ある映画監督の生涯 溝口健二の記録

劇場公開日:

解説

溝口健二と一緒に仕事をした三九人の俳優・スタッフ・友人に新藤兼人がインタビューして、溝口の人生を描こうとした長編ドキュメンタリー。なおこのインタビューは、『ある映画監督の生涯--溝口健二の記録』(映人社刊)という本になって活字化されている。

1975年製作/150分/日本
原題:Kenji Mizoguchi: The Life of a Film Director
配給:その他
劇場公開日:1975年5月24日

ストーリー

※本作はドキュメンタリーのためストーリーはありません。

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映画レビュー

4.0予習鑑賞すべきか、復習鑑賞すべきか、それが問題だ…

2023年8月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

最近になって
溝口映画4作品をまとめて鑑賞したが、
彼の生涯を描いて、キネマ旬報ベストワンに
輝いたこの新藤兼人作品を思い出し、
溝口映画の総決算のつもりで、
何十年ぶりかに再鑑賞した。

それにしても、このようなインタビュー映画
がキネマ旬報ベストワンに選出されることは
珍しいのではないたろうか。

このようなインタビュー手法の作品として、
アメリカ人ジャーナリストの生涯を描いた
洋画「レッズ」を思い出すが、
インタビュー場面はドラマ部分を補完する
ウエイトに過ぎない作品だったので、
新藤監督自らのインタビューだけに徹して
溝口健二の映画人生に迫ったこの作品は
異質に感じる。

しかし、何故か2時間半の長尺の間、
観客を飽きさせないで観せる演出は
見事としか言い様が無い。
インタビューの中で、時折
彼の人間臭ささや弱さも語られるものの、
頻繁に変える俳優泣かせの台本や、
唐突の注文によるセット班の苦労話など、
キャスト・スタッフが振り回される
ワンマン気質が浮き彫りになったりと、
徐々に溝口の本性に迫る構成が
功を奏しているように感じた。

また、恋い焦がれていたと噂された
田中絹代のインタビューでは、
溝口は私に恋していたのでは無く、
私が演じる女性に対してだったのでは、
とか、映画のことしか頭に無く、
何の面白みのない溝口健二との結婚なんて
考えもしなかったとの彼女のコメントも
溝口健二の一面を表しているようで
興味深かった。

たまたま溝口映画の復習・総括的に
この作品を観ることになったが、
この映画を予習的に経てから
溝口映画を観た方が良かったか、
悩ましく思われた。

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KENZO一級建築士事務所

4.0 『愛妻物語』で新藤兼人と溝口健二の関係を知ってから、俄然興味がわ...

2018年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 『愛妻物語』で新藤兼人と溝口健二の関係を知ってから、俄然興味がわいたのだが、すべてが新藤目線での監督像をどう描いてくれるのが楽しみにしていた。

 生い立ちから始まり、デビューして発表された作品ごとに順を追って関係者にインタビューしていく形式。意外と編集が上手くなされている。何度も聞かれるのが、台本がその日その日に突如変更されるということ。戦前作品では『瀧の白糸』と『残菊物語』をぜひ見てみたい・・・

 田中絹代のインタビューがかなりを占めている。もしや監督と恋愛関係にあるんじゃないか?という世間の評判を覆すかのような内容は興味津々(笑)。やっぱり女優と監督という一線を越えてなかったのですね・・・

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kossy
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