ありふれた愛に関する調査
劇場公開日:1992年3月21日
解説
しがない中年探偵の孤独の日々と淡い恋心を哀愁漂うタッチで描いたハード・ボイルド。関川夏央原作『名探偵に名前はいらない』の映画化で、脚本は「リボルバー」の荒井晴彦が執筆。監督は「…これから物語 少年たちのブルース」の榎戸耕史。撮影は「殺人がいっぱい」の野田悌男がそれぞれ担当。
1992年製作/日本
配給:アルゴプロジェクト
劇場公開日:1992年3月21日
ストーリー
男はひとり暮らしのしがない探偵。結婚の身元調査と猫探し以外はなんでもする。楽しみといえば美人のお天気ねえさんが出る世界の天気予報を見ることぐらいの、くたびれ加減も様になってきている中年探偵だ。そんな彼のもとに仕事の依頼が来る。夫、佐野の不倫を疑う人妻・雅子の家へ行く。調査の結果、外に子供までいることが判明するが、探偵は本当のことを言えないまま雅子と寝てしまう。そのころ、ヤクザ組長の黒崎は、同じグループ内で対立する滝村と青木を裏で操ろうと画策。くされ縁の黒崎の言うがままに動いた探偵は、自分がヤクザの抗争に一役かってしまったことで落ち込んでしまう。そんな時、彼のもとに新しい依頼がきた。依頼人は何とテレビのお天気ねえさん、有梨子。彼女は一夜をともにした男を探していた。実物の登場にとまどいながらも、半分インテリで半分娼婦のような彼女に見入られてしまう探偵。やがて彼は、ヤクの売人の大坪を探し出すが、驚いたことに2人は女の口説き文句まで同じで、お互いの中に似たものを見い出し親近感を持つ。しかしその後、大坪が有梨子と付き合っていることを知った探偵は、彼の客でもあるバーテンの塚原を脅して、大坪を呼び出す。大坪に嫉妬心を抱きながらも、ヤクザと警察に追われている彼を逃がそうと口添えする探偵。だがその時、大坪は麻薬中毒だった塚原の銃弾に撃たれ死んでしまう。自分が大坪を呼び出したばかりに死に追いやってしまったと落ち込む探偵。やがて大坪の死を知った有梨子も、そのまま探偵の前から去って行く。そして数日後、いつもと同じ朝を迎える探偵に新しい依頼が舞い込むのだった。