悲情城市

ALLTIME BEST

劇場公開日:1990年4月28日

解説・あらすじ

台湾現代史において、最も激動的な1945年の日本敗戦から1949年の国民党政府の樹立までの4年間を、林家の長老・阿祿とその息子たちの姿を通して描いた一大叙事詩。台湾ニューウェーブの雄、ホウ・シャオシエン監督は本作でベネチア映画祭金獅子賞を受賞、その評価を決定づけた傑作。主演は香港のトップスター、トニー・レオン。彼は台湾語を話せないために聾唖という設定になったという逸話もある。

1989年製作/159分/台湾
原題または英題:悲情城市 A City of Sadness
配給:フランス映画社
劇場公開日:1990年4月28日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3

@ぴあ株式会社

映画レビュー

4.5 知られざる時代の切なく重厚な群像劇

2025年10月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

驚く

斬新

ホウ・シャオシェンの台湾現代史三部作の1作目で第二部にあたる映画で、日本が降伏した1945年から国民党が台湾に逃亡してくる1949年までをある台湾人の大家族を主人公に描いた群像劇。日本植民地時代と国民党台湾逃亡に挟まれた、日本人の意識としては空白だったと言ってもよい台湾の時代を描いた映画で、僕はこの映画で二・二八事件を知った。二・二八事件を描いた最初の映画だったとのことで、ようやく戒厳令が解除されてから2年後に公開された映画だったそうだ。

とはいえ観た当時はそんなことはほとんど知らず、あくまで『恋恋風塵』に続くホウ・シャオシェン監督の映画として観た。僕はそれ以前にまず中国第五世代のチャン・イーモウ監督の『紅いコーリャン』に衝撃を受けていて、その次の洗礼が台湾ニューシネマのホウ・シャオシェンだった。さらにその後、チョウ・ユンファが主演したメイベル・チャン監督の『誰かがあなたを愛してる』やレオン・ポーチ監督の『風の輝く朝に』といった香港ニューウェーブに触れていく時代である。う~ん、懐かしい。

製作側からのオファーで大家族の四男役で主演した香港俳優トニー・レオンは台湾語が話せなかったため、原作を改変して聾唖者の役になったというのは有名な話。また、その恋人役で初期ホウ・シャオシェン映画のミューズだったシン・シューフェン(辛樹芬)の最後の出演作となった映画でもある。ホウ・シャオシェンが『童年往事 時の流れ』のヒロインを探している時に街で偶然見かけて一目惚れし、熱心に口説き落として出演させたそうで、以後『恋恋風塵』でもヒロイン役、『ナイルの娘』では脇役で出演したものの、渡米して結婚。しかしホウ・シャオシェンの強い希望で一時帰国して本作に出演したのが最後の映画出演となった。おそらくシン・シューフェン本人はあまり女優業に強い関心がなかったんじゃないかという気がする。映画を観ていても職業女優とは違うちょっと素人っぽい儚げな雰囲気に、そういうところがなんとなく感じられた。あと、80年代ジャッキー映画でお馴染みのタイ・ポーが出演していて、こういうシリアスな演技もできるんだとちょっとびっくりした記憶もある。幼少期に台湾に住んでいたらしい。

青春4部作と違って、ホウ・シャオシェンにしてはかなりの大作。とにかくすごい作品でした。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
バラージ

4.0 歴史の背景を持つ映画

2025年8月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

歴史の背景を持つ映画、それに翻弄される人々の映画、傑作が複数あり。です。
見逃していましたが、この映画も、です。
政治闘争的ではなく、歴史を感じる感性がある作成者の感性、重要なのかと思います。

ラストエンペラー
活きる
この世界の片隅に
旅芸人の記録
さよなら子供たち
牯嶺街少年殺人事件

素晴らしい映画ですが、
音楽があまりに残念。
立川直樹さん?
紅夢、は気にならなかったけど。
音楽修正バージョンなんて、無理なのかな。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Konbanha

5.0 傑作

2024年11月26日
Androidアプリから投稿

長い間ずっと観たくて、でもなかなか観られなかった作品。

〝日本統治が終わった台湾で何が起きたのか〟という歴史的事実と、人々の複雑で屈折した思いが十全に描かれている。ここまで綿密に繊細に〝声なき声〟を語るホウ・シャオシェンの驚くべき表現力に度肝を抜かれた。

控えめなカメラワークと、同じ構図が何度も繰り返されることによって、同じ時間と空間を追体験しているような感覚を味わう。

暗がりの部屋から始まるオープニングでは、玉音放送、電球の光、赤子の産声を通して、これから台湾が台湾として生まれかわる希望が確かに見えた。

しかし物語が進むにつれ、思い描いていた希望は徐々に失望へと移り変わる。国民党の悪政、理不尽な逮捕、残念無念な死。

世の中には記録されたものしか記憶されない。無数の人々の記憶が歴史から忘れ去られる中で、我々は〝誰かが生きた証〟の尊さを噛みしめるしかない。文清の筆談や最後に撮った家族写真を見ながらそんなことを思った。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Raspberry

3.0 台湾が日本が植民地として台湾総督府にするまで、ただの島で高砂族やオ...

2024年10月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

難しい

台湾が日本が植民地として台湾総督府にするまで、ただの島で高砂族やオランダ人もいたようですが、日本が敗戦後に中国が国共内戦で、中国共産党が勝ち、中国国民党が台湾に逃げて、国連も中国の主権を中国国民党の蒋介石から中国共産党の毛沢東に、それを認可した訳ですが、今の台湾が国家として国際社会で認めらていない訳ですが、中国の俳優のトニーレオンも出演してますが、その妻のコメントがネットにあり、性格俳優というのがその役になりきる俳優のことですが、そのトニーレオンが性格俳優と思いますが、プライベートがつまらないそうで、

コメントする (0件)
共感した! 0件)
39stepbacK