クィーン

ALLTIME BEST

劇場公開日:2007年4月14日

解説・あらすじ

ダイアナ元皇太子妃が交通事故で急逝した直後のイギリス王室の内幕を描いた作品。かねてからダイアナとの不仲説が噂され、事故後も沈黙を貫き通そうとするエリザベス女王に、国民は次第に不満を募らせはじめる。そんな中、就任したばかりの首相トニー・ブレアが王室と国民の和解に奔走する。ひとりの人間として苦悩するエリザベス女王を見事に演じたヘレン・ミレンは、アカデミー賞をはじめ多くの映画賞で主演女優賞に輝いた。

2006年製作/104分/イギリス・フランス・イタリア合作
原題または英題:The Queen
配給:エイベックス・エンタテインメント
劇場公開日:2007年4月14日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第64回 ゴールデングローブ賞(2007年)

受賞

最優秀主演女優賞(ドラマ) ヘレン・ミレン
最優秀脚本賞 ピーター・モーガン

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 スティーブン・フリアーズ

第63回 ベネチア国際映画祭(2006年)

受賞

金のオゼッラ賞(最優秀脚本賞) ピーター・モーガン
ボルピ杯(最優秀女優賞) ヘレン・ミレン
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写真:Album/アフロ

映画レビュー

4.0 【”苦悩と決断の英国女王のスピーチ。”今作はダイアナ元皇太子妃急逝により、伝統を守る英国王室に向けられた国民の声に苦悩しながらも毅然とした態度を貫いたエリザベス二世の姿を描いた物語である。】

2025年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 私は、英国王室の人々を描いた映画が好きである。
  エリザベス二世の父であるジョージ六世が吃音を克服し第二次世界大戦時に国民を鼓舞するスピーチが感動的な「英国王のスピーチ」を観た後に「ダイアナ」「エリザス一世」シリーズ。「スペンサーダイアナの決意」etc.を観て来た。
  で、漸く今作を観れたわけであるが、今作は当時の映像をふんだんに織り込みつつ、新首相になったばかりのトニー・ブレア(マイケル・シーン)からのアドバイスを受け、伝統的な考えと国民の思いの狭間で葛藤するエリザベス二世の姿を、抑制した演技で名女優ヘレン・ミレンが見事に演じている作品であった。-

■1997年8月。
 チャールズ皇太子(アレックス・ジェニング)のカミラ夫人との不倫問題などが原因で彼と離婚したダイアナ元皇太子妃が恋人とされていた大富豪ドディ氏の車がパパラッチに追われる際に事故に遭い、巴里で急逝する。
 英国国民の関心は一斉にエリザベス二世に向けられたが、民間人となった彼女の死に女王のコメントは必要ないと判断した彼女は”内輪の葬儀”で済ませようとする。だが、マスコミに煽られた民衆の英国王室への不信感は急激に高まり、女王は窮地に追い込まれてしまう。
 だが、労働党の新首相になったトニー・ブレアは、若きときから英国女王として威厳を保ちつつ国民を想う彼女に敬意を払っており、彼女に対しアドバイスをするのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・序盤は、ダイアナの事故の報を受けても、静養地であるバルモラル城で悲しみに暮れる孫二人(もちろん、現ウイリアム皇太子とヘンリー王子であるが今作ではほぼ映されない。)を気遣ってか、エリザベス二世はバッキンガム宮殿には戻らない。

・真相はハッキリとはしないが、一般的には民間人になったダイアナに対しての確執があったという説が多い。今作ではジョージ六世の妻のクィーン・マザー(皇太后)(シルヴィア・シムズ)が、”ダイアナはもう、私達とは関係ないわよ!”と言う感じで映される。
 又、フィリップ殿下(ジェームズ・クロムウェル)も、鹿狩りに行ったりしている。喪に服すという雰囲気は感じられない。
 だが、英国民はダイアナを失った悲しみを、反旗も掲げずに、バッキンガム宮殿に戻らない王室に対し、その矛先を変えていくのである。

・その報を受け、最初は冷静に見ていたエリザベス二世が、表面的には平静を保ちつつ内面では葛藤する様をヘレン・ミレンが魅せる。
 印象的なシーンとしては、お供を連れず一人でジープを駆って野に行く所であろう。彼女は浅い河を渡ろうとして、ジープの前輪のシャフトを折ってしまうのだが、救助を待つ間に大鹿を視て”逃げて!”と言うシーンである。
 あの大鹿は、英国王室を象徴しており、彼女がバルモラル城に戻ると、その大鹿が猟師により撃たれて、王室の食材として届けられているのである。
 彼女はそれを見て、ブレア首相のアドバイスを聞き入れ、バッキンガム宮殿に戻り、国民と直接会い、国民の表情を確かめた上で毅然とした態度でスピーチを国民に向け行うのである。

・個人的な意見であるが、ブレア首相は、チャーチルに次いで功績を残した首相だと思っている。後年出て来たポリス・ジョンソンと比べれば月とスッポンである。
 今作でも、革新派の妻が王室に対し、辛辣な言葉を口にしても、ブレア首相は静に窘めているのである。

<そして、年は流れ、ブレア首相が初めて謁見した時以来、訪ねて来て二人は庭に出て旧知の仲の様にイロイロと話しをするのである。
 今作はダイアナ元皇太子妃急逝により、伝統を守る英国王室に向けられた国民の声に苦悩しながらも毅然とした態度を貫いたエリザベス二世の姿を描いた物語なのである。>

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NOBU

4.5 素晴らしい作品。観て大正解。

2025年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

配信(アマゾンレンタル)で視聴。
素晴らしかった。ダイアナの死後のエリザベス女王を描いたドラマ作品だが、もうとにかくヘレン・ミレンの演技が圧巻だった。彼女の演技はエリザベス女王そのものではと思わせた。この頃のイギリスを思い浮かんだ。見事。ちょっと残念だったのが、ブレア役の俳優がちょっとコメデイっぽかったか。いい作品でした。

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ナベさん

4.5 英国産の上質な傑作実話ドラマだ。

2024年9月24日
PCから投稿

ダイアナ妃の悲劇的な事故死から、王室の危機に直面した女王エリザベス2世を描いた実話ドラマ。ダイアナ妃やカミラなど、一部は実在の人物のアーカイブ映像を使っている。

エリザベス2世を演じたヘレン・ミレンが、圧倒的な存在感で、これは彼女の映画と言っても過言じゃない。トニー・ブレア夫婦もそっくり。マイケル・シーンはこれ以前にも、テレビのほうで、2回ブレアを演じてる。

本作では、王室の危機を乗り切る上で、トニー・ブレア首相の関わりを、思いのほか大きく描いている。そして彼について、王室を尊重し、女王を敬愛しつつ、国民の声の代弁者として、女王に物申すキーパーソンとして描いている点が興味深かった。

英/仏/伊の合作だが、英国のグラナダ・プロダクションが製作に参加してるせいか、英国ドラマで見た覚えのある面々が脇を固めていて、みんな手堅い演技で、本作を引き締めてる。

上品なおかしさや、気の利いたやり取り。女王の毅然とした態度と、その裏の孤独には、一抹の哀愁を感じずにはいられない。

悲劇的な事故に直面しつつ、国を抱える存在としての生き方を、決して煽情的に走らず、上質のドラマとして紡ぎあげた、感動的な傑作だ。

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岡崎仁

3.0 クィーンの葛藤

2022年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

多分ダイアナさんって邪魔な扱いを受けていたんだろうな…。
あまり好きでないけど、ヘンリーさんの奥様メーガンさんが差別を受けたとかで、
王室と距離を置いて離脱したのも
ダイアナさんと比較するとメーガンさんの虚言とも思えないな。
やっぱり王室という中で生きていくのは、大変だと思う。

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共感した! 4件)
April

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