虎の尾を踏む男達

劇場公開日:1952年4月24日

解説・あらすじ

能の「安宅」とその歌舞伎化の「勧進帳」を原案に、源頼朝から終われる身となった義経と弁慶一行の“安宅の関越え”を描く。黒澤は義経一行7人に付き添う軽妙な強力(ごうりき)を新たに配し、よく知られたこの話を、実にに軽快なコメディとして映像化した。大河内伝次郎演じる堂々の弁慶とエノケンのおしゃべりな強力、この対比の妙がこの映画を非凡なものにしている。息詰まる関所での問答とその後の晴れやかでいて物哀しいエピローグ。緩急自在の演出が堪能できる実に中身の濃い中編。

1945年製作/58分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1952年4月24日

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映画レビュー

3.0 一流の武人は知力も一流

2024年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

・何言ってるのか聞き取れないところがしばしば。勧進帳の読み上げや、その後の富樫との問答など漢語調・和語調なので聞き慣れないという点と、フィルムが古くて劣化しているというのもあったように思う。

・顔芸が凄い。弁慶役の大河内伝次郎、そして強力役の榎本健一(エノケン)。エノケンなんて「クシャおじさんかよ」という場面もあった。

・関所をクリアした後にもまだ話の続きがあったとは。「勧進帳」にあんな宴の場面が続きにあるとは知りませんでした。映画だけの設定?

・番卒たちの人垣の中を進む弁慶と一行。人垣の隙間から抜くショットが面白い。

・最後の強力の飛六方。斜めに手前に向かって来るショット。斬新だなあ。さすが黒澤監督。ユニークだ!

・空白の勧進帳を空で朗々と読み上げる弁慶。鋭い問いを矢継ぎ早に繰り出す富樫。それに淀みなく即答する弁慶。弁慶に対する「力だけの単純野郎」のイメージが覆える。富樫といい、一流の武人はやはり教養と知力も一流なのだな。

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momokichi

5.0 飛び六方!

2025年9月6日
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鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.0 滅びゆく国が最後に見た夢

2025年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

1945年、撮影の最中に終戦を迎えたこの作品は、戦後の混乱期に完成されながらも、GHQ(連合国軍総司令部)の検閲によって公開は1952年まで延期された。武士道精神や忠義といった戦前の価値観が、占領政策の文脈において「望ましくない」と見なされたことがその一因であり、この映画はまさに価値観の転換点を映す鏡でもある。

エノケン(強力)のギョロ目と大きな口を活かしたコミカルで親しみやすい演技と、大河内傳次郎(弁慶)の古典的・荘重な存在感は鮮やかな対比を成し、物語に陰影と深みを与えている。

クライマックスにおける弁慶の酔いどれの場面は、忠義を貫いた者が流す「無言の涙」であり、別れの舞であり、命を賭した演技のエピローグでもある。その場面の美しさと儚さは、戦いのない決着の余韻として観る者に強い印象を残す。

そしてエノケン演じる強力の、夢から覚めるようなラストの描写――義経から贈られたであろう衣と印籠を手に、現実に戻る彼の姿は、まさに「滅びゆく国の最後に見た夢」の象徴である。過去の栄光と美学を追体験しながらも、現実の変化と別れの予兆を静かに物語っている。

80点

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neonrg

3.0 源義経を源頼朝から護衛する武蔵坊弁慶の話ですが、源義経が源頼朝の弟...

2024年9月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

単純

源義経を源頼朝から護衛する武蔵坊弁慶の話ですが、源義経が源頼朝の弟でその兄の源頼朝がその弟の源義経の命を狙って追っている訳ですが、その源義経一行が名や自分を隠し、当時に各所に関所があったと思いますが、当時のコメディアンのエノケン扮する強力という飛脚もいますが、今、剛力彩芽というタレントがいますが、また内弁慶というのが、家外ではおとなしいのに家内では威張り腐るひとのことですが、またpretendersにdon't get me wrongという曲があり、単純に間違って私を手に入れるなに訳すとなると思いますが、またpretendersが装うひと達になりますが、

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39stepbacK

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