大いなる驀進
劇場公開日:1960年11月8日
解説
「がんばれ!盤嶽」の新藤兼人のオリジナル・シナリオを「少年漂流記」の関川秀雄が監督した「大いなる旅路」の姉妹編で、東京-長崎間の特急さくらを舞台にしている。撮影も「少年漂流記」の仲沢半次郎。
1960年製作/89分/日本
配給:東映
劇場公開日:1960年11月8日
ストーリー
東京--長崎間を驀進する特急さくら。専務車掌の松崎義人、列車給仕の矢島敏夫、食堂車のウェイトレス松本芳子らの乗務員、そして種々の乗客をのせて、列車は今日も長崎めざして驀進する。発車まぎわに慌しく乗り込んだのは矢島の恋人望月君枝だった。結婚するには列車給仕などしていられない、という矢島を君枝は必死になだめた。矢島を秘かに愛する芳子は二人の姿を淋しく見ていた。富士川鉄橋を渡る頃、車内巡視に廻った矢島は客の時定から殺人犯の同乗を密告された。殺人犯の七郎は静岡駅で逮捕された。京都近くで車内に盗難事件が発生した。すりのカメレオンの松の仕業らしかった。真夜中、列車は大阪駅に到着した。プロ球団の選手たちが下車し、血清を抱いた看護婦森原数子とサブという青年殺し屋が乗車した。発車間ぎわ、風速四〇米という台風襲来のニュースが入った。豪雨の中を驀進するさくらの中では、乗客の一人、炭坑主の吉田が自殺を図った。医者が岡山駅からかけつけ、命は助かった。台風は瀬戸内海沿岸に上陸し、松崎は間もなく前方に崖崩れを発見した。急停車する列車、松崎は騒然たる乗客をなだめると、シャベルを抱えて風雨の中にとび出した。乗務員も続いた。半ばふてくされて、とび出そうとしない矢島を、松崎は殴打した。崖崩れに埋もれた鉄路を救おうとして、必死に努力する人々の姿をみる矢島の胸底には、忘れていた感動がよみがえった。彼もシャベルをつかんでとび出した。君枝も、芳子も、数子までも鉄路の泥と闘った。何時間か後、さくらは再び驀進した。徳山駅では、下車した駈け落ちの男女が、迎えに出た男に叱咤されていた。下関で事件が起きた。殺し屋時定が、殺し屋サブにめった斬りにされたのである。七郎の復讐らしかった。カメレオンの松は、台風と闘う鉄道員の姿に心を打たれたといって悔悛した。終着駅長崎はもうすぐである。君枝は矢島に鉄道員としての誇りを自覚させたことが嬉しかった。松崎が二人の仲人をするという。二人の前途を祝福するかのように、さくらは終着駅長崎にすべり込んだ。
スタッフ・キャスト
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矢島敏夫中村嘉葎雄
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松崎義人三國連太郎
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望月君枝佐久間良子
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松本芳子中原ひとみ
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森原数子久保菜穂子
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政党幹部上田吉二郎
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秘書大村文武
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カメレオンの松花沢徳衛
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時定波島進
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七郎直木明
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サブ曽根晴美
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山本年子大原幸子
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駆け落ちの男北川恵一
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駆け落ちの女小宮光江
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炭坑主吉田小川虎之助
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医者小沢栄太郎
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新郎木川哲也
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新婦片岡昭子
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駈け落ちの男の兄佐原広二
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年子の姉牧野内とみ子
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太った男曽根秀介
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公安官A八名信夫
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公安官B菅沼正
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峰岡岩城力
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立花友野博司
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石川森弦太郎
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運転車掌岡野耕作
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当直助役沢彰謙
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保線係打越正八
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岡山駅長明石潮
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機関士A北峰有二
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機関士B北山達也
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コック山村修
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マネージャー小塚十紀雄
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食堂ガールA古賀京子
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食堂ガールB岡田悦子
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大阪医大の事務局員滝沢昭
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長崎医大の事務局員片山滉
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政党大阪支部員志摩栄
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機関助手轟謙二
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途中の駅長大野広高
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列車給仕佐藤利夫