海峡、血に染めて

劇場公開日:1961年10月1日

解説

大村隆弘の原作を棚田吾郎が脚色、「峠を渡る若い風」の鈴木清順が監督した海上保安庁の活躍を描いたアクションもの。撮影は「銀座ジャングル娘」の峰重義。

1961年製作/83分/日本
配給:日活
劇場公開日:1961年10月1日

あらすじ

海上保安大学学生船越洋介は実習生として、生まれ故郷対馬に派遣される連絡船上で、恋人の後を追って対馬に向うひろみという女と知り合った。下船の際、昔洋介の家で働いていたトラから荷物を頼まれた洋介は、中身が闇軍票と知って驚いた。洋介の家では彼の帰りを知って、幼馴染のツギなどが集って洋介の帰りを喜んで待っていた。だが兄克巳だけは何故か暗い表情だった。翌日から巡視艇“いそかぜ”に配属を命じられた洋介は、足立艇長とキャバレー“ヒスイ”に出かけ、克巳がうさんくさい玄洋丸の船員藤井たちと一緒にいるのを見て、不安を感じた。そのキャバレーこそ、密輸の連絡場所として保安部から睨まれていたからである。その夜、克巳はひろみに「弟さんは保安官よ。足を洗ったら……」といわれ、苦悶の表情をうかべた。数日後、洋介は幼馴染の海女ツギと実家に帰り、母と会った。そのころ、“ヒスイ”ではひろみに横恋慕している藤井と克巳が睨み合っていた。まもなく、“いそかぜ”は巡視中に怪しい海竜丸を発見、直ちに追跡したが、その船上に兄克巳の姿を見て洋介は愕然とした。海竜丸は0ラインに逃げ込んでしまった。翌朝、洋介はツギから藤井たちが密航者のあっせんをしていると聞き、密航者を装って乗りこむことを決心するとともに、ツギに保安部への連絡を頼んだ。しかし、洋介は藤井に捕えられた。克巳は自分の行為を悔い、藤井に弟を助けてくれと懇願するが、藤井はその代償としてひろみを要求するのだった。そのころ、ツギの報らせで、“いそかぜ”は全速力で現場に向っていた。海竜丸の甲板で洋介兄弟と藤井一味の死闘が続き、克巳の働きで藤井一味は自滅した。翌朝、自首を決意した克巳を見送るひろみと、洋介のたくましい姿が見られた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5 密航者を追うサスペンスとアクションのバランスが良い社会派作品。

2026年8月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

悲しい

興奮

原案/大村隆弘 伊藤一夫
監督/鈴木清順
脚本/棚田吾郎

 YouTubeの【公式】日活フィルム・アーカイブで、7月16日(木)19:00~8月2日(日)19:00の期間限定無料配信されていたので観ました。

 GoogleのAIによる概要によると、「映画『海峡血に染めて』の原作は、大村隆弘の原案・原作によるものです。一般に流通する小説などの「原作本」としての出版物ではなく、映画のためのオリジナル原作(または原案)としてクレジットされています。」
 HMV&BOOKS onlineの今作のDVD紹介ページによると、「現役の海上保安官の実体験に基づき描かれた、迫力満点の本格海洋アクション。」

 雨上がりの涼しい風が吹き込む部屋で観ていたので、海の映像がとても心地良かったです。

 鈴木清順作品ですが、鈴木清順監督らしい前衛演出はまだ目覚めてなくて、日活アクションの王道らしい演出でした。
 テンポが良く、密航者を追うサスペンスとアクションのバランスが良かったです。
 当時を知らない私にはどこまで当時の対馬の現実が反映されているかは知りませんが、対馬の苦境や在日コリアンによる密航や密輸が描かれていて社会派な作品でした。今では在日コリアンによる密航や密輸をテーマにした作品は作れませんね。某国が五月蝿いから…。

 今作の在日コリアンの描写ですが、チマチョゴリを着た女性が自然と風景に溶け込んでいたり、清濁併せ呑む存在として描かれていて、K-POPをゴリ押ししたり、韓国人を善人としか描かない最近のドラマよりよほど好感を持ちました。

 和田浩治さんが主演なのですが、彼はアウトローっぽい役より、今作のような青春スターの王道らしい役の方が似合ってますね。玉山鉄二さんに似ているワイルドでアウトローな兄の葉山良二さんと好対照でしたね。
 色っぽい山岡久乃さんは珍しかったです。

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