後

劇場公開日:

解説

「月光仮面 幽霊党の逆襲」に続く月光仮面シリーズの一篇。脚色・織田清司、監督・島津昇一、撮影西川庄衛といずれも「月光仮面 幽霊党の逆襲」と同様の顔ぶれである。

1959年製作/87分/日本
原題:Moonlight Mask -The Last Death of the Devil
劇場公開日:1959年8月4日

ストーリー

実業家岡本省吾の家の前で鋭い急ブレーキの音がした。おどろいて駈けつけた五郎八達が見たのは、息絶えている岡本省吾の姿だった。そしてその背中には「白髪鬼」と書かれていた。この騒ぎも覚めやらぬ祝探偵事務所に東条という男が保護を求めにき、その場で死んだ。その死体には「白髪鬼」の貼紙があった。怪しげなバタヤの後をつけた祝探偵は、戦死したはずの毒物学の白上博士を発見した。白髪鬼とは白上博士だったのだ。この秘密を探る祝探偵に博士は毒蜘蛛を向わせた。その時現われた月光仮面に白髪鬼はどうすることもできなかった。白上博士は戦時中北川、西川、岡本、東条らと南方に派遣され米軍の攻撃で砂金のでる無人島に流された。欲に眼がくらんだ西川は岡本や東条と組み博士と北川を密林に追いやった。そして三人は再び砂金をとりにくる日を夢みて筏で島を脱走した。九死に一生をえた博士は砂金を隠し、復讐鬼と化して舞いもどったのだ。数日後、祝は博士が西川と逢うという暗号を新聞の中に見出した。西川は博士の砂金の地図を狙っていたのだ。だが松田警部らに包囲されたことに気づいた西川は北川に傷を負わせ姿を消した。第三の犠牲者を防ぐために祝は西川邸に乗りこんだ。博士も恨みを晴らすため単身現われた。しかし西川のために反対に地図を奪われてしまう。その時現われた月光仮面--。しかし西川たちの巧妙な仕掛けのため月光仮面と博士は室に閉じこめられ、火を放たれた。しかし急をきいた警官によって博士だけは助けられたが月光仮面の姿は見えなかった。地図を奪った西川は飛行機で国外脱出を計るが滑走路を離れた瞬間、オートバイに乗った月光仮面が現われた。拳銃が飛行機に向って火を吐いた。地図は飛行機と共に炎上し、西川は駈けつけた警官隊に捕えられた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

3.5軽快なテンポの東映「月光仮面」シリーズ最終話

2022年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

日本ヒーローものの元祖「月光仮面」。テレビ版の大人気により東映が2年間に6本「月光仮面」を映画化、映画館で夢中になって観たものです。島津昇一監督は名監督“島津保次郎”のご子息で「月光仮面 幽霊党の逆襲」が映画初監督作品。続く「月光仮面 悪魔の最後」もほゞ一緒のスタッフ、キャストなので2本同時撮りでしょう。キャストは大村文武・柳谷寛・若水ヤエ子らのレギュラー陣に、後年政治家になる山東昭子、オールドファンには懐かしい岡譲司は明智小五郎と金田一耕助両者を演じた数少ない俳優です。若き日の梅宮辰夫もチラッと出ています。梅宮が「少年探偵団 敵は原子潜航艇」で主演デビューする前の出演と思われます。怪しげな白髪鬼、不気味な毒蜘蛛。ラスト、セスナ機で国外脱出を計る悪者に、オートバイに乗った月光仮面の拳銃が火を吐く。「七色仮面」(昭和34年)などでヒーロー映画の撮り方を心得ている島津演出の軽快なテンポの「月光仮面 悪魔の最後」は、後年の東映ギャング映画を思わせるようでシリーズ最終話。楽しめます。
<東映版「月光仮面」リスト>
第1部 月光仮面(1958年 小林恒夫 監督)
第2部 月光仮面 絶海の死斗(1958年 小林恒夫 監督)
第3部 月光仮面 魔人(サタン)の爪(1958年 若林栄二郎 監督)
第4部 月光仮面 怪獣コング(1959年 相野田悟 監督)
第5部 月光仮面 幽霊党の逆襲(1959年 島津昇一 監督)
第6部 月光仮面 悪魔の最後(1959年 島津昇一 監督)

コメントする (0件)
共感した! 0件)
papatyan
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る