それにしても玉山タクミが鋭いことを言ったりする様は成宮ノブの痛いところを突いているし、何もかもタクミにはかなわないと肩を落としすぎて撫で肩になってしまうノブに哀愁を感じてしまいます。どうせならナナの胸で思いっきり泣く姿を見たかったのですが・・・
しかし、男女関係がもつれそうなバンドの危機的状況下で弁護士ヤスは何をしていたのでしょう?彼ならきっと民法第733条に規定されている「女性のみに6ヶ月の再婚禁止期間」があることを引き合いに出して、1日で男を乗り換えるものじゃないとアドバイスをくれたかもしれません。色々と批判もある条文ではありますが、せめて「次の生理が来るまで」は新しい男と寝るなと教えてくれたかもしれないのです。そんなヤスも芸能記者を殴ってしまいましたが、訴えられたらどうするつもりだったのでしょうか?また、ゲリラライブだって違法です(これは会社側の意向ですが)。ただでさえ、ブラストのメンバーには労働基準法に抵触しそうなシンを抱えているというのに・・・ちなみに公式サイトにも彼の年齢が書いてありません。
前作からキャスト交替という話題もあったりして、なにかと不評のこの続編でしたけど、松田龍平がいなくなっただけで爽やかに感じられました。本郷奏多くんもちょっと前までは小学生役だったのにビックリです。市川由衣にしても宮崎あおいの声帯模写を必死で頑張った甲斐があったと思います(推測)。でも一番良かったのは、名前が「晴れ」なのに暴風雨を呼んでしまうお天気お兄さんを演じた中村晴日だったかもしれません。
ストーリーは夢を追い求める若者に希望を与えてくれる映画だと思っていたのに、実力で這い上がるんじゃなくて、有名人との熱愛発覚によって成功を収めるという結末には納得できません。それでなくても、何も考えずにナンバーポータビリティのようにコロコロと男を変えるハチに魅力がないんだし、夢を感じさせる前作とは打って変わって夢を打ち砕く内容になっているとは想像もできませんでした。「映画を一作当ててしまえば金満海外ロケだって出来るんだよ」というテーマにしても純粋な音楽ファンをバカにしているとしか思えないし、作曲する意欲だけはあるけど前作のように曲作りの情熱が全く無いように思えました。
【2006年12月映画館にて】