女死刑囚の脱獄
劇場公開日:1960年3月13日
解説
「東海道四谷怪談」の石川義寛の脚本を、「雷電(1959)」の中川信夫が監督したサスペンス・ドラマ。「黒線地帯」の吉田重業が撮影した。
1960年製作/78分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1960年3月13日
ストーリー
島製菓の次男明夫と娘京子の縁談をすすめていた資産家の今井有通は、娘に赤尾荘一という恋人がいるときかされて激怒した夜、急逝した。死体からは青酸加里が検出されたが、京子の義理の母美鳥や義妹の美奈子の、京子に殺害の動機があるという証言に加え、京子の化粧品の中から青酸加里が出て来たことから、京子の犯行は決定的なものとなった。無罪を主張する京子は尊属殺人罪として死刑の判決をうけ、盛岡の女囚刑務所に送られた。刑務所を訪ねた赤尾は、結婚を断わられた明夫が京子を陥れるために企んだ犯行だと京子に告げた。明夫への報復を決意した京子は、明夫が盛岡支店に転勤になったことを知ると同房の君江と脱獄を敢行した。しかし島製菓の社員寮に京子が勢い込んで訪ねた明夫は、京子を罠に仕組んだ男ではなかった。京子の無罪を信じる明夫は京子を変装させて、厳重な張込みの中を無事東京につれ帰った。京子の脱獄を知って狼狽する美鳥と美奈子の態度に、訪ねた宮田警部は不審を抱いた。そして脱獄犯人隠避罪をかぶってまでも京子のために奔走する明夫を見て、事件の再調査を始めた。しかしホテルから赤尾にかけた電話から足がついて、京子と明夫は捕えられた。赤尾の身を洗い、彼が美鳥と肉体関係のあることを知った警部は、美奈子を連行して美鳥と赤尾の密会現場に向った。美奈子は白状した。京子の恋人だった赤尾と肉体関係のあった美鳥は、実の娘美奈子も赤尾を愛していることを知ると、美奈子をそそのかし、夫の有通を殺害して罪を京子になすりつけて刑務所に送り込み、しかも美奈子の眼を盗んでは赤尾と密会を続けていたのであった。真犯人として赤尾、美鳥、美奈子の三人が逮捕された。無実を証した京子は、一時とはいえ疑念を抱いたことを詫び、明夫と再出発を誓うのだった。