ニュー・シネマ・パラダイス

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

シチリアの小さな村を舞台に映写技師と少年の心あたたまる交流を、あふれる映画愛とともに描いた不朽の名作。映画監督として成功をおさめたサルバトーレのもとに、老いたアルフレードの死の知らせが届く。彼の脳裏に、「トト」と呼ばれた少年時代や多くの時間を過ごした「パラダイス座」、映写技師アルフレードとの友情がよみがえってくる。シチリアの小さな村の映画館を舞台に、映画に魅せられたサルバトーレの少年から中年に至るまでの人生を3人の役者が演じる。アカデミー外国語映画賞やカンヌ映画祭審査員特別グランプリなど、各国で賞賛を浴びた。

1989年製作/124分/PG12/イタリア・フランス合作
原題または英題:Nuovo Cinema Paradiso
劇場公開日:1989年12月16日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第14回 日本アカデミー賞(1991年)

ノミネート

外国作品賞  

第62回 アカデミー賞(1990年)

受賞

外国語映画賞  

第47回 ゴールデングローブ賞(1990年)

受賞

最優秀外国語映画賞  

第42回 カンヌ国際映画祭(1989年)

受賞

コンペティション部門
審査員特別グランプリ ジュゼッペ・トルナトーレ

出品

コンペティション部門
出品作品 ジュゼッペ・トルナトーレ
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映画評論

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写真:Album/アフロ

映画レビュー

5.0一気にあふれかえる郷愁と、そこにたどりつくまでの時間の流れに震える。

2021年8月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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共感した! 10件)
すっかん

5.0「人生は映画のようにはいかない」

2024年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

幸せ

映写室で来る日も来る日もフィルムを回し続ける職人。それは彼が望んだ人生ではなかったのかもしれない。何度も何度も同じ映画を掛ける。台詞を覚えて俳優に話しかけるほどに。自嘲気味に話す職人は、映画に取り憑かれ、映画を観に来る人を楽しませることを喜びにする。 映画に取り憑かれた少年。来る日も来る日も映画館に通い、フィルムを観ただけで台詞が出るまでになる。機転が利き、賢い彼は、小学5年で職人に弟子入りする。 小さな顔で、映写室の小窓からスクリーンと館内の様子を見る。映写技師の特権だ。 悲しい出来事を経て、少年は、職人の後を継ぐ。 やがて少年は成長して青年になり、恋をする。光を失った職人は、彼に語りかける。映画の台詞で。一度実った恋は、職人の予言通りに儚く散る。 そして職人は青年に自分の言葉で語りかける。 「人生は映画のようにはいかない」「この村を出ろ」「戻ってくるな」と。 映画で繋がった絆。職人は、青年の非凡な才能に気づいた。だから、立ち止まるな、と背中を押した。ずっと側に置いておきたい、息子のような弟子を。 映画が唯一と言っていいほどの娯楽だった時代。タバコをふかし、居眠りをし、授乳し、あんなことまでしながら皆で観た映画。 田舎の村から世界を知り、愛を、笑いを、悲しみを、怒りを皆と共有する空間、映画館。 身を立て、成功した青年は壮年になって職人の死を知る。 故郷に戻った彼の部屋には、映画の思い出が、母の手で大切に残されていた。 しかし、映画館は・・・。 職人が弟子に残したフィルム。 それは、職人と弟子にしかわからない、最高のプレゼントだった。映画への愛、そして弟子への愛が詰まっていた。 職人は、故郷の村で、誇らしかったに違いない。映画の世界で成功した弟子のことが。 そして、自分の仕事に誇りを持っていたに違いない。どんなに素晴らしい映画も、腕のいい映写技師がいないと、ちゃんと鑑賞できないのだ。職人も現場で映画を作っていた一人なのだ。観客の前で最後の仕上げをしていたのだ。 フィルムは燃えなくなった。そして、フィルムはデジタル信号に置き換えられた。 映写機は回さなくて良くなった。 街から小さな映画館が消えた。 それでも、映画を観に行く。人生は映画のようにはいかない。わかっている。でも、映画を観ている瞬間は、その世界に浸りたい。 あの曲がかかると、もう何度も観たこの映画を思い出す。たぶんこれからもずっと思い出すだろう。 大きな愛の詰まった、最高の映画。

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TS

4.5あれ以上のフィナーレはないわ

2024年11月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

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共感した! 2件)
カズユキ

4.0故郷との関係を断つ必要性はあったのか

2024年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 父親代わりのアルフレードが、サルヴァトーレに村を出て故郷との関係を断つよう勧めたのも、彼女と別れた方がいいと考えたのも、全てはサルヴァトーレの仕事における成功を真剣に考えてのことだという意図は分かる。しかし、そこまで徹底しなければいけない理由についての説明が不足していて、説得力に欠ける。故郷の人々との関係の継続と、仕事における成功は両立できるものだろう。また、本気の熱愛に発展する恋人を見つけるのは珍しいだろうし、実際サルヴァトーレも彼女のことを想い続けていた。そのような相手との関係を断ってまで仕事に打ち込むことは、人生の充実感の喪失につながり、幸せから遠のくと思う。それでも故郷とのつながりを断った方がいいと思わせるような、説得力のある説明が聞きたかった。  しかし、全体的には温かみのある良い映画だった。狭い映画館でみんなでワイワイと映画を観るのは気が散りそうだと思った。だが、それが細かいことを気にしない、社会全体の他者への寛容さや距離の近さの表れであって、今作全体の温かさに寄与しているように感じた。

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根岸 圭一