フランケンウィニー(1984)

劇場公開日:1994年10月22日

解説・あらすじ

「バットマン」「シザーハンズ」のティム・バートン監督が長編デビュー前にメガホンをとったモノクロの短編作品。少年フランケンシュタインは、科学の実験をヒントに、交通事故で死んだ愛犬スパーキーを蘇らせることに成功した。しかし、スパーキーの恐ろしい姿に町の人々は大騒ぎをする。日本では、東京と大阪でのみ「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」と同時公開された。

1984年製作/29分/アメリカ
原題または英題:Frankenweenie
配給:ブエナビスタ
劇場公開日:1994年10月22日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.025歳のティム・バートンに100万ドル与えてこの作品を作らせたディズニー社の大英断

2025年7月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

驚く

カワイイ

ティム・バートン最初期の作品。
30分の短編作品なのに、ティム・バートン・テイストの作品として完成していることに驚かされる。
安っぽいところやチャチなところは一切ない。演出も映像も俳優もA級の作品と言える。

Wikipediaによると本作の製作費は100万ドルだそうである。
当時のレートで日本円にして2億3750万円ちょっと。
当時25歳でまだ一介のアニメーターに過ぎなかったティム・バートンにこれだけの製作費を与えて30分の短編映画を作らせた会社側の決断力にも驚かされる。

結果的にこの決断は大英断だった。
若き鬼才ティム・バートンはその才能を遺憾なく発揮して、ジェームズ・ホエールが1931年に撮った『フランケンシュタイン』へのオマージュに満ちた傑作を作り上げた。

ただ、この作品は『フランケンシュタイン』とは決定的に異なる部分がある。
『フランケンシュタイン』のテーマが「新たな生命の創造」であるのに対して、本作のテーマは「死者の復活」なのである。

これ、似ているようで全然違う。
死にかけているというならともかく、完全に死んでしまったものを再び蘇らせるというのは、生命の創造以上に禁断の行為という気がする。
そのせいで、なんとなく本作に複雑な感情を抱く観客も多いのではないだろうか。

自分もかつてコロという雑種の黒犬を飼っていた。
コロは13歳で老衰で死んでしまったのだけれど、自分と同じように飼っていた犬との別れを経験したことのある人は涙腺を刺激されてしまうこと必至の作品である。
自分も観ていて何度かウルっとしてしまった。

でも、やっぱり死んでしまったものは無理に蘇らせたりしないでそっとしておいた方がいいと思う。
それが一般人の感性であり、そういう意味ではこんな作品を作るティム・バートンの感性はいびつでありどうかしているのである。

そして、この一般人とかけ離れたいびつな感性こそがティム・バートンの作品を唯一無二の怪作たらしめているのである。
ティム・バートンにはやはり天才よりも鬼才という称号の方が相応しい。
本作はティム・バートンが25歳の新人監督という段階で既に鬼才としてほとんど完成していることを証明してみせた驚異の一本である。

本作単体でも充分楽しめるけれど、ジェームズ・ホエールの『フランケンシュタイン』と『フランケンシュタインの花嫁』を観ていると何倍も楽しめる。

自分もこの二作を観たあとで改めて本作を観直したら「あ、この場面そっくりじゃん!」と何度もニヤニヤしてしまい、前に観たときより評価が上がってしまった(笑)。

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盟吉津堂

3.5僕には犬が人を洗脳して行ってるように見えた。

2023年5月3日
PCから投稿
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rai

4.0フランケンシュタインの怪物(但し、犬)

2012年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

単純

ティム・バートン監督の短編。
2012年冬に公開されるストップモーションアニメ版とは違い、
こちらは実写です。

本家「フランケン・シュタイン」の物語を踏襲しながらも、
ティム・バートン監督らしいブラック・ユーモアに溢れた作品になっています。

日本では一部の劇場で「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」と
同時上映された作品なので、知らない人も多いでしょう。

ちなみに「ネバー・エンディング・ストーリー」でバスチアン少年を
演じた男の子が主役で出てます。

ティム・バートンの原点と言える作品でしょうね。

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だいすけ