「全編・日本語・ほぼ日本人キャストのハリウッド映画」硫黄島からの手紙 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
全編・日本語・ほぼ日本人キャストのハリウッド映画
努力して観ました。
たとえ努力しても観なければならない映画はある。
「硫黄島の戦い」は1945年2月19日〜1945年3月36日。
日本兵・2万933名のうち2万129名が戦死したそうです。
アメリカ兵も6821名が亡くなりました。
日本人の捕虜は約200名だったそうです。
硫黄島は小笠原諸島にあり現在も日本の領土です。
草ひとつ樹々も一本も生えない無彩色の島です。
火山性の硫黄(二酸化炭素)の臭気が島を覆っている。
なんとも救いのない光景でした。
戦争も末期の末期・・・指揮する栗林忠道陸軍中将(渡辺謙)も、
敗戦を覚悟しています。
名誉の戦死・・玉砕・・がもう脳裏をかすめています。
そんな死戦(しにいくさ)に、若妻と顔もまだ見ぬ乳児の娘のために絶対に死ねない男がいました。
クリント・イーストウッド監督自ら、この役・西郷陸軍一等兵(二宮和也)を、
脚本で更に書き加えて肉付けして主要な役にしたそうです。
藁も束ねれば強くなる・・・の例えの如く・・・生きて帰る・・その一念は、
幸運も重なり・・・
無駄死とも思える敗戦間近の戦死者たち。
二宮和也が最後に浮かべた安堵の笑みは、この映画の救いでした。
それにしてもハリウッド映画で監督は名匠・クリント・イーストウッド。
タイトルに書いたように全編ほぼ日本語。
俳優は99%日本人。
そして第二次世界大戦、最後のアメリカ兵と日本兵の死闘を描いた映画が、
世界でも日本でも大ヒットして認められ、多くの人が感動した。
続けて「父親たちの星条旗」も観たいと思います。
琥珀糖さん、共感及びコメント有難うございます。
そうですね。俳優は殆ど日本人でほぼ日本語、それでこれだけの傑作映画を作るクリント・イーストウッド監督への尊敬というか畏敬の気持ちを覚えました。監督自身、随分と西郷陸軍一等兵(二宮和也)のことを調べたらしいですしね。また「父親たちの星条旗」も含めて、戦争に関する監督の物凄いインテリジェンスを感じました。
琥珀糖さん
みかずきです
本作、脚本は日本人かもしれませんが、
流石、イースドウッド監督ですね。
太平洋戦争を日本人俳優を使って日本側の視点に近い客観的視点で描いた稀有な作品です。
太平洋戦争を題材にした邦画を観ている雰囲気がありました。
従来の太平洋戦争を題材にしたアメリカ映画に感じる違和感は全くありませんでした。
日本人俳優のなかでは二宮和也の演技が秀でていました。
イースドウッド監督に演技力を褒められたようです。
彼の役者人生の起点となった作品だと思います。
では、また共感作で。
-以上-