松ヶ根乱射事件
劇場公開日:2007年2月24日
解説
「リンダリンダリンダ」の山下敦弘監督によるブラックコメディ。1990年代初頭の小さな田舎町・松ヶ根。畜産業を営む鈴木家の双子の弟・光太郎は警察官として働いているが、この町では事件らしい事件が起こることはなかった。そんなある日、どうも訳アリなカップルが町にやって来たことから、平和な町に少しずつ不穏な空気が流れはじめる……。主人公・光太郎を「ゲルマニウムの夜」「ゆれる」の新井浩文が好演。
2006年製作/112分/PG12/日本
配給:ビターズ・エンド
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る

- ×

※無料トライアル登録で、映画チケットを1枚発行できる1,500ポイントをプレゼント。
2022年3月22日
Androidアプリから投稿
今頃、観た。やっぱ彼は日本映画界に必要だわ。自分も田舎出身なんでこの世界観はよく分かる。娯楽が無く濃厚な人間関係。彼氏も彼女も家族も親戚もすぐ横にある感覚。昨日も明日も繰り返される日常。ラストは何かスッキリしました。
2021年10月19日
Androidアプリから投稿
題名からサスペンスやバイオレンスな内容と思っていたが、終始陰鬱な田舎の人間模様を描いた映画。
主人公の光一のイライラや鬱屈した思いが演技から伝わってくるし、光の不安や恐怖も良い。光が勇気を振り絞って立ち向かうシーンは良かったな。
少し嫌な気分になる映画だが、主演の新井浩文と山中崇の演技を楽しむ映画と言えるかも。
2020年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
『リンダ・・・』で一躍有名になった山下敦弘監督の作品。今回の映画はそれ以前の作品、特に山本浩司が主演している『どんてん生活』、『ばかのハコ船』、『リアリズムの宿』と同じような空気を感じてしまう。人間の持つ生来の姿・・・情けなさ。しかも憎めないほどの愛らしさを併せ持つ二面性をブラックに描いています。
鈴木家を中心とした普通(?)の田舎の家族と、田舎町に似合わない胡散臭いカップル、そして知的障害を持つ娘に男たちの欲望が繋がっていく人間関係が、事件など起こりそうもない平穏な田舎の空気をかき乱していく物語。中心は派出所勤務の鈴木光太郎(新井浩文)と彼の双子の兄である光(山中崇)。性格も生活態度も正反対であるかのような二人なのですが、どちらがしっかり者であるかということを父親役の三浦友和の洞察力によって看破されていく過程が非常に面白い。
平和な田舎町にも人間本来の性欲がところどころに映し出され、明らかに犯罪者であるカップル(木村祐一、川越美和)が町に住み着いたことによって、平穏な空気も澱ませてゆく。冒頭の氷原で倒れている女が検死する最中に息を吹き返すという意外性でワクワクもさせられるが、そこからは山下ワールド全開となり、その点では何も進展しない!ひき逃げ、金塊、アイスピックという小物の伏線によってサスペンス映画のように監督の新境地を魅せてくれるのかと思えば、そうでもない。とにかく、澱んだ空気によって人間の本音が見えてくるところが見せ場なのです。
闖入してきた犯罪者、娘に売春させる母親、家出してその娘を孕ませる父親、ひき逃げをネタに恐喝される兄。誰が一番悪いんや?と疑問を投げかけるところはあっても、自分に後ろめたいことがあるため告発すらできない。人には誰しも心の中に“悪”が潜んでいるのかもしれないが、その“悪”を断ち切ることができないもどかしさ。天井を走るネズミを捕まえることができないというもどかしさがそれを象徴させているのが興味深いところです。
オフビート感の演出が巧い山下作品ですが、この映画で笑える人はある意味凄い。自分にも悪いところがあるなと痛感しながらも、それを認めて情けない部分を笑うことなんだから。でも、木村祐一の金塊エピソードは笑える・・・
【2007年5月映画館にて】
2015年7月17日
Androidアプリから投稿
どこにでもありそうな田舎の風景に、少しずつ狂った登場人物が壊れていく。
その情景をサスベンス仕立てではなく、山下監督独特のユーモアを交えて進行していく様が秀逸。
まさか乱射があんな風になるとはwww