悪魔の手毬唄(1977)のレビュー・感想・評価
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0129 仁科明子最後の輝き
1977年公開
市川崑金田一最高傑作。
スタッフもキャストも横溝世界観に浸りまくり
さらに市川演出にも慣れてきて絶好調。
石坂浩二のマントも印象的。
北公次も悪くない。
恵子ちゃん、出てくれる?
お任せしますわ岸恵子も悲劇の女性の存在感ありまくり
若山富三郎は人のいい役を見事にこなす。
村井邦彦のテーマ曲もいい。
原作も横溝正史円熟期に書かれており
すべてがプラスに作用している。
100点
初鑑賞 1977年4月6日 梅田劇場
パンフ購入
映像センスはさすが
磯川警部の恋の物語‼️
「犬神家の一族」に続く2作目で、市川崑監督、石坂浩二主演の "金田一耕助" シリーズの最高傑作‼️同時に「砂の器」と並ぶ日本ミステリー映画の至宝ですね‼️冬枯れの鬼首村で起きる連続猟奇殺人事件に金田一耕助が挑む・・・天才・市川崑監督の映像センスがホント素晴らしくて、水墨画のような映像だったりとか、手際良くプロローグで主要人物の説明を済ませたり、東宝マークからえんえん11分後に思わずうなるタイミングでメインタイトルが出たり、名作「モロッコ」や無声時代劇「新版大岡政談」を部分使用したりとか。哀愁漂う音楽もそうなんですが、情感豊かなタッチと市川監督特有の技巧が完璧に融合してると思います‼️しかし何よりもこの作品をシリーズ最高の名作としているのは、岸恵子さんと若山富三郎さんの圧倒的な存在感に他ならない‼️悲しい女の性(さが)を体現する岸恵子さんの熱演‼️自分の娘を殺してしまったと泣き叫ぶシーンや、自ら沼に入っていくラストの佇まいなど、まぶたに焼きついて忘れられません‼️そして、磯川警部役の若山富三郎さん‼️見事な掛け合いを見せる金田一との友情‼️磯川警部が岸恵子さん扮するリカに寄せ続ける恋慕の念‼️リカに自首を勧めるシーンの若山富三郎さんの熱演には胸が熱くなります‼️そして、ラストの金田一のセリフ"磯川さん、あなたリカさん愛してらしたんですね・・・?" ‼️もうたまりません‼️ミステリーの枠を越えた人間ドラマとしても映画史に残ると思います‼️色々な人に見て欲しいですね‼️
金田一さん、未然に防げないね
【市川崑監督、石坂浩二金田一耕助シリーズ第二弾。「犬神家の一族」程のインパクトはないが、民俗学の色合い及び哀しき殺人者の動機など、惹かれる作品。】
ー 世に名探偵と言われる探偵は、多々いる。
”ファイロ・ヴァンス””シャーロック・ホームズ””ポアロ”そして”金田一耕助”・・。
皆、殺人を止める事は出来ていない。
犯行後、”しまった!”と言って現場に駆け付け、犯人を推理するが、犯人の方が先手先手を取 り、犯行を重ね、最後は犯人自ら命を絶つ。
若い頃は、”全然、名探偵ではないではないか!”と思いつつ、上記”名探偵”の作品は、ほぼ全て読み漁った。
何が言いたいかと言うと、名探偵真犯人、後追いの”推理小説”は万民に受け入れられるという事である。
であるので、今作を含めた金田一シリーズは、私は好きである。ー
■感想
・キャスティングで、誰が犯人かが分かってしまう、”安心感”。
ー 金田一映画シリーズの特長である。ー
・土俗性、(今作では、老婆が歌う手毬唄)の巧みな使い方。
・キャラクターの多さ及び、複雑に入り組んだ人間関係。隠された血縁関係。
・お決まりの石坂”金田一”の頭を掻きむしったあとのフケを含めたお決まりの仕草。
・大仰な音楽。
<年齢的に、リアルタイムで映画館で観た事はないが、”お決まり感”と、残虐描写。
そして、後手後手の金田一耕助名監督の推理。
凄く、貶しているようであるが、これらを丁寧に描く市川崑監督の映画作りが良いのである。
そして、現在では物故者が多くなってしまったが、”昭和”の名役者さんたちの姿。
今作で言えば、リカを演じた岸恵子さんは別格として、若山富三郎さん、仁科明子さん、草笛光子さん、大滝秀治さん、シリーズ常連だった”そうか、分かった!”加藤武さん、常田富士男さん・・。
豪華なキャスティングである。
当然、物語も、オモシロイのである。>
手毬歌の出来が大変に素晴らしく、人形が毬をつくシーンでの使われ方は、前作の湖面から足を逆さに突き出したビジュアルに勝るとも劣らないインパクト
金田一耕介の登場する映画は沢山あります
市川崑監督で石坂浩二主演の作品は6作品あります
1976年10月 犬神家の一族
1977年4月 悪魔の手毬歌(本作)
1977年8月 獄門島
1978年2月 女王蜂
1979年5月 病院坂の首縊りの家
2006年12月 犬神家の一族
2006年の作品を除けば、まるで寅さん並みの短いサイクルで撮られていることがわかります
しかし内容は非常に濃く手抜きは一切ありません
本作はその第2作になります
前作が大ヒットしたのですから、当然次回作を出すのは当たり前です
幸い原作は沢山あるのですから、シリーズ化は当然という流れです
第1作は角川春樹事務所が製作でしたが、本作は東宝の製作です
角川が金を出さなくても東宝の企画でやる
むしろ東宝だけでやりたい
大ヒット確実なのですから、資本回収の旨味もまた確実に大きい
当然のことです
角川も金を出さなくても、東宝が勝手にどんどん映画にしてくれる
文庫本のプロモーションをただでやってくれるのですからウハウハです
いまさら金をだす必要もない
むしろその資金は、この横溝作品の成功パターンを自社が刊行している他の作家でも試みたい
それが森村誠一の「人間の証明」となるわけです
本作と同じ1977年の10月公開でした
さて本作
前作の雰囲気を極力維持しており納得の作品です
音楽は大野雄二から村井邦彦に変更
タイトルの手毬歌が、本作を成功するも、失敗するにも、この歌の出来不出来にかかっています
ですからこれも納得の布陣です
この手毬歌の出来が大変に素晴らしく、人形が毬をつくシーンでの使われ方は、前作の湖面から足を逆さに突き出したビジュアルに勝るとも劣らないインパクトがありました
主要登場人物も前作から継承されて安心感、安定感があり満足感も大変に高いものがあります
日本映画のオールタイムベストの上位にランクされて当然です
久しぶりの仁科明子
昭和27年の鬼首村での事。青年団で仁科明子扮する別所千恵子の歓迎会を催そうと計画している時に石坂浩二扮する金田一耕助は村の岸惠子扮する青池リカの宿に泊まっていた。昔、占い師を処刑したら首が鬼の形相になり村を焼きつくしたと言う伝説があった。金田一は、若山富三郎扮する磯川警部からリカの旦那が20年前に殺されたと話を聞いた。迷宮入りしているが、磯川警部の腑に落ちなかったので金田一に依頼したいと言った。すると由良家の娘泰子の殺人事件が発生した。実は村に伝わる手毬唄に習って殺されたと判った。次に仁礼家の娘文子が殺された。何とも無気味な話だけど、村の人間関係が複雑で、ちょっと分かりにくて面倒くさかったね。久しぶりに仁科明子が見られて良かったよ。
刑事から20年間迷宮入りしている殺人事件の捜査を頼まれた金田一耕助(石坂浩二)は岡山県総社市近辺にあるという鬼首村に向かう。3件の殺人事件は例の迷宮入りしている殺人事件とも関係があった。
BS-TBSで映画「悪魔の手毬唄(1977)」を見た。
劇場公開日 1977年4月2日
市川崑監督62才
横溝正史(原作)75才
石坂浩二36才
岸惠子45才
北公次28才
仁科亜季子24才
草笛光子44才
若山富三郎48才
大滝秀治52才
三木のり平52才
この作品よりも以前に、高倉健が主演で太地喜和子も出演していた「悪魔の手毬唄(1961)」があったことは知らなかった。
冒頭に出てきた登場人物に見覚えがあったが、誰だかは判らなかった。
クレジットが出て、それが北公次だと判った。
自分が見た横溝正史原作の映画の主演はほとんどは
石坂浩二なのだが、原作者横溝正史のお気に入りの金田一は「八つ墓村」で主演した渥美清らしい。
この市川崑監督の「悪魔の手毬唄(1977)」は上映時間が長く、画面は暗い。
上映開始すぐに映画に引き込まれていく魅力がある。
日本映画が元気だった時代だと思う。
刑事である若山富三郎から20年間迷宮入りしている殺人事件の捜査を頼まれた金田一耕助(石坂浩二)は岡山県総社市近辺にあるという鬼首村に向かう。
金田一が調査している間に殺人事件が起こってしまう。そして、殺人事件は1件にとどまらず、2件目、3件目の事件さえも起きてしまう。
その3件の殺人事件は例の迷宮入りしている殺人事件とも関係があった。
犯人が用いたそのカラクリとは?
上映時間は144分。長いが長さは感じない。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
複雑に絡み合ったゾクッとミステリー。
『悪魔の手毬唄』鑑賞。
*主演*
石坂浩二
*感想*
初めての金田一耕助シリーズ!犬神家の一族は、ネタバレを食らってしまったので、「悪魔の手毬唄」から観始めました。キャストは石坂浩二さん、大和田獏さん、大滝秀治さん、岡本信人さんしか知りません!(^^;
話は、鬼首村を舞台に、ある手毬唄になぞらえて事件が起きて、金田一が謎を解くミステリー。グロいシーンは特になかったのですが、死体と日本人形が怖い!血糊も怖かった!
話が複雑なので、仁礼家と由良家が争っていること、家系図を頭の中で叩きこまないとイマイチわからないです。でも!解る部分もありますけどね。僕は全部はわからなかったので、見終わった後に解説観ました。
金田一が髪の毛を激しく掻く動作や謎を解くヒントとかありました。
最後のアレはゾクッとしますし、悲しいし、切なかった。。
総じて、複雑ではありましたが、面白かったです。演出が怖かったけど、良かった!(^^)
やはり日本人は股旅物が好きだなー
見てる間はストーリーとか、いろんなものに集中しているので犯人が誰だとかアリバイやトリックなど考える余裕は少ししかない。 映画には複雑なミステリーは合わないのであってかといって単調過ぎても面白くなくそこのところが難しい。その点、この映画は登場人物も結構多すぎるし頭フル回転でないと一瞬でワケわかんなくなる。しかし、そうして必死こいて見てると一番 ポイントとなるメイントリックって言うか、その部分が分かってしまうわけだ。そこは分かってしまうのだがしかし犯人のアリバイとかそういうところが全然描かれていない。つまりミステリーとしては成り立っていない。ということで、あまり高い評価は出来ないかな。
それに私好みの女優も出ていなかったし。
この映画の一番いいところは若山富三郎の役所であろう。あの役所はやはりいい俳優でないと映画が持たない。こんだけステリー映画として失敗していても、そこんとこだけ輝いている。それで挽回してまあまあの作品になったという感じがする。
そして金田一ものは何と言うか旅情があると言うか、去っていくところにいつも味があっていいね。
ややこし過ぎる!
昭和映画のインパクト!石坂金田一第二弾。
相変わらずインパクトのある死体遺棄をする石坂金田一シリーズ第二弾です。一人目はあまりのシチュエーションに正直ちょっと笑ってしまいましたが、二人目は本気で不気味でした。
最初に殺された娘さん、正面から首を絞められた!?いやいや、普通抵抗するでしょ?って思ったのですが、犯人がわかると納得。あれは近所の友達のお母さんがいきなり殺しにきたって話だったんですね。普通友達のお母さんが殺しにくるとか想像もしないです。そりゃ、油断もするわな。
途中で犯人が「よし、わかった!」ので、里子さんが殺された時には「うっわー」となりました。これってもしかして・・・と思ってたら案の定。もう本当にドロドロしたストーリー展開です。よくこんな話考えつくなぁ、横溝正史。稀代の探偵を作り上げた作家だけあって、発想が常人離れしてますね!
インパクトのある画面作りと突飛まなストーリーで総じて楽しめたのですが、あのカナオくんの演技だけはかなり微妙でした。もうちょいどうにかならなかったのかなぁ。
大人になって初めてみたけど
助演・若山富三郎の代表作品
市川昆/石坂浩二コンビの金田一耕助シリーズの最高傑作だと思うけどな…
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自宅(CS放送)にて何度目かの再鑑賞。細部に至る迄、丁寧に撮った感が有り、シリーズ二作目にして、恐らく市川・金田一モノでの最高傑作だと思う。原作の雰囲気に合った遠景を多用した牧歌的な風景と対照的に凄惨な描写は実験的な作風と相俟って持ち味を十二分に発揮しており、監督の力量を再認識した。何と云っても黒バックで子供が毬を撞くシーンは鬼気迫る不気味さが滲み出ており、夢に出そう。描かれているトリックを含め、ほぼ忠実に映像化されているが、原作の持つフーダニットの要素も再現して欲しかった。75/100点。
・“青池歌名雄”の北公次は一人浮いていて難有りだが、名優揃いのキャストは見応え充分。中でも“磯川”警部の若山富三郎は自然で違和感無く、忘れ難い存在。
・鑑賞日:2012年3月19日(月)
全35件中、1~20件目を表示