鬼龍院花子の生涯

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劇場公開日:

解説

名匠・五社英雄監督が、直木賞作家・宮尾登美子の同名小説を映画化。大正末期から昭和にかけての土佐を舞台に、侠客・鬼龍院政五郎と彼を取り巻く女たちの凄まじくも絢爛な愛憎劇を、仲代達矢、夏目雅子、岩下志麻らの共演で描く。大正10年。土佐の侠客・鬼龍院政五郎は、松恵という養女をとる。政五郎は正妻である歌のほかに複数の愛人を囲っており、愛人に産ませた娘・花子を溺愛するように。政五郎の身の回りの世話をしながら成長した松恵は、政五郎の反対を押し切って女学校に入学。やがて高校教師の田辺と恋に落ちるが……。

1982年製作/146分/日本
配給:東映
劇場公開日:1982年6月5日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第6回 日本アカデミー賞(1983年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 五社英雄
脚本賞 高田宏治
主演男優賞 仲代達矢
主演女優賞 夏目雅子
音楽賞 菅野光亮
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(C)東映

映画レビュー

4.0【”なめたらいかんぜよ!”土佐の侠客・鬼龍院政五郎と彼を取り巻く”はちきん”女たちの生き様と死に様をエロティシズム溢れる映像で描いた作品。迸る熱量がトンデモナイ作品でもある。】

2024年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

難しい

ー ”はちきん”・・高地県に仕事で頻繁に行っていた時に、飲み屋街で教えて貰った言葉である。
  意味は、(その後、キチンと調べた。)酒を呑んでばかりいる土佐の男を4人程度は首根っこを掴んで働かせる、男勝りの女性の事を言うそうである。
  ウーム。”はちきん(意味分かりますね!2掛ける4は8ね!)の一人にはなりたくないなあ・・。-

■大正時代、土佐の大親分「鬼政」こと、鬼龍院政五郎(仲代達矢)の養女となった松恵(少女時代は仙道敦子。成人してからは夏目雅子)。
 土佐電鉄の労働争議で知り合った高校教師・田辺(山本圭)に惚れ込んだ松五郎は、彼を自らが溺愛する実の娘・花子(高杉かほり)の婿にしようとするが、松恵と田辺がいつしか愛しあうようになり、政五郎は激昂し、二人は土佐を離れる。

◆感想

・この映画には、”はちきん”が多数描かれる。
 1.政五郎の妻である歌(岩下志麻)
 2.政五郎の妾であるつる(佳那晃子)
 そして、松恵である。
 だが、只一人、政五郎に振り回され、哀しき人生を歩み客死した女がいる。政五郎が溺愛する実の娘・花子である。
 冒頭は、彼女が京都の遊郭で死んだ花子の急死するシーンから始まる。

・この映画は、松恵を演じた夏目雅子さんが、田辺の遺骨を貰いに行った際に激しく父親から拒絶された時に切った啖呵”なめたらいかんぜよ!”が有名であるが、冒頭から他の”はちきん”も頻繁に口にしている。
 特に、歌を演じた岩下志麻さんの、臨とした着物姿の気品と、チフスの病に倒れてからの松恵に詫びる姿は、絶品の演技である。

・この映画の見所は、どうしようもない男だが、何処か憎めない政五郎を演じた仲代達矢の姿であり、彼を取り巻く”はちきん”女たちの生き様と死に様をエロティシズム溢れる映像で描いたところであろう。

<昔、チラリと見た時には(TVだったかな・・。)女優陣の裸ばかり取って、好きではないなと思っていたのだが、今観るとナカナカ気骨ある映画だなと思ったモノである。
 だが、それはこの映画に主要人物として出演している全ての女優さんの気概が凄いからだと思うのである。
 所詮、男なんてものは”はちきん”に振り回される生き物なのである。
 そんな中、哀れに表現されるのが花子の生き様、死に様という点の対比も見事な作品であると思う。
 タイトルが「鬼龍院花子の生涯」というのも、シニカルである。>

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NOBU

3.5昭和の作品は重厚

2024年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

五社英雄作品を初めて見ました。
大人になってから見たので、面白いと思いました。 表情や背中だけでも「心情の機微」が伝わるんですよね。昭和の監督と役者さんの演技(演出)は重厚だなぁと改めて実感。

子だくさんの貧乏な一家が子供を売る、養父が養女を襲う(鬼政なりの哲学と、結果未遂ではありましたが・・・・)、妾と一緒に生活するとか・・・・・時代なんですよね・・・・

この歳で初めてみて、ビックリしたのが「え???夏目雅子さんが鬼龍院花子ではなかった!」ですね。今見ても本当にお綺麗だし、素晴しい演技でした。
そして、この作品お実質的な主役は仲代達矢さんですね。
岩下志麻さんも迫力があったなぁ~~。

任侠の物語なので、鬼龍院一家に対する嫌な感情はなく、むしろ、人に惚れ自分の信念で時代を読み違えたことによる没落の悲哀が印象的でした。

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ヤナコ

3.0面白かったです。

2023年1月8日
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まゆう

4.5今の日本にまるで無い義理と人情。

2022年9月2日
iPhoneアプリから投稿

2022/9/2
池袋・新文芸坐の
五社英雄監督 没後30年記念上映で観て来ました。

別日ですが、トークゲストが
友近とマツコデラックス。
名画座に来るメンバーでは無いってくらい
五社監督の凄さを感じる。

一度、銀幕で観たかったんだ。
同時上映に「吉原炎上」

タイトルとは違い主役は仲代達矢。
今の日本からどんどん無くなる義理と人情。
(暴露系を楽しんでるくらいだからね)

本当に大変な生涯をしっかり見せられる。
夏目雅子など大物女優が
「脱ぐ役なんでしょ?女優ですから」
というプロ根性に圧巻な芝居。

大人になる前に一度は観て欲しい。

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