君が青春のとき
劇場公開日:1967年6月3日
解説
「陽のあたる坂道(1967)」の倉本聰と新人の加藤隆之助が共同でシナリオを執筆、「恋のハイウェイ」の斎藤武市が監督した青春もの。撮影は「星よ嘆くな 勝利の男」の萩原憲治。
1967年製作/94分/日本
原題または英題:Hippie Love
配給:日活
劇場公開日:1967年6月3日
ストーリー
木所香は女性ディレクターとして初めて自分の企画であるドキュメント番組「君が青春のとき」を手がけることになった。香の制作意図は原宿族の生態をとらえ、無意味な生活を通して現代の青春に疑問を投げかけるというものだった。香は、親友冴子が声楽家として将来を属望されながらプレイボーイにひっかかり、その将来を台なしにしてしまったことに腹を立てていた。この企画は実はそれがヒントだったので香は企画会議に体当りで取組むと約束した。そして作家の江波に構成を頼み、FMカーを駆って原宿や青山一帯に網を張った。香が主役に選んだのはピン公というチンピラだった。ところが、隠し撮りの最中にピン公が香に言い寄ってきたため狼狽した香がコップの水をピン公にひっかけ、折角の機会を駄目にしてしまった。スタッフにからかわれ意気消沈した香だったが、再び発奮してピン公の後を追った。それには今はナマヌルイ小説を書く江波を、再び以前のような情熱的な作家にしようという意図もあった。しかし、江波は逆に香の身を安じていた。ピン公と和解した香は秘密パーティに連れて行かれた。その隠し撮りは大成功だった。すっかり香に気を許したピン公は香を自分の恋人として姉のまゆみに会わせたところが、そこには香の恋人五郎がいた。五郎とまゆみは同じ会社に勤めていたのだ。香の計画を知った五郎は、ピン公をモルモットに仕立てている香を激しく責めた。一方、江波もピン公をだましつづけるのは香のためによくないと考えていた。香も良心がとがめ、ピン公に真相を打ち明けた。ピン公は香を許し、ただ間もなく結婚するはずのまゆみに迷惑をかけないでくれと言うのだった。完成した「君が青春のとき」は上々の出来だった。ところが、突然放送中止になってしまった。それは江波が中止を申し入れたためだった。香はそれを残念に思いながらも、ピン公のことを思うとこれでよかったと思わずにはいられなかった。香は晴々とした顔で五郎に会いにいくのだった。