「恋愛映画の傑作 だけど今の時代だったら受け入れられるのかなぁ」Love Letter シンクンさんの映画レビュー(感想・評価)
恋愛映画の傑作 だけど今の時代だったら受け入れられるのかなぁ
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日本の恋愛映画としてエポックメイキングな作品という評価に違わず
非常に完成度が高い印象です
序盤から「死者に宛てた手紙の返事が届く」という程よい奇跡を軸にテンポよく進むストーリーが秀逸
何が程よいかって同姓同名のクラスメートがいるっていう「それはないっしょ」とまでは思わせない偶然
しかもその二人が甘く切ないアオハルを過ごしていた描写が物語が進むにつれて盛り上がっていきます
そして映像が美しい
冒頭の雪の中の中山美穂が白眉ですね
一時代を築いたアイドルであり女優さんなので当たり前っちゃあ当たり前なのですがお綺麗です
その後の工房でガラス炉の紅い光に照らされながらのキスシーンも見事でした
何気ない藤井樹の寝室のシーン一つとっても絵画的な美しさを備えていて
光の明暗や構図など全編にわたりケチのつけようがない映像美がこの監督の才能なのでしょう
他の作品見てませんので
多分
昨今流行りのどんでん返しなどはありませんが爽やかな余韻を残しつつどこか切なさを感じるラストは「そうそう恋愛映画ってこういうんでいいんだよ」と思わせます
因みに予備知識なしで見た妻は中山美穂の一人二役にしばらく気づかずストーリーを把握するのに困惑していたそうです
30年前の作品ゆえの分かりにくさ
当時はその辺りを含めておおらかな展開が良さだったのでしょうが
サブスク全盛の令和の現代
この雰囲気を許容できる懐の深さがあるのかなぁと思ったりもしました
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