雲がちぎれる時

劇場公開日:

解説

田宮虎彦の『赤い椿の花』を、「「挑戦」より 愛と炎と」の新藤兼人が脚色し、「猟銃」の五所平之助が監督した文芸編。撮影も「猟銃」の竹野治夫。

1961年製作/93分/日本
原題または英題:As the Clouds Scatter
配給:松竹
劇場公開日:1961年7月9日

ストーリー

四国の南端に近い、悪路で有名な菅多峠を、三崎が運転するバスが登って行く。彼は車掌の川口加江子と近く結婚することになっていた。そのバスの客の中に、三崎には忘れることのできない女性、市枝が乗っていた。--三崎は子供の頃、両親を失い市枝の家に引取られ世話になった。しかし、戦争は裕福な市枝の家にも相次ぐ不幸をもたらした。市枝は知人をたよって東京へ、三崎は地元の工場で働いた。戦争が終った。三崎は市枝を探すため、トラックの運転手になり荒稼ぎをした。その頃、市枝は東京の小さな診療所の看護婦をしていた。そこで二世のキムラと知りあい、二人は結ばれユリという子供を生んだ。間もなくキムラは朝鮮戦線で戦死、ユリも重い病気にかかった。しかたなく、市枝は夫の友人で二世の野本に体を代償に助けを求めた。野本との生活も永くはなく、ユリを知人にあずけ、また看護婦になった。が、そこの医師は彼女の体に野望を持っていて、市枝は病院から逃げ出した。そこで偶然にも、彼女を探す三崎と再会した。タクシーの運転手になった三崎の献身的な好意も、暗い過去を持つ市枝には精神的に重荷だった。夢のような楽しい束の間の生活に終止符を打ち、市枝は三崎のもとを離れていってしまった。--三年後、三崎は探しくたびれて、故郷の佐土浜に戻って来た。市枝の帰郷はユリの遺骨を埋葬するためだった。市枝の過去を聞いた三崎は驚いた。が、すべてを水に流して一緒になろうといった。なぜか市枝は聞きいれなかった。三崎の性格が一変した。夜毎酒にひたり、先輩窪津の忠告や、加江子の心配にも耳をかそうとしなかった。ユリの墓が出来るまで、市枝は友人の料理屋の手伝いをした。そこに野本が現われ、三崎の面前で彼女の昔を暴露した。市枝は否定しなかった。そして、三崎に昔の姿で一目会いたかったと告白した。三崎のさし出す手を払いのけ、市枝は加江子と幸せになってくれといって、佐土浜から去って行った。--菅多峠の悩みも新設のトンネルが開通するので解消されることになった。三崎は加江子にあやまり、新しい生活に入る決意を語った。二人の運転する峠越えの最後のバス、加江子の胸は喜びにふくらんだ。バスは椿峠の断崖にさしかかった。突然、バスの前にオートバイが……バスは横転して崖下へ。加江子を必死にかかえこむ三崎、加江子は奇蹟的に助かったが、三崎は死んだ。--一ヵ月後、傷もなおって勤務する加江子の車が事故現場にさしかかった。彼女の耳には、彼女を気づかう三崎の絶叫がいつまでも聞えつづけた。

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映画レビュー

4.0ひまわり娘と下町の太陽

2024年3月10日
Androidアプリから投稿

タイトル通りつかみどころのない映画である。原作は赤い椿の花。はっきりくっきり。読んで見たくなるあたり、監督の意図?
戦後復興に沸く日本。ささやかな田舎の片隅にも壮絶な人生。が、テーマかな?
有馬さん相手じゃ倍賞さん分が悪いな~と、思いきや。話が進むほど美貌の有馬の存在感は雲散霧消してしまい、素朴な倍賞の可愛らしいさだけが印象にのこる。天女の羽衣のような雲がちぎれて、太陽が輝きはじめるのだ。
人々を苦しめるのは戦争の記憶である。有馬には戦中戦後を生き抜いた人間の凄みがある。倍賞は戦争なんか覚えてないわと明るく前向き。
荒地に咲く大輪の花を見上げるより、暖かい実家で心優しい妹に癒やされたい。
このあたりで映画女優はその役割を終えたのだろう。

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こうた

5.0ラスト悲し過ぎます。

2018年9月28日
Androidアプリから投稿

泣ける

悲しい

怖い

ラスト悲し過ぎます。

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モモッシー

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