兎の眼

劇場公開日:

解説

劣悪な環境と戦いながら真の教育を追い求め、子供たちとの心のふれあいを勝ちとる一人の女教師の姿を描く。灰谷健次郎の小説の映画化で、脚本は柳川創造と横田与志の共同執筆、監督は…月春狂詩曲の中山節夫、撮影は江連高元がそれぞれ担当。

1979年製作/92分/日本
配給:共同映画
劇場公開日:1979年3月26日

ストーリー

小谷芙美は阪神工業地帯の一角の、そばにゴミ処理場のある姫松小学校の先生になった。彼女のクラスにも、鉄三をはじめ、処理場で働く人の子供が何人かいる。鉄三は他の生徒とは一言も口を交わさず、ハエを大切に飼っている不思議な少年だ。ある日、そのハエをカエルのえさにしてしまった生徒を鉄三は怪我をさせてしまう。芙美が理由を聞いても鉄三は口を開かなかった。衛生にも良くないので、ハエを飼うことをやめさせようと、芙美は鉄三の面倒を見ているパクじいさんを訪ねると、「鉄三は小さな生きものにはとても優しい、しかし、ここには小鳥もメダカもいないんです」という話で、芙美は何も答えられなかった。彼女のクラスには情緒障害児のみな子もいた。学校ではみな子を養護学校に入れようという声が多かったが、「もう少し長い目で……」という芙美の意見が通り、クラスの仲間でみな子の面倒をみる“みな子当番”をスタートした。ある日、芙美が病気で休んでいる鉄三を見舞いに行くと、鉄三は以前彼女が届けた昆虫図鑑を見ながら、「これや!」「先生これや!」と自分の飼っているハエの絵を指さし、初めて彼女に口を開くのだった。思わず芙美の瞳は感動にうるみ、それから、ハエの名前を使っての読み方の勉強を始める。暫くして、処理場の移転問題が起こったが、芙美や他の教師、生徒との努力で解決し、子供たちとの友情を一層深めていく。子供の教育は教室だけではないことを知った芙美に、先輩の足立先生は「子供たちは教師の生き方をじっと兎のような眼でみとんのや」と教えた。そして、ある作文の時間、鉄三の作文を読んだ芙美は、子供たちとの心のふれあいの確かな手ごたえを感じるのだった……

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