今は魚やの店員だが元刑事の父。娘がヤクザとのいざこざで金を返せと脅される。そんな父は白血病でいつ死ぬかもわからない身。問題山積みの家族だ・・・
目が悪くて警官をやめた父親。実はジョンウンが4歳のとき、ハサミを父の目に落としてしまったという秘密を医師のピョンチョンに聞かされたのだ。母親が死んだのは父が苦労かけたせいだと信じていたジョンウン。そんな話を聞かなくても骨髄移植の検査を受けたというのに・・・
借金といっても5000万ウォン。それを父が勝手に返してしまう。ヤクザと縁を切ってもらいたいがために・・・。しかし、ヤクザはもっと仕事をしろと脅す。殺るのは警察の副署長・・・
骨髄検査の結果は不適合。父にとっては死を宣告されたようなもの。そんなとき、ヤクザのナンバー2から、親分を殺せと言われるのだ・・・
弟ジョンファンは『奇跡の夏』でも名演技を発揮したパク・チビン。この映画においても、溌剌とした賢い子を演じていた。そのジョンファン(小学3年くらいなのに)に酒を注ぐ父。自分の葬式での礼儀作法まで教えるのだ。まだ早いのに・・・と思っていたら、父には別の意図があったのだ。娘や息子の幸せを願う父。美容師になる夢を適えてやりたいがために・・・
考えたら、とんでもない展開。ナンバー2のドンス(オム・テウン)がジョンウンに殺しの命令をしていた話を父が聞いていたためだけど、元刑事なんだし、警察の仲間だっているんじゃないかと思う。この父親の心理は論議されてもいいくらい。
それでも俳優の演技は皆素晴らしいです。特に父親役のチュ・ヒョンは頭を剃ってまでの熱演。しかも白血病ということもあり毛が抜けていて、普段はカツラを被ってたほど。それをヤクザがカツラを奪って、娘の働いている美容院の前で曝け出させるシーンにはゾッとしてしまう。