ねえ!キスしてよ
劇場公開日:1965年4月2日
解説
嫉妬深い夫が、プレイボーイのディノに妻を誘惑されることを恐れ嘘をつく。しかし逆に妻から浮気の疑いをかけられ、家出されてしまう。イタリアの戯曲をもとにアメリカ版に脚色された。ディノ役は、スケジュールの都合でジャック・レモンからピーター・セラーズに変更されるが、クランクイン1週間後にセラーズが心臓発作を起こす。最終的に役を射止めたのは、「大空港」のディーン・マーティン。ジャック・レモン夫人であるフェリシア・ファーが妻役を演じている。
1964年製作/126分/アメリカ
原題:Kiss me,Stupid
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女たらしだけど有名な歌手に自作曲を売り込むために代理妻をたてて夜伽をさせようという話。
ビリーワイルダーなのにびっくりするほど退屈ですw。(個人的には。)
アパートの鍵貸しますなんか何度も見て何度も同じところで楽しくなってまた見たくなるのに、これはぜんぜんです。
ふしぎなものです。
難航したキャスティングで、バランスが希釈されてしまったのかもしれません。
英版wikiからの情報ですが──
オーヴィル役はジャックレモンを想定して書かれましたが断られピーターセラーズで撮り始めたものの撮影中にセラーズが心臓発作で入院しレイウォルストンで撮り直したそうです。
ポリー役はモンローを念頭に書かれましたが1962年にかのじょに死なれ、ジェーンマンスフィールドを充てようとしましたが妊娠が発覚し、巡ってキムノヴァクになったそうです。
これらのキャスティングの変遷を知ってしまうと確かにレイウォルストンでは弱い感じがしてきます。またノヴァクはtrailer trashにしては高貴すぎる上、声が低すぎます。
また公開当時、自由すぎる倫理観が下品だと叩かれています。
貞淑な妻というポジションのゼルダ(Felicia Farr)はけっきょくディーノ(ディーンマーティン)とやってしまうわけですし、ポリーもオーヴィルとやってしまいます。
いずれも示唆的表現に過ぎませんが、たしかに、あまりにもさらりと姦淫してしまう映画でした。
なんにしても最大のアンバランスはノヴァクが数十ドル握らせたら寝る女にはとうてい見えないことでしょう。
あて書きされたモンローが亡くなり、近似するセールスポイントで売っていたマンスフィールドにいったところまではわかりますが、ノヴァクはぜんぜんちがう“ミステリアス”タイプです。
逆に言うとtrailer trashみたいな蓮っ葉な女を演じさせて下品にならないモンローがいかに希少な存在だったか──ということでもあります。ようするにモンローが演じなかったゆえに強引なセックス寓話になってしまったわけです。
狙ったのはアパート~のように軽いコメディですが、Kiss Me, Stupidは結果的に愛するふたりの間では(多少の)姦淫が妨げにならない──というステートメントを内包してしまっています。そんなことを言いたい映画ではなかったのに、とても大らかな性観念の映画になってしまったのでした。
ひるがえってモンローもシャーリーマクレーンも他の男と寝てもそれが無効になる絶対的聖女値を持っている──ということ、だと思います。
けっきょくモンローで撮るべき映画を別人材で撮った──に尽きるような気がするのです。
ところで同wikiに──
『TV GuideのMichael Scheinfeldは、この映画を4つ星のうち3½と評価し、「カジュアルなビリーワイルダーファンと真の愛好家を分ける、映画的リトマス試験のようなもの」と評し、さらに「今になって振り返れば、ワイルダーの最も魅力的でオリジナルな映画の1つとして見られている」と述べた。』
──とありましたが、個人的にはそうは思いませんw。
ただしラスト、ちっこい乗用車でトレーラーを引っ張って行くポリーはとてもいじらしかった。
2022年、ノヴァクは存命で、絵や詩を書きながら静かに暮らしているそうです。
2022年8月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
古い映画で今も受け継がれている作品の特徴としてシナリオが実にしっかりしていると言うのがある。そして概ねハッピーエンドである事。映画と言うのは、否、娯楽と言うものは夢でなければいけないし未来への生きる糧でなければいけない。そう言う意味では本作品は実に普遍に乗っ取っとった名作と言えよう。最後の収斂の仕方も実にスマートだ。
やっぱりビリーワイルダーがだいすきだ!!
もうキムノバクがとにかく最高だった。
なんであんなにも代役が似合うんでしょうね。
彼女から滲み出る哀愁が泣けるのよ…。
あー、ジャックレモンの夫役、
みたかったな〜〜
ディーンマーティンって、本人役らしいけども、
よくこんなにもスカッと出演してくれたな!
こころ広すぎるだろ!
やっぱりワイルダー作品は
IALダイアモンドが脚本に関わってるのが
最高なんすかね。
ほんと、彼の作品中でも上位に入るくらい
好きな作品でした。
ラストカットがもう堪らないのだ…。