軍艦武蔵
劇場公開日:1992年8月1日
解説
戦艦『武蔵』誕生の秘話、戦闘時の赤裸々な人間像と戦争の実相を、生き残りの元乗組員たちの証言を通して描くドキュメンタリー。監督・脚本は「白い地獄」の手塚正己、撮影は古川信司、黒柳満、春日友喜、水上正夫、大竹昭栄が担当。
1992年製作/日本
配給:大映
劇場公開日:1992年8月1日
ストーリー
第二次大戦中、帝国海軍の期待を担って誕生した戦艦武蔵。世界最大の46センチ砲を備え鋼鉄で覆われた武蔵は、連合艦隊旗艦として、昭和19年10月22日、レイテ湾に蝟集する米国陸上部隊を目指してブルネイ泊地を出撃した。同月24日、シブヤン海にて、米軍機約200の苛烈な攻撃が武蔵に集中し、長い戦闘の末、武蔵は海に没した。漂流の果てに救助されたのは、出撃時の乗組員の半数に過ぎず、彼らはマニラ湾口コレヒドール島に収容隔離された。そのうち420名が乗った内地への帰還船サントス丸は、台湾沖バシー海峡において敵潜水艦に撃沈され、生存者は120名であった。また、米軍の来攻に備えフィリピンに残留した乗組員たちも、マニラ周辺地区の戦闘で倒れ、僅かに生き残った者たちは東部山岳地帯のジャングルへと逃れたが、そこに待っていたのは飢餓と疫病だった。フィリピン残留武蔵乗組員の死亡率は92%、そのほとんどが無人の山野に果てた。半世紀後、生き残った兵士が、遺族が、痛恨の記憶を語る。軍艦武蔵乗組員2399名のうち、生きて日本の土を踏むことができたのは約400名だった。