沓掛時次郎(1954)

劇場公開日:

解説

「国定忠治(1954)」に次ぐ日活時代劇第二作。長谷川伸の原作より、「国定忠治(1954)」の菊島隆三と「霧の第三桟橋」の井手雅人が共同脚色し、「花と竜 第一部」「花と竜 第二部」の佐伯清が監督している。撮影は「この太陽」の藤井静、音楽は「雪の夜の決闘」の清瀬保二の担当。出演者は「大阪の宿」の水戸光子、「太陽のない街」の三島雅夫のほか、「国定忠治(1954)」に出演した島田正吾、辰巳柳太郎、石山健二郎はじめ新国劇が総出演する。

1954年製作/98分/日本
配給:日活
劇場公開日:1954年7月27日

ストーリー

沓掛時次郎は一宿一飯の恩義から、何の怨みもない六ッ田の三蔵を斬ったが、息を引取る三蔵から身重の妻おきぬと子供の太郎吉を、おきぬの実家に送り届ける事を頼まれた。太郎吉はすぐ時次郎になついたが、おきぬは時次郎が憎くて仕方がなかった。しかし兄夫婦の実家も住みよい所でなく、気の進まぬ縁談を迫られたりすると、おきぬは次第に時次郎の優しさが想い出されて来るのだった。一方、時次郎はつくづくやくざ稼業に厭気がさし、堅気になっておきぬと再会した。ひっそりした師走の門付け、それは時次郎と、今はもう離れられぬおきぬと太郎吉の姿であった。おきぬのお産が迫ったので、時次郎は金が欲しかった。今はヨイトマケの作業員になり下った時次郎は、人夫頭に前借りを断られて悄然と立去る丁度その時、日当一両の喧嘩の助人の話が待構えていた。やくざを棄てた時次郎ではあったが、おきぬに内証で再び長脇差を持った。それを知らず産気づいたおきぬは、難産のために時次郎の名を苦しい息の下から呼び続けながら世を去った。今日もまた浅間の煙りが三筋に流れる。太郎吉を背負った時次郎の足どりは重く、果しない街道の彼方に消えて行った。

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