ハリーとトント

劇場公開日:

解説

 72歳になるハリーは愛猫のトントと一緒にニューヨークの古いアパートに暮らしていた。しかし建物の取り壊しが決まり、ハリーは退去せざるをえなくなる。近くに住む長男の家は居心地が悪かったため、ハリーはトントをつれてシカゴに暮らす娘を訪ねることに。車で旅するハリーは様々な人々と出会う……。孤独な老人のアメリカ横断行を明るくドライに綴る。アート・カーニーがバイタリティあふれる主人公を好演。

1974年製作/116分/アメリカ
原題または英題:Harry and Tonto
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1975年12月20日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第32回 ゴールデングローブ賞(1975年)

受賞

最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) アート・カーニー

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
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映画レビュー

4.0じんわりとくるロードムービーの傑作

2023年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

旅をする老人と猫。

それだけの映画ですが、なぜこれほど人の胸を打つのか。
普遍的な人間の悩みや問題を上手に見せていき、孤独な老人も猫に語り掛けるという手法で、身の上や心理を語ることができる。

猫は重要なアイコンで、近年でいえば、「ロスト・バケーション」でブレイク・ライブリーがほぼ一人芝居に挑戦しましたが、途中、遭難して飛べなくなったカモメが話し相手になるシーンがあり、主人公の心理が巧みに語られたのです。

当時、一人暮らしで、言い知れぬ孤独を抱えていた私は、この作品にえらく感動したものです。いまとずいぶん感受性が変わってしまったな。

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うそつきカモメ

3.5自然体の明朗お爺さんのロードムービーにみる男の晩年

2021年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

落ち込むことを知らない明朗お爺さんと一匹の猫の異色のロードムービーの佳作。ポール・マザースキー監督の丁寧で落ち着いた演出タッチが、主人公のユーモアとペーソスを上品に引き出している。そのお蔭で主演のアート・カーニーはアカデミー賞を受賞する。ハリーが旅先で出会う地方色豊かな人物たち、家出娘ジェシーや老カウボーイのカールトン、ネイティブアメリカンの酋長ツー・フェザーとのふれ合いが淡々と描かれている。特に劇的で刺激のあるストーリーではないし、そんなシーンも無い。敢えて挙げれば、若い女性とのランデブーくらいだが、ここは微笑ましいユーモアが上回る。社会から爪弾きにされても独り自然体で人生を送るお爺さんハリーから見たアメリカの姿。変化する社会にあって、男の晩年は普遍的に明るくはない。そんな不名誉な常識にカツを入れるような好感度高いお爺さんの数少ない模範例。

  1976年 10月16日  高田馬場パール座

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Gustav

2.0諸行無常

2019年10月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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odeonza

5.0かはいふ人にわたしはなりたひ

2019年7月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

老人が出てくる映画は、
最近までは自分の両親を思い浮かべながら見ていたけれど、今は自分の姿をそこに発見するようになったな。

この映画の面白いところは、年寄りは年寄り同士でこんなにユニークな会話を交わしていたのだと知ること。

中年後期の自分は、若者たちの独自の語彙や言い回しをいつも驚きながら耳にして、彼らの最先端の感覚を時には真似して取り入れていたものです。

でもね、「ハリーとトント」で交わされるシニアたちの生きざまが今はスッゴく新鮮!
あんなふうに語り、あんなふうに立ち止まり、そしてあんなふうにベンチに座ってみたい。
未知の世界に向かう冒険旅行の前夜の気分です。

だから“同行者”として僕もハリーの旅に連れて行ってもらう、“僕のロードムービー”って感覚になってくる。

小道具、鞄、ピアノにタップダンス・・
ストーリーも画質も枯れていて、アナログレコードを真空管で聴くようなフィーリングかな。

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猫のトントがいい子。
僕も昔は黒猫ばかり7匹飼っていました。

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きりん