遠雷

劇場公開日:1981年10月24日

解説

宇都宮を舞台に、都市化の波に流される人々の中で、土地にしがみつき、トマト栽培に賭ける青年の姿を描く。野間新人文芸賞を受賞した立松和平の同名の小説の映画化で、脚本は「ひと夏の体験 青い珊瑚礁」の荒井晴彦、監督は「狂った果実(1981)」の根岸吉太郎、撮影は「スローなブギにしてくれ」の安藤庄平がそれぞれ担当。

1981年製作/135分/日本
原題または英題:The Far Thunder
配給:ATG
劇場公開日:1981年10月24日

あらすじ

満夫は僅かな土地にしがみついてトマトを栽培している。先祖代々の土地は、父が売ってしまい、豪華な家を建てたが、今は家を出てバーの女、チイと同棲している。兄も百姓を嫌って、東京でサラリーマンをしている。家に残っているのは満夫と母と祖母の三人だけだ。日々のいらだちをトマト栽培にまぎらわす満夫にお見合の話がきた。あや子という相手は、まんざらでもない女だ。子供をペロリと産みそうだ。二人はその日にも、モーテルで抱き合った。父が帰って来た。世話になった人が立候補するので、選挙の手伝いをするという。母も父の浮気のことなど忘れて、調子に乗っている。その頃、子供の時からの友人・広次が工業団地に住む人妻、カエデと駆け落ちした。カエデは満夫のビニールハウスにトマトを買いに来たこともあり、関係を結んだこともある。いらだつ満夫に、追いうちをかけるような事件が続いた。トマトが大量発生したアブラムシで全滅してしまった。そして、父も選挙違反で警察にあげられてしまった。あや子の父の希望で、村一番の盛大な結婚式をあげている晩、広次が帰ってきた。カエデを殺してきたと言う。盛大な宴の歓声が母屋から聞こえてくる。ハウスの中で広次は告白しながら泣いた。そして「稲刈り、頼んだぜや」と言い残して自首した。警察を出た父はそのままチイとどこかへ行ってしまった。残された満夫とあや子が腐ったトマトを燃していると不動産屋がやってきて土地を売ってくれと言う。満夫は猛烈な勢いで不動産屋を追い返した。はるか遠くで、雷が鳴っている。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第5回 日本アカデミー賞(1982年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 根岸吉太郎
脚本賞 荒井晴彦
主演男優賞 永島敏行
主演女優賞 石田えり
助演男優賞 ジョニー大倉
音楽賞 井上堯之
新人俳優賞 石田えり
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4

(C)1981 日活/東宝

映画レビュー

4.0石田エリがかわいい

2025年7月29日
iPhoneアプリから投稿

石田エリが農家に似合わないくらいかわいい。
ひまわりのようでした。
あの時代の空気を再認識。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
morihide

3.5音楽が残念

2025年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 主要三俳優の好演とストーリー展開のテンポの良さとが相まって、退屈せずにと言うよりむしろ徐々に引き込まれるように視聴出来ました。簡単に言うと大いに楽しめました。

 登場人物の言葉遣いや身だしなみ、加えて家屋等が綺麗すぎないのも、この時代の人々の生命力を感じられる良い要素です。

 昔の2時間ドラマみたいな音楽だけが残念に感じました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
クネーゴ

3.0雷と蛍の演出が良かった

2024年6月21日
iPhoneアプリから投稿

あの頃の時代を思い出した。最近はこんな暮らしは無くなった。人との繋がりが希薄になってしまった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
あっちゃんのパパ

3.5「ぺろり」

2024年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

 宇都宮の団地のそばで、ビニールハウスでトマト栽培をする満夫。団地の女カエデと親密になるも、見合いで知り合ったあや子を気に入る。満夫の父は、売った土地のお金でバーの女チイと同棲、兄は東京にいた。満夫の親友広次は、カエデと親密になり。
 田舎の青年の鬱屈した様子に共感できます。女をつくって家を出た父が帰ってくると、母は憎んだり追い出したりしないで喜んで迎える様子が面白い。「わたしの青い鳥」を歌う満夫の涙が沁みます。
 石田えりがかわいい上に。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
sironabe