劇場公開日 1977年4月2日

「手毬歌の出来が大変に素晴らしく、人形が毬をつくシーンでの使われ方は、前作の湖面から足を逆さに突き出したビジュアルに勝るとも劣らないインパクト」悪魔の手毬唄(1977) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0手毬歌の出来が大変に素晴らしく、人形が毬をつくシーンでの使われ方は、前作の湖面から足を逆さに突き出したビジュアルに勝るとも劣らないインパクト

2021年1月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

金田一耕介の登場する映画は沢山あります

市川崑監督で石坂浩二主演の作品は6作品あります

1976年10月 犬神家の一族
1977年4月 悪魔の手毬歌(本作)
1977年8月 獄門島
1978年2月 女王蜂
1979年5月 病院坂の首縊りの家
2006年12月 犬神家の一族

2006年の作品を除けば、まるで寅さん並みの短いサイクルで撮られていることがわかります
しかし内容は非常に濃く手抜きは一切ありません

本作はその第2作になります
前作が大ヒットしたのですから、当然次回作を出すのは当たり前です
幸い原作は沢山あるのですから、シリーズ化は当然という流れです

第1作は角川春樹事務所が製作でしたが、本作は東宝の製作です
角川が金を出さなくても東宝の企画でやる
むしろ東宝だけでやりたい
大ヒット確実なのですから、資本回収の旨味もまた確実に大きい
当然のことです
角川も金を出さなくても、東宝が勝手にどんどん映画にしてくれる
文庫本のプロモーションをただでやってくれるのですからウハウハです
いまさら金をだす必要もない
むしろその資金は、この横溝作品の成功パターンを自社が刊行している他の作家でも試みたい
それが森村誠一の「人間の証明」となるわけです
本作と同じ1977年の10月公開でした

さて本作
前作の雰囲気を極力維持しており納得の作品です
音楽は大野雄二から村井邦彦に変更
タイトルの手毬歌が、本作を成功するも、失敗するにも、この歌の出来不出来にかかっています
ですからこれも納得の布陣です

この手毬歌の出来が大変に素晴らしく、人形が毬をつくシーンでの使われ方は、前作の湖面から足を逆さに突き出したビジュアルに勝るとも劣らないインパクトがありました

主要登場人物も前作から継承されて安心感、安定感があり満足感も大変に高いものがあります

日本映画のオールタイムベストの上位にランクされて当然です

あき240