怪猫からくり天井

劇場公開日:

解説

平井池三の書き下し脚本による、鋼島騒動を扱った化猫映画。監督は「火の玉奉行」の深田金之助、撮影は「浪人八景」の伊藤武夫。主演は化け猫スターの元祖鈴木澄子のカム・バックに、「丹下左膳(1958)」の月形龍之介、「鴬城の花嫁」の大川恵子、「少年三国志 (二部作)」の南郷京之助。ほかに、三島雅夫・徳太寺伸・佐々木孝丸などのヴェテラン。

1958年製作/72分/日本
原題または英題:Uncanny Cat in the Ceiling
劇場公開日:1958年6月29日

ストーリー

--鍋島家の囲碁師匠・又七郎は対局中藩主肥前守の手打ちになった。彼の許婚者・お小夜は側女に召出されていた。彼の死体を前に母秋篠は鍋島家を呪いながら自害して果てた。そのとき、又七郎の愛猫・玉簾が現れ、二人の血汐をなめつくすと、妖しく鳴いて消えたのである。これよりのち、肥前守の寝室に夜な夜な怪猫が現れ始めた。秋篠の怨霊が猫にのり移ったのだ。又七郎の亡霊も現れた。鍋島家には分家をたててお家乗っとりをはかる家老・秋沢筑後一派と、お家大事の重臣・小森親子、二番家老・島多門、白石三平一派とがあった。--肥前守は病同然の身となったが、又七郎母子の法要を営むと、少しは回復した。が、本復祝いの席上、怪猫がまたも現われ、肥前守の愛妾・お小夜の方を奪って消えた。お小夜の方とはかつてのお小夜のことである。肥前守は遂に発狂し、座敷牢に閉じこめられた。秋沢一味は早速分家の相続願いを江戸表へ送るが、白石三平の機転ではばまれた。一味は肥前守に毒を盛ろうとしたりする。行者白竜禅師は、腰元に化身して肥前守に近づこうとした怪猫の正体を見破る。怨霊はお小夜の方に乗り移った。護衛役・小森大助は肥前守を座敷牢から救い出し、追手をさけて不動山に入った。怪猫はお小夜の方の姿のまま、肥前守を招きよせた。が、白竜禅師の呪文に、その正体を現し、無気味な叫び声を残して消えた。禅師の数珠で回復した肥前守は陰謀の証拠の密書を持って城へ帰り、対立する二派をおししずめようとした。二派の乱闘の最中、再び怪猫が現れて肥前守に襲いかかるが、--たちまち白竜の呪文である。怪猫は“神鏡”の発する火焔にやかれ、大助と白石に斬り伏せられる。むろん、謀叛の一味も滅びたのである。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5面白かったです

2023年3月3日
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tabotyoko

4.0多彩な技を繰り出す化け猫が面白い

2022年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「怪猫からくり天井」は64年前にリアルタイムで観た化け猫映画です。化け猫スターの元祖、鈴木澄子が久し振りに映画界に復帰、これが遺作となりました。街角に貼られたポスターは、当時の小学生には怖かった。怪談物の身の毛もよだつ怖い映画と違い、化け猫が床や天井を飛び回るワイヤーワークや曲芸のようなアクロバティックな面白さもあって小学生でも怪猫映画を楽しめました。数年前にCSで放映されました。怪猫が灯りの油をなめる、お馴染みの場面「見たな! 見たであろう・・」など、化け猫映画の定番場面を詰め込んだ怪猫映画のサンプルのような作品で、化け猫女優・鈴木澄子さんの演技は見応えがありました。内容も面白い。際物映画ながら名優・月形龍之介を筆頭に大川恵子、霧島八千代、鈴木澄子、三島雅夫、徳太寺伸、佐々木孝丸などのヴェテラン揃いが嬉しい。さすが時代劇の東映です。

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papatyan