バーディ

劇場公開日:

解説

ウィリアム・ワートンの小説を元に、戦争で心に傷を負った青年とその親友との交流を描いた、名匠アラン・パーカー監督による傑作ヒューマン・ドラマ。ベトナム戦争から負傷して帰還したアルは、戦争のショックで精神病院に入院中の親友バーディに会いに行く。完全に心を閉ざしてしまったバーディは、病室にうずくまり、ただひたすら鳥になることを夢見ていた。アルは何とかバーディを立ち直らせようと、必死に語りかけるが……。

1984年製作/120分/アメリカ
原題または英題:Birdy
劇場公開日:1985年8月30日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第38回 カンヌ国際映画祭(1985年)

受賞

コンペティション部門
審査員特別グランプリ アラン・パーカー

出品

コンペティション部門
出品作品 アラン・パーカー
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映画レビュー

4.0不思議な映画

2024年8月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

なんとも不思議な映画。

若き頃のニコラスケイジが出ている。アルの最後の吐露には涙が出たなあ。アルに戻してほしい。2人とも戦争の被害者なんやよね。戦地のシーンはほとんどないにも関わらず反戦映画になってるのがすごい。バーディは鳥になりたかったんだよね。動物のシーンが結構エグくてかなり顔を顰めてしまった。カナリアのシーン悲しい。バーディはこれからどうやって生きていくのだろう?

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2.5【following様の鑑賞リストから選んで観てみた】 良かったけ...

2024年2月4日
PCから投稿

【following様の鑑賞リストから選んで観てみた】
良かったけど、のめりこめる決定打を見つけられず。
現実逃避モノの作品を観すぎたせいもあります。
「鳥になりたい」より「貝になりたい」ほうが逼迫してる感じする。青年バーディ、そんなに現世が苦しそうには見えなかったし。

バディ物として、助け合う動機が「やっぱり一緒にいたいから」という帰着は安易かな。
野球ボールが、現実への引き戻しアイテムとして弱いよなぁ。
(アレそんなに思い入れあったの?中古車のキーのほうが良いのでは?)。

どん底で生きてゆくしかないと絶望したアルが、ふっと刺した一すじの希望にすがって狂うサマは生々しい。
オチの軽妙な着地も味わいよろし。あそこ好き(^^)/

すみません、私「フィッシャーキング」が好きすぎて、
客観的に判断できなひ(T_T)

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雨丘もびり

4.0これぞA Parker Film!

2023年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

大好きです、この監督さん。
感性がみずみずしくて、生き生きとした若者の描写にいつも惹きこまれてしまいます。

ベトナム戦争とそのPTSDといった重苦しーい社会問題と、
二人の青年が繰り出す純粋で滑稽でほろ苦い青春が見事に織りなされています。
観る者を魅了しつつもしっかりと問題意識を投げかける。
映画ってこうあってほしいものです。

余談ですが、先日、今年のNFLの決勝戦スーパーボウルをTV観戦したのですが、試合前にイーグルスの監督さんが、「うちの本拠地フィラデルフィアはブルーカラーの街だから泥臭く戦い抜くよ」みたいなことを言ってはりました。行ったことないのでどんなところかなと想像を膨らませていたら、今回観なおしたこの映画の舞台でした。なるほど、納得...

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おまつ

5.0夢想と現実、どっちも使って生きろ!

2022年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

 現実離れした世界に心を遊ばせることで精神のバランスを保ち、現実と折り合いをつけながら生きている人間は、決して珍しくない。 というか、いつでも逃げ込める自分の世界を持つことは、誰にとっても必要だし自然なことだ。 それが行き過ぎて変人や病人のレッテルを貼られるかどうかは、実際問題、微妙な程度の差であろう。

 冒頭のシーンは、鳥を偏愛する青年バーディが、戦争で受けた精神的ショックにより、病的なほど深く幻想の世界へ入り込んでしまった姿を映す。 独房のような薄暗い病室の中、弱った鳥のように身体を畳んでうずくまり、じっと窓を見つめるバーディ。 傍から見れば、精神が崩壊してしまった廃人だが、その若い肉体は確実に生きている。 そこには、現実から逃避し、幻想の世界の中ででも生きようとする、人間ならではの、人間だからこその、必死の生命力が息づいているのだ。

 終盤にも、裸でベッドの端に鳥のようにとまり、窓を見上げるシーンがあるが、幻想と現実を均衡させて生きる人間の姿を見事に捉えた、非常に印象的な画である。 アラン・パーカー監督がこの作品に込めた真意は、すべてこのシーンの映像に凝縮されているのではないかとさえ思う。

 作品として見事な点は、幻想と回想を交互に混じり合わせながら、どんでん返し的なクライマックスへと強力に惹き込んでいくプロセスの創り方だ。

 バーディを正気に戻すために病院へ赴いたのは、やはり従軍で心と顔に深い傷を負った親友のアル。 自分の心の回復のためにも、必死で親友を現実へ呼び戻そうとする。 しかし、二人の楽しい思い出をいくら回想して聞かせても、バーディの心は閉じたまま。 ついに絶望しそうになったアルだったが、最後の最後に、夢想の世界から戻ったバーディが希望の光を見せる。

 あっけらかんとしたあっけないラストは、衝撃的でもあり、ちょっと笑わされてしまった。 人生、出会いが大切だが、この作品の二人は、最高の相性、最高の出会いということではないだろうか。
 この結末の続きには、まあまあ明るい未来を想像するのである。

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Garu