黒い十人の女のレビュー・感想・評価
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素晴らしかった
なんと言っても和田夏十の脚本が凄い。
彼女だからこそ書ける台詞、動作。
オリジナルと映画版で変わった部分もあるようだが、
それにしても台詞のひとつひとつが素晴らしい
それぞれに切実である上に、洒落ている。
女対女は、それが静かでも激しくても良いし
ましてや男対十人の女は面白くないはずがない
その十人の女に対する風末吉のキャラクターの妙
あの飄々とした、まさに風のような男に
女たちは翻弄され、解放されるのである
風の妻、山本富士子が魅力的である
妻しか出来ない言動や、風とのやり取り
他の女たちへの身の振る舞いが素敵
そして、唯一幽霊となる宮城まり子
彼女の行動でこの作品は暗い影を見せる
と思いきや彼女は霊となって風の周りを彷徨くのだ
なんて挑戦的だろう
最も輝いていたのが、岸惠子だった
彼女は他の女に階級の差を見せつけつつ、
最後には責任を負う
ラスト、炎上する車に見向きもせず、
まるで奈落へと進んでいくような表情は
忘れられない
劇中、何度も挟まれる風末吉を殺すイメージが
たまらなく良かった。
溜飲は下がるし、何より女たちが格好いい
モノクロの効果もあると思うが、
最高に十人のシルエットがクールなのだ
もうこの佇まいでいい映画だってのが分かるよね
何度も見直したい映画です
クレイジーキャッツはgood!
女優の市子(岸)、TV局スタッフの五夜子(岸田今日子)、TV局の下請け印刷業を営む未亡人の三輪子(宮城まり子)、それにCMガールの四村塩(中村玉緒)。TVプロデューサーという職業に加え、女に優しすぎるため次々と愛人が増えてゆく風。
風の提案で妻の双葉にピストルで撃たれる芝居を打ち、1ヶ月ほど姿を消すという計画を立てる。双葉の経営するスナックの2階座敷に10人の女が集まり、計画通り空砲を放ち死んだフリをさせる。9人の女たちはまんまと騙され、しばらくして三輪子は自殺する。半月後には女たちは風が生きていることに気づき、双葉を責める。双葉は離婚することで責任を逃れ、市子が彼を匿うことにした。
ラストには女優を引退した市子が車を運転するが、対向車線では事故で火災が発生中。これが逃げ出そうとした風が事故ってたのか?と考えると恐ろしくもなるが、あくまでも想像の中だけのこと。
途中に出てくる妄想の映像がとてもいい。海岸で10人の女に囲まれるところはとてもスタイリッシュなのだ。ただ、宮城まり子の幽霊はコメディともとれるし、どうも違和感がある。それにサスペンスタッチではあるのに、主人公の死の恐怖というものが感じられないところが残念すぎる。働き蜂のようになるTV局であるはずなのにのほほんとしている様子もイマイチだ。
よかった
ずっと気になっていたのをWOWOWで録画してみた。手当たり次第に手を出しているようで10人の女の中ではそれほど魅力的でない女もいて、いかにもこういう人がもてそうだと思った。改めておっかない顔の女はおっかないと思った。
船越英二のいい加減な感じが先日見た『ドン・ジョン』の主人公とは全然違っていてこれはこれで憎めない。全然アプローチが違うのにどっちも熟女がいいという結論だった。
市原悦子が自殺したのはかわいそうだった。最も愛情深いのは彼女だった。
ごふじょ、どこですか?
市川昆監督追悼の意味で上映された
映画「黒い十人の女」(故・市川昆監督)から。
岸恵子さん、山本富士子さん、宮城まり子さん、
中村玉緒さん、岸田今日子さんら、
今では考えられない女優たちが顔を揃えていた、それも白黒。
船越英二さんも若くて、笑ってしまうほどだった。
当時の映画らしく、気障な台詞が飛び交い、
逆に、今の私にとっては新鮮なフレーズとなってメモが増えた。
しかし・・なんといっても、この台詞には勝てない。
たしかに、大女優が口にした。
(実は、若すぎて誰なのかわからなかった)
「ごふじょ、どこですか?」
う〜ん、モノクロの映像よりも、時代を感じた一言。
あっ、読者でもわからない世代が多いかも。
「ごふじょ」イコール「トイレ」
だから「トイレどこですか?」という意味なんだよなぁ。
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