悪太郎伝 悪い星の下でも

劇場公開日:

解説

今東光の原作を「日本一のゴマすり男」の笠原良三が脚色「春婦伝」の鈴木清順が監督した“悪太郎伝”シリーズ第一作。撮影もコンビの永塚一栄。

1965年製作/98分/日本
配給:日活
劇場公開日:1965年8月25日

ストーリー

昭和初期、鈴木重吉は河内平野で生れ育った。貧農で酒と喧嘩軍鶏にうつつをぬかす父親重兵衛の、反対を退けて第三高等学校に入るため、重吉は八尾中学に進んだ。学費のたしに中川牧場の牛乳配達を始めた。ある日、中学で重吉ら四年A組の全員が、風紀部委員に呼び出しをくった。特にA組の三島義夫は、夜若い女と歩いたという科で、制裁を受けた。重吉は三島に同情したが、風紀委員の大岡が、三島の従妹の女学生種子に横恋慕した腹いせに、三島を苦しめたのを知ると、重吉は、大岡に剣道の試合を申し込み、万座の中で大岡に恥をかかせた。五月、重吉は三島に招かれて、彼の家を訪問したが、三島が友人と悪ふざけをするのを見た重吉は、席を立った。だが重吉は玄関で会った三島の妹鈴子に強く魅かれた。二人の美しい交際が始った頃、秀才で正義感の強い重吉に魅かれた種子は、重吉を誘惑し、派手な遊びにさそった。その頃、重吉が種子と密会する宿屋で、父の重兵衛は、悪質な金神組の開く賭博に加わっていた。そして、金神組の若造に半殺しの目に会わされた。これを知った重吉は、金神の事務所に躍り込み、乱闘を起した挙句、重吉は、天台院にかくれた。久しぶりに天台院で鈴子に会った重吉は、鈴子から冷たく拒まれた。鈴子は秀才重吉の裏切りが悲しかったのだ。重吉は尚も言い寄る種子をふりきって、いやがらせに重吉の家に押しかけた金神組を退散させると、自首して出た。学校も退学した重吉は、天台院の和尚のはからいで保釈となった。帰り途、鈴子の花嫁姿に会った重吉は、新しい生き方を求めて、村を出る決心をした。三高への夢も破れ、重吉は“わいは生きるど”と河内平野を後にした。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5己を貫く

2021年4月19日
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楽しい

興奮

萌える

鈴木清順の監督作品「悪太郎」から続いてのキャスト陣が役は変われど続編では無く、主人公のキャラはそのままに自分の意思を貫く正義感の強い好青年。

野川由美子の小悪魔的でキュートな女性像が魅力的、見えそうで見えない、いや見えているのか、ギリギリのチラ見せ演出描写が刺激的でもあり癒されポイント。

とにかく強い態度で正論を叩きつける主人公の姿にスカッとさせられる、実らない恋があれど自分の人生や先の未来へ突き進むのみな悪太郎。

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