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【「クワイエット・プレイス DAY 1」評論】怪物侵攻の“グラウンド・ゼロ”に迫る、高完成度のスピンオフ

2024年7月6日 16:30

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画像1(C)2024 PARAMOUNT PICTURES

音に反応して人を襲う怪物の侵攻を描いた「クワイエット・プレイス」(2018)ならびに「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」(2020)のスピンオフ。映画は正続編で物語の中心だったアボット一家から、病に侵され乾いた死生観を持つ女性サミラ(ルピタ・ニョンゴ)へと視点を移動。彼女がニューヨークに飛来した怪物群と遭遇する“グラウンド・ゼロ”にフォーカスを定めている。

過去シリーズでは怪物VS人間の死闘を、農場地での攻防や安全圏への移動展開に絞ってきたが、今回は人口密集地におけるモンスターパニックを黙示録的に捉え、描写はより即物的で迫真性が強い。こうしたアプローチは9.11米同時多発テロの貿易センターピル崩壊や、COVID-19によるロックダウンを我々に連想させ、現代のゼノフォビア(対外的恐怖)を怪物で暗喩した「クローバーフィールド HAKAISHA」(2008)と同じ性質を有している。

一方で怪物との遭遇をライドアトラクション的に提供する同作とは異なり、異常な状況下での個人ドラマに密着するシリーズの原則に忠実だ。機能を失ったニューヨークで家族の記憶を求め、ささやかな望みを果たそうとするサミラと、飼い猫が導いた生存者エリック(ジョセフ・クイン)との出会いが、「死」の充満する環境でかすかな「生」へのシグナルを灯す。おそらく多くの観客が、この明滅に胸を締め付けられるのではないだろうか。サミラと愛猫フロドとの、常に行動を共にする「ハリーとトント」(1974)的なバディ属性も、異種との接触をテーマとする本作において怪物とは対照的な、緊張を解きほぐすコントラストを放つ。

このように映画は過去シリーズの起源を別視点から描いており、独立したクリーチャSFホラーとして観ることに不都合はない。しかし詳細は伏すが、絶妙なクロスオーバーがあるので、可能ならば前2作をカバーしておいたほうが得だろう。特に怪物の生態描写や、グラウンド・ゼロを生き延びた島の指導者(ジャイモン・フンスー)の再登場など、ハッと気付かされる布石が少なくないからだ。

近年、こうした怪獣ジャンルものはワーナーのモンスターバースを筆頭に活況を呈している。だが米製ゴジラがアッパーに怪獣頂上対決を繰り広げるなか「ゴジラ-1.0」(2023)が欧米人に衝撃を与えたように、怪物が持つ象徴性により迫った今作の完成度は高い。怪獣映画としても、人間ドラマとしても。

(尾﨑一男)

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