小津の秋
劇場公開日:2007年9月15日
解説
「二人日和」の野村惠一監督が、かつて小津安二郎監督が仕事場として使っていた蓼科の別荘“無藝荘”を舞台に、男女が織り成す人間模様を綴った感動作。新聞記者の佐々木明子は、取材のために蓼科を訪れる。父の遺品を持ってきた彼女には、もうひとつ別の目的があった。探している人物に会えるかもしれないという予感があったのだ。明子は偶然にも、小さな庵・無藝荘の守女である老人・園子に出会う。やがて園子は自らの過去を語り出し……。
2007年製作/92分/日本
配給:野村企画
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2015年3月24日
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鑑賞方法:映画館
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『二人日和』のスタッフに沢口靖子を加えた作品。
『二人日和』は老人性痴呆症を扱いながら、しっとりとした大人のドラマだった。藤村志保さんと栗塚旭の2人のコンビはとても良かった。
今回はこのコンビに沢口靖子が久し振りの映画出演で絡むので、始めは変に2時間ドラマの様にならないか?と心配した。
最後の方で気持ちを分かち合う湖のほとりのシーンこそ“その手”の匂いがあったものの、全体的には実に《日本映画らしい》作品に仕上がっていました。
全編で絵葉書の様な美しい風景を背景にした“確執”のドラマなんですが、良くも悪くも日本映画らしさは観る人によって突っ込みが入りそうな場面も多々ありますね。
ハリウッド大作がお好きな方にはお薦め出来ず、コアな日本映画ファンでも「何じゃこりゃ!」と言われそうですけどね。特に[父親出現場面]等は(笑)
過去の出来事に対して想いを持ち続けていて、最後の最後にそれを払拭する《キーワード》になっているのが【小津安二郎】であり、蓼科の秋でもあります。
観た直後で確信はありませんが、小津作品に見られる構図を数多く使用していると思えます。
押し花に秘められた恋物語ですね。余韻のある終わり方で、やはり藤村志保さんが素晴らしかったです。
(2007年9月19日シネマ・アンジェリカ)