いろは若衆 花駕篭峠
劇場公開日:1959年9月6日
解説
「森の石松幽霊道中」の笠原良三と「台風息子 花形三銃士」の笠原和夫の共同脚本を、「独眼竜政宗」の河野寿一が監督した歌謡股旅もの。撮影は「里見八犬伝(1959)」の鷲尾元也。
1959年製作/86分/日本
劇場公開日:1959年9月6日
ストーリー
両国川開きの夜、め組の辰五郎の娘お雪は、西丸年寄林肥後守に無礼討ちされかけた浮浪児三太を救った。騒ぎを父から叱られると、家を飛びだした。辰五郎は、子分に後をつけさせた。また、それを老中水野越前守に知らせた。お雪は越前守の隠し子だったという。お雪は旅人姿で三太をつれて西へ向った。上州無宿追分の雪太郎と名乗った。島田の宿で、悪雲助に襲われた時、津波の小五郎という若い旅人と鉢合せした。昼間、腹を空かした三太がかっさらったおにぎりの持主である。その時、二人は稲葉小僧新助という男から一通の封書をあずけられた。封書は林肥後守一味の連判状だった。大阪の米問屋と結託して米の買占めによる値上りをはかり米騒動を起して越前守の失脚を計ろうというのだ。稲葉小僧は、それを昔恩になった大阪町奉行矢部駿河守に渡そうとしているといった。一人の鳥追い女が二人の封書を狙った。やっと取戻すが、肥後守の配下・小幡に斬りつけられ、二人は別れ別れになる。浜松で、三太も含め三人は再会した。小五郎の父は江戸南町同心だったが、肥後守の悪事を知ったため、小幡に斬られたのだ。雪太郎は辰五郎が自分の後をつけていることも知らされ、会いに行く。自分の素姓を知ってしまう。--大阪から稲葉小僧が戻ってきた。折角持参した連判状はニセ物だったという。鳥追い女がスリ換えたのだ。雪太郎は取戻すため大阪へ向った。米問屋の動きを探っている時、その鳥追い女が傷ついて助けを求めてきた。米買占めをめぐって身代をつぶされた米問屋の娘お仙だった。彼女を稲葉小僧の隠れ家に連れて行く途中、小五郎にも再会した。彼は肥後守の蔵屋敷へ向い、雪太郎は稲葉小僧と、米問屋の集会場・唐屋へ向った。唐屋に、肥後守と小幡が逃げこんできた。が、一味は小五郎と駿河守に皆、斬られるか捕えられるかしてしまう。--雪姫の大名行列が東へ向った。辰五郎が拝エツしてみて驚いた。駕篭の中には、三太が雪姫の着物を着こんで坐っていた。行列の後に、町娘姿のお雪が小五郎と連れだっていた。