逃走迷路

劇場公開日:

解説

無実の罪を着せられた男が真相を突き止めるべく奔走する姿を描いたヒッチコック監督作。カリフォルニアの航空機工場で大規模な火災が発生し、男性従業員が命を落とす。被害者の同僚であるバリー・ケインは、事件現場でガソリン入りの消火器を持っていたことから容疑者とみなされ、警察から追われる身となってしまう。ケインは自分に消火器を手渡した男フライが真相を知っていると考え、行方を追うが……。

1942年製作/108分/アメリカ
原題または英題:Saboteur
劇場公開日:1979年

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5クライマックスの自由の女神での伝説的攻防は見応え抜群

2019年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アルフレッド・ヒッチコックがアメリカで映画製作を始めたのが1940年。42年公開の本作は、渡米してまだ間もない頃に手がけたサスペンス・アクションとして知られる。何ら理由の分からぬうちに主人公が濡れ衣を着せられたり、あるいは謎の秘密結社に命を狙われたりする流れは従来の通りで、とりわけヒッチコックはこの映画で、英国映画「三十九夜」をアメリカ式に翻案して見せたとも言われる。

ハリウッドの完全分業制に慣れるのに時間がかかったというヒッチコックゆえ、本作の緊張感やユーモア、各シーンの趣向の凝らし方は「三十九夜」には到底及ばない。だが、クライマックスに自由の女神像の頂上へと上り詰めていくシークエンスだけは別格だ。内部の様子も極めて精密に作られ、そこから見下ろす光景も絶品。期待通り、展望台から飛び出し、指先三寸の引っかかりに至るまで神経を張り巡らした作りも完璧である。このシーンだけでも一見に値する。

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牛津厚信

4.0有名なシーンあり

2024年3月14日
PCから投稿

自由の女神の場面が非常に有名ですが、しこに至る展開が若干冗長で全体的にサスペンスはバルカン超特急や海外特派員には劣るように感じられます。

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越後屋

5.0愛しのプリシラ・レイン様

2023年4月30日
スマートフォンから投稿

楽しい

怖い

興奮

この作品はヒッチコック監督の巻き込まれ型サスペンスの傑作だと思います。世間的には「三十九夜」「北北西に進路を取れ」に比べて評価が落ちるようですが、私にとっては負けず劣らず大好きな作品であります。やはりラストの自由の女神像での攻防!!背広の袖が破れるカットバックの挿入、必死の形相でしがみつく女神の指股からジリジリと滑っていく犯人!!スリル満点です!!そしてヒロインのプリシラレイン!!日本ではこの作品とフランクキャプラ監督の「毒薬と老嬢」が有名な素敵な女優さんです。愛するロバートカミングスを抱き上げるラストカットの表情が忘れられません

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活動写真愛好家

4.0巻き込まれ型スリラーの傑作

2022年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1942年(アメリカ)監督:アルフレッド・ヒッチコック。
ハラハラドキドキ、面白かったです。
さすがヒッチコック作品。期待以上の出来です。
飛行機工場に勤める平凡な男・バリー(ロバート・カミングス)が、
工場の放火事件の犯人の容疑をかけられてしまう。
火事の時に消火器を手渡したフライという男が怪しいと踏んだバリーは、
ある手掛かりからフライの居場所を「ソーダシティ」と知り、
嫌疑を晴らす為にヒッチハイクをして単身「ソーダシティ」へ乗り込むのだった。

なんのスキルもないただの平凡な男バリー。
逃亡の行く先々での機転、大胆にも敵のパーティ会場に乗り込んだり、
スパイも真っ青の大胆な働き。
おまけに美人で鼻っ柱の強いモデルのパット(プリシラ・レイン)と恋仲になる・・・
なんとも羨ましい男性です。

後半に入る所で、10分位フィルムが飛んだのかと思いました。
突然、舞台はNYに飛んでおります。
金持ち夫人のチャリティー・パーティ会場に変わってました。

そして映画は佳境に入ります。
飛行機工場に放火した一味は、意外にも資本家階級の人間で、ナチスの息が
かかっているのでした。
この辺、動機や思想に確たる裏付けがなくて、やや説明不足ですね。

ただヒーローのバリーは、フライを見つけ出し、彼の新しいターゲットが大型客船の
進水式だと知るのです。
スパイアクションに早変わりして、進水式を破壊する爆薬のリモコン・スイッチを
押すの?押させないの?
イヤ、押しまっせ!!と、
映像もパワーアップしてきます。
そしてクライマックスの「自由の女神像」での攻防。
本当にヒッチコック監督は見せ場を作るのが上手い。
この「自由の女神像」の途中にぶら下がるフライ。
一体何処から撮影したのでしょう?
(小船を出して、そこから望遠レンズでしょうかね!)
「知りすぎた男」「めまい」「鳥」
実に印象的なラストの盛り上げ方!!
あっと言わせて、観客にサプライズとカタルシスを!!
文句なしのミステリーの名手ですね。

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琥珀糖

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