東海遊侠伝
劇場公開日:1964年1月15日
解説
瀬戸口寅雄の原作を、「遊侠無頼」の山崎厳と藤崎誠孝が共同で脚色、「銀座の次郎長 天下の一大事」の井田探が監督した侠客もの。撮影もコンビの萩原泉。
1964年製作/85分/日本
配給:日活
劇場公開日:1964年1月15日
ストーリー
黒羽組大五郎の片腕と言われる銀次は、腕ききの代貸しだ。ある日、黒羽組のシマ荒しに来た堅気の者の真面目な姿に胸をうたれ、今までのヤクザな生き方に疑問をもった。銀次は清心亭の小染を秘に愛していた。小染は清水の大滝組の組長の子供で、一家が四散した時、懐刀といわれた仁助にひきとられた雪江であった。銀次は自分が堅気になった時、雪江を一身うけしようと誓っていた。かつて懐刀と言われた仁助も、今は黒羽組にいためつけられる露店商であった。ある日仁助のもとに相州哲が訪れた。かつて大滝一家で小太刀の使手として名を売っていたが、雪江との結婚式の夜、殴り込みに会い、雪江を捨てて行方をくらませた。しかし、雪江が今幸福に生活しているのを聞き、仁助のもとを人知れず去って行った。仁助と黒羽組との間は泥沼におちていった。仁助との争いに手を下すように大五郎から責められる銀次は、これを機会にやくざとの関係をたちきって雪江との新しい生活をする決意を固めた。一方相州哲は雪江のみうけの金をつくると称して黒羽組の賭場にのりこんだ。銀次とサシで賽をふった哲は自分のイカサマを見破って大金を掴ませた銀次に不審感と、敵意を感じた。一方、仁助の背後に何かあると感ずいた大五郎は、組を去られた腹いせに、まず銀次を消すために哲の前に札束を積んだ。自分の妻を奪い去ろうとする男を殺る!異様な眼光が走った。積みあげられた札束を雪江のためにと思う哲と、めでたく身請けした銀次、決斗の場ときめられた橋の上、雪江の幸福のために殺されようと決心する哲の姿があった。