博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかのレビュー・感想・評価

全72件中、1~20件目を表示

3.5時代によって色を変える作品。

2024年6月2日
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鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

4.5監督と俳優が異常な愛情を注いで制作した           社会風刺映画

2025年3月12日
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鑑賞方法:VOD

感想

本作におけるスターリング・ヘイドン扮するリッパー、そしてピーター・セラーズの演じていたストレンジラブ、ジョージ・C・スコットのバック、ピーター・ブル演じるところのアレクセイ、更にスリム・ピケンズのコング。核兵器戦争時代におけるヒステリックで独善的且つ偏執的な狂気を其々の立場で受け止め行動する人間の姿を超個性的な一流俳優達による異常とも言えるこだわりと演技に傾注する愛情が究極の心理表現、表情など多彩な演技の体現を産み出し見事に其々の役に命が吹き込まれ独創的で画期的なキャラクター達を形創っており、さらにキューブリックの異常なまでの愛情をもって創り出す映像偏執狂とも言える映像の構成と演出が各キャラクターをデフォルメさせている事がよく解る。そんな彼らが狂気の沙汰のオンパレードを繰り広げ人間の狂気に翻弄される全人類の行く末をシュール且つブラックユーモアたっぷりに面白おかしく描いていた。

全キューブリック作品に必ず共通してあるものは物語の鍵となる、時に人間の理解を絶する程の「狂気」である。名前を変え人を介し密やかに、またある時は全面に発現され、物語の展開に素晴らしいまでの華と陰鬱さを齎らし、結果として作品全体が一段と引き締まるのだといつも感じる。

その「狂気」とはコケティッシュで魅力的な女性ドロレスであり、悪人そのもであるアレックスであり、悪霊に憑依された精神病の男ジャックであり、あるいは宇宙船内で叛乱を起こすHAL9000システム、更にはハートマン軍曹であり、看過されてしまい精神異常を来たすパイル二等兵である。そしてセックスを教義とするオクタグラムの新興宗教組織なのである。真面目な人間ほどいとも容易く狂気に変貌してしまう事があり得る事をキューブリックは知っているのである。

⭐️4.5

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Moi

4.0エンタメキューブリック❗️(もちろん単なるエンタメのわけがない)

2025年3月4日
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楽しい

知的

難しい

若い頃にカッコつけてキューブリックに少し手を出してみたことがある。
映画青年なら一度は通る道ではないだろうか(笑)。
結果として当時の自分が感じたのは「スゴイ❗️でもわからん❗️」だった(笑)。

そんな中でこの『博士の異常な愛情』は『現金に体を張れ』と並んで、自分にとって分かりやすく面白い映画だった。

ちなみに『シャイニング』もメチャクチャ怖くて面白かったのだけれど、エンディングが原作とはまったく異なるため、なんとなく原作のエンディングを感傷的だと否定するようなキューブリックの冷徹な視線が感じられ、当時スティーヴン・キングの小説にハマっていた自分はモヤモヤしたものである(笑)。

そもそもキューブリックは「人間」に対して感傷的には絶対ならない人で、そのことは最後まで首尾一貫していたと思う。

この映画も感傷的なことは一切排し、核戦争に突き進む愚かな人間たちを描いたブラックユーモア作品であり、核問題について真剣に考えている人たちを不快にさせかねない内容かもしれない。

でも「笑い」というのは批評精神、批判精神を持つものであり、一つの思想や考え方に凝り固まっているような時にふと我に帰って冷静になったり、客観的になったりするために必要なものだと自分は考えている。

国家の狂気、特に国家が有している狂気じみた攻撃性というものに冷や水を浴びせかける装置としても「笑い」というのは必要なものではないだろうか。
たとえそれがほとんど無力なものであったとしても。たとえそれがいささか不謹慎なものであったとしても。

人間は笑ってはいけない、と言われると余計に可笑しくなったりするもので、厳粛な葬儀の席で珍妙な出来事が起こってしまったりすると笑いを堪えるのが大変だったりするが、人間はやっぱり不謹慎な笑いというのが一番好きなのである。

空軍基地を預かる司令官なのに「共産主義者が水道水にフッソ化合物を混ぜてアメリカ人の高貴な体液を汚している」という陰謀論に取り憑かれた挙句、ソ連に核攻撃を仕掛けるリッパー准将。
リッパー准将の狂気に乗じて一気にソ連を壊滅させるといきまくタージドソン将軍。
任務を遂行しようと愚直に行動し、ロデオよろしく核爆弾にまたがって「ヒー、ハー!」と絶叫するコング少佐。
どう見ても不謹慎な感じで、笑っていいんだかなんだかよくわからないが、やっぱり笑ってしまう。

極め付けはピーター・セラーズ演じるストレンジラヴ博士。
元ナチスの科学者のため、ついつい「ハイル、ヒットラー!」と右腕を挙げそうになるのだが、その右腕を左腕で必死で止めようとして逆に右腕に首を絞められたりするのだ(笑)。

ピーター・セラーズといったら自分にとっては羽佐間道夫が吹き替えをしてた「ピンク・パンサー」シリーズのクルーゾー警部なのだか、羽佐間道夫の声の面白さがなくても、動きだけで人を笑わせられる天性のコメディアンだというのが本作を観るとよく分かる。

そして、いずれのキャラクターもデフォルメされ戯画化されていてついつい笑ってしまうのだが、戦争まで突き進んでしまう人間性というものを意外と的確に捉えているのではないかと、ふと感じてしまう。

笑ったあと、慄然とさせられる。
これはそんな映画であり、『シャイニング』で感傷的なエンディングを拒絶して自分をモヤモヤさせてくれたキューブリックの冷徹な人間観察眼がここでも炸裂している。

『2001年宇宙の旅』だけを観て、分からん❗️と怒ってキューブリックと縁を切った方がいたら、もしかしたら本作でよりを戻せるかもしれない。
中には不謹慎すぎる❗️と余計怒ってしまう人もいるかもしれないけど(笑)。

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盟吉津堂

4.0コーラはどうでもええねん!

2025年2月10日
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める

4.0面白すぎる

2025年1月28日
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笑える

知的

キューブリック尖りすぎ
よくこんな内容の映画が公開されたなと思うほどに米国の政治体制をコケにしている

ドス黒い笑いの奥に、本当にこうなってしまうのではないかという恐怖が芽生えてくるのが凄い

自分たちを「平和のプロ」と謳う看板の下で、同じ国旗の下に戦う兵士たちが殺し合っているのがなんとも皮肉が効いている

60年代とは思えないなんとも心地の良いカメラワークは、キューブリック作品の中でも最も優れたものだと思う

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Alejandro Gillick

4.0恐るべしピーター・セラーズ 〜 風刺が効いてる

2024年9月24日
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こころ

5.0「われわれの高貴な体液が汚されている」

2024年9月22日
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jin-inu

4.0安易に笑えないブラックコメディ。 核戦争は止められるか。今の世界を...

2024年8月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

安易に笑えないブラックコメディ。
核戦争は止められるか。今の世界を見ているといつそうなってもおかしくない。異常者が出てきたら終わり。あるんだもん、使いたくなるよね。
世界の平和を祈念します。

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はむひろみ

4.5映画終活シリーズ

2024年7月4日
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1964年度作品
キューブリックの初期の作品
時代背景が写し出されている
半世紀たっても人類は変わらんわ

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あきちゃん

4.0皆んなイカれてる。それがアメリカとロシア? ピーター・セラーズ、芸達者!

2024年3月27日
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鑑賞方法:映画館

皆んなイカれてる。それがアメリカとロシア?
ピーター・セラーズ、芸達者!

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mini

4.0脚本が凄い60年前の傑作ブラック・コメディー。 今回は日本語吹き替...

2024年3月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

脚本が凄い60年前の傑作ブラック・コメディー。
今回は日本語吹き替えで鑑賞したが、吹き替えの方が良いかも?

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ナイン・わんわん

3.5コメディではなくリアリティある警告に思える

2024年3月20日
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鑑賞方法:TV地上波

怖い

興奮

難しい

冒頭に「このような出来事は絶対に起こらないことをアメリカ合衆国空軍は保証する」とのテロップが出る。でも、映画を見終わって「本当にそうか?」と思った。軍のトップが異常な思想に染まる可能性はゼロではないし、攻撃システムを一度作動させてしまうと止めることが難しいということはあり得ると思う。

映画では大統領は適切な判断をするまともな人として描かれている。一方、現実の大統領が「選挙は不正があった」と言って議事堂の襲撃をあおるということが起きた。核のボタンを押すことができる人が異常な思想を抱くということが現実に起こっている。

映画は核の脅威を描いているけど、将来、人間の知能を超えたAIが人類を選別したり、破滅的な害を与えることがあるかもしれない。攻撃システムを止められないのと同じで、AIの暴走を止めることができなくなるかもしれない。

映画の中のドイツ系の博士は、わかりやすい異常思想で、彼に賛同する人はほぼいないと思う。でも、現実は「魔女狩りだ」などと言う大統領候補に賛同する人がとてもたくさんいる。映画を見て、今の世の中はとても怖いと改めて思った。

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p.f.naga

4.0笑えない時代に逆戻り

2024年3月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

怖い

知的

アメリカ軍の将軍が勝手にソ連への核攻撃を命令、実行しようとした。
ソ連は対抗するため地球最終兵器を準備段階に進める。
ヒトラーを敬愛するストレンジラブ博士は・・・。
核は単なる抑止力から、武器としての抑止力に格上げされた今、果たして・・・。
ピーター・セラーズの一人三役は見事。

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いやよセブン

3.5さすが キューブリック監督作品

2024年3月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ピーターセラーズ扮するマンドレーク大佐に電話が入り基地が非常事態にあると言われた。そしてR作戦実行が命令されたのでマンドレーク大佐は反対の異を唱えたが誰もがソ連への原爆攻撃を阻止する事は出来ない状況になった。
さすが キューブリック監督作品だね。戦争スリラーと言うかブラックジョークと言うかきのこ雲がいくつ上がった事か。

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重

4.0戦争をブラックユーモア満載で皮肉たっぷりに描く!

2023年12月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

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いちごだいふくもち

4.0狂っている人たちに操られている国家

2023年11月11日
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鑑賞方法:VOD

笑える

知的

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parsifal3745

3.0軍拡競争を皮肉る

2023年8月2日
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鑑賞方法:VOD

知的

東西冷戦の世界で、なさそうだけど実はあり得るかもしれない論理の暴走を的確にかつ痛烈に茶化しながら描いたアンチ軍拡作品。
博士がRシステムを開発した理由は
「報復力を示して敵を諦めさせる」ためと
「皆殺し装置を作る方が軍拡競争より安上がり」だから。そして
「共産主義者は人類が滅んでも侵略主義をやめない奴らだ」からシステムは止められないのが正解。
だからと言って、おのれも滅ぶような武器システムを開発するってどうなのよ、ということだ。笑

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SpicaM

3.0コントだよね?

2023年7月30日
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笑える

怖い

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やまも

5.0『ジョニーが凱旋する時』と『人類が破滅するまでの間の博士』の話

2023年7月3日
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マサシ
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