フルメタル・ジャケット

ALLTIME BEST

劇場公開日:1987年3月

解説・あらすじ

原作はグスタフ・ハスフォードの処女小説「短期応召兵(ザ・ショート・タイマーズ)」。米海兵隊3092小隊の新兵たちはいじめ、侮辱が横行する環境下、過酷な訓練を強いられる。人を殺すことを教え込まれ、人間性が奪われていった新兵のひとり、パイルはついに精神を病み自殺してしまう。その後、それぞれベトナムへ送り込まれた新兵たちだったが……。戦火のシーンではスローモーション技術を駆使し、兵士の死をリアルに描いている。

1987年製作/116分/アメリカ
原題または英題:Full Metal Jacket
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1987年3月

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第12回 日本アカデミー賞(1989年)

ノミネート

外国作品賞  
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映画評論

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写真:Album/アフロ

映画レビュー

4.0キューブリック作品の「戦争と狂気」の集大成。

2024年11月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

5.0鉛のような映画

2025年7月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

驚く

わたくし、この映画は全くの初見でオリーバー・ストーン監督「プラトーン」は公開当時観に行ったのに
「フルメタル・ジャケット」は行かずじまいで、
それから30年以上経ってようやく劇場で観る事ができました。その間、TVやソフト(VHS、LD、DVD)、
配信などで観る事はありませんでした。
スタンリー・キューブリック御大の作品は、
できるだけ劇場で観たいという思いがつのり、
観るまで、えらい時間かかったなぁという感じです。「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」は劇場では、"あぁ、またか“というぐらい繰り返し上映されるのに「フルメタ」に関しては、あまり上映される機会がないように思われます。

この作品で象徴されるのは鬼教官によるシゴキ・・・
下半身ネタを連呼しながら行進する海兵隊新兵。
公開当時ゲームソフトのCMでパロディにされてたのを思い出します。
CNNは、この映画を酷評しておりました。

「キューブリックが戦争映画に他の監督と同じように
ロック音楽を使用して凡庸な作品になりさがってますね」

まぁCNNは保守ですから体制批判が根底にある映画は嫌いなんでしょうね。

前半は丹念にストーリーが進み物語に見入っていました。途中キューブリック作品である事さえ忘れてしまいました。
皆の鬱憤がデブでノロマなパイルに向かうシーンは痛々しいなぁ。メル・ギブソン監督「ハクソーリッジ」にも似たようなシーンがあったなぁ。
中盤、えっこうなっちゃうの⁉️
ヒッチコック「サイコ」のような展開に面食い、この後どうなっちゃうのよ❗️

そして後半は激戦地のベトナムが・・・なぜかポン引きの場面から始まる下世話な会話。
実は私このシーン(2回目のサングラス娼婦のやりとり)だけTVで見ており、あれっ違う映画かな?それがフルメタの一場面とは信じられずスチール写真でお見かけする鬼教官のシゴキやトイレで微笑む(?)パイル、負傷兵を抱き抱える兵士達🪖、機関銃を構える少女兵と何か一致しないんですね。
コッポラ監督「地獄の黙示録 特別完全版」での兵士とプレイメイトのやりとりのような美しいシーンでも無いし(ファイナルカットでは結局カットされました)ポン引きシーンは2回も挿入され、それが後半に絡んでくる事もなく何か意味が隠されてそうです。

最後のジョーカーのアップシーンがキューブリックらしい画になっており窓に反射する光が美しいんですが最も悲しいシーンでした。彼の葛藤と銃声が、こだまする何とも言い表わせない無念の気持ちが込み上げました。
兵士たちのミッキーマウスの唄で終わりローリング・ストーンズ「黒く塗れ」でエンドロールを迎えます。今までこの曲(ストーンズ)聴く機会がなかったのですがマジいい曲です。

見終わった後、ズシーンと鉛のようなものが心に残りました。長年キューブリックと組んでおられた撮影監督ジョン・オルコットが亡くなられたため、この作品に携わることができませんでしたが、この作品の撮影監督ダグラス・ミルサムもいい仕事をされております。キューブリック作品の中でも「フルメタ」は比較的、分かりやすい作品です。映像作家というより人間として何かを訴えかけられてる作品でした。

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naoki

4.5”Born To Kill”

2025年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

怖い

興奮

斬新

ベトナム戦争の悲惨さを描きながら、人が、それこそカインとアベルの時代から、延々と繰り返してきた殺戮と暴力というユーモラスなまでの狂気を、鋭く抉った傑作。

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Yy

4.5たった一人で戦っていたベトナム女性狙撃兵に想いを寄せ…

2025年4月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

言わずと知れた、「2001年宇宙の旅」の
スタンリー・キューブリック監督作品だが、
前半と後半がガラリと切り替わる二部編構造
であるのは、同じベトナム戦争を背景とした
「ディア・ハンター」と似ている。

正直なところ、再鑑賞するまでは、
その両作品ともに特徴的な
前半と後半の落差について、
「ディア…」が“日常生活と戦場”
という異質な環境であることに対して、
この作品では“新兵訓練所と戦場”
という言わば同質の環境。
従って、そのインパクトの強さでは、
平和な日常生活から
いきなり戦場に叩き込まれる「ディア…」
の方が優れていると思っていた。

勿論、今回の鑑賞で
その前後編の落差の点での印象に
違いが出た訳ではないが、
この作品が、その「ディア・ハンター」や
「地獄の黙示録」及び「プラトーン」
と並ぶベトナム戦争を描いた超傑作映画
であると再認識する今回の鑑賞となった。

前半の訓練のシーンでの
教官から発せられる言葉と肉体的暴力は、
エンターテイメント作品であることもあって
ディフォルメ感満載で過激だが、
作品全体では、
新兵の前半のこの訓練施設での描写に加え、
計算尽くされたような
リアリティ溢れる戦場の映像と共に、
徐々に戦闘兵器化していく人間の変貌描写を
見事な演出の中に感じ取ることが出来た。

ところで、再鑑賞する私は、
小隊を狙撃するのは、
たった一人の女性兵士であることを
知っている。
主人公らの小隊のメンバー以上に、
彼女がどんな孤独と恐怖の中で戦っていた
のかに想いを寄せる時、
改めて戦争の悲惨さに胸の苦しみを覚えた。

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