アポカリプトのレビュー・感想・評価
全41件中、21~40件目を表示
逃げる、追いかける・・・
オープニングのテロップには「文明の滅亡は内部崩壊から・・・」などと、意味深なメッセージが強烈に映し出される。残虐非道のマヤ人は周辺部族を徹底的に侵略し、生贄と称し次々と無益な殺生を繰り返していた・・・と、アウシュビッツ以上の大量殺戮があったかのように描かれているけど、どうも気になってネットで調べてみたりした。
公式サイトによれば、この映画のような近隣小国の征服はあったようだし、生贄の儀式もあったかのようだ。しかし、反論も多数あるようですし、映画の時代設定が無茶苦茶のようなのでどこまでが真実に迫っていたのかさっぱりわかりません。史実はどうあれ、マヤ人を残虐な人種だという印象を与えてしまうのは、かつてのハリウッド映画がアメリカインディアンを描いたのと同罪。そして、国や文明を救うのは白人のキリスト教宣教師だったりするわけです。が、もちろん予備知識を仕入れずに先入観がなければ、ストーリーも単純だし、普通の娯楽作品として楽しめるのです。
マヤ文明滅亡の原因は謎につつまれてますが、途中で皮膚病の少女に出会うところでその可能性の一部を描いています。その少女の“昼が夜に”や“ジャガー”という予言も面白い。だけど、皆既日食があった日の晩にまで満月が出ることは、天文学の進んでいたマヤ文明に対する侮辱なのか、それともキリスト教が現代でも天動説を信じているのかは知りませんが、どうしても違和感が拭い去ることができません。その他にもツッコミどころは多いような気がします。
ストーリー的には批判だらけになるのですが、迫力の映像だけは否定できません。滝へ飛び込むシーンや本物の黒豹を使った逃亡シーン。断頭台(?)での首を切られる人からのアングルなどの映像などには、まるで体がスクリーンに吸い込まれるほどの絶望感まで味わわせてくれます。だから、本当にストーリーや設定が惜しい・・・「マヤ、インカ、アステカを滅ぼしたのは白人である」としなければダメですよね。
マヤ文明の後期。 平和に暮らしていた部族が襲われ、一人の若者が、自...
マヤ文明の後期。
平和に暮らしていた部族が襲われ、一人の若者が、自分の家族を守るために必死に逃亡する。
観ていてハラハラして、久し振りに楽しめた。
超サイヤ人的な覚醒
血なまぐさくて痛々しい。もう「生」の描写が圧巻。
リアル感がすごいせいで暴力描写がトラウマ級だと思う。
村が襲撃されるシーンとか、自分は休憩はさみながら観ました…。
ともあれ、全編を通して描かれる通過儀礼というか
「転生」的な表現のためには必要な描写であることも確かで、
描写の過激さだけで観ないのはちょっと損だと思う。
後半のカタルシス
いやはやメル・ギブソン監督作は凄まじいなと。
時代設定とか文化的側面でツッコミどころはあるらしいですがそんな事は置いておいて素晴らしい活劇。
後半の逃走劇から反撃に出る時のカタルシス。
冒頭の狩のシーンもきっちりと伏線にしていて「ここは俺の森だ!」感が痺れた。
おとなしく毒だけ採られて去っていくヤドクガエルが可愛かった。あとジャガーの子供かわいい。
構成が丁寧かつ設定は挑戦的
森の部族からマヤ帝国、再び森というそれぞれの作り込みが素晴らしい。キャラクターの紹介とすとーりの展開、見せ場の作り方が美しい。
生贄の青い姿から沼にはまって真っ黒になり生まれ変わったような色使いが美しく素晴らしかった。あの縦穴で雨降りすぎだと思ったら水中出産するという、設定を無駄にしない感じすごい。
ハクソーリッジを鑑賞してアポカリプトを見たけど、メルギブソンの構成力はすごい。
ベタな演出も意味があれば全力でやるべきって教わった気がした。
リアリティーがヤバイ
映画としてのクオリティが高い!
キャストはそれまでまともに映画に出ていない若手の俳優を使ってるらしくこの作品に限りなく時間を割けるからか容姿等キャラクターの作り込みが半端ない。
全編マヤ語で撮っているのも凄いテレビで見るガチな先住民族の人たちそのもの。
家族愛や父親の教えを受けて成長していく主人公は共感を覚えた。
久しぶりにどうやって撮影したんだよっ?てなる作品を見れて嬉しい。
めちゃくちゃ面白かった!
おすすめの映画と何かで見て、観てみた。
めちゃくちゃ面白かった。やばい。\( ˙▿︎˙ )/
すごい大作。
絶対見た方がいい。
前編マヤ語?で凄かった。
メルギブソンが監督してるやつ他にも観てみよー。
とても素晴らしい作品
なにも予備知識を持たずに観ましたが、冒頭から引き込まれました。
タイトルとイメージ画像から苦手な感じがありましたが、なんのことはないシンプルなアクション映画。シンプルであればあるほど細かな描写に見入ってしまいますが、作り方がとても上手い。
エグいほどのシーンがたくさん出てきますが、スプラッター系のホラー映画に比べたら全然マシだと思います。「ソウ」の方がよっぽど嫌な感じになったっけ。
とにかくアクション映画でここまで見入る作品は近年では久しぶりです。子供の頃見たジャッキー・チェンの映画のよう。
傑作
見たことのない、サバイバル術が惜しげもなくでてくる。
足を怪我した子供がアリを使ってキズ口をふさぐとか・・・
なんだ、それ!? って思うけど、実際にはそうしていたんだろうな、とも思う。
ハラハラドキドキ、ドキドキキャンプな内容で楽しい
追いかけっこしたり、かくれんぼしたり、戦ったり、守ったり。
ジャングルで戦ってるし、
なんか、ランボーに似ているかも。
とにかく、コレもスゴイ映画でした。ヾ(´▽`)ノワッショイ
よくできてるわー
いやぁ、メル・ギブソン監督、見直しましたよ。『ブレイブ・ハート』の時は、なんか妙に恋愛要素を強調したシーンとかがあって、どうにも気恥ずかしい感じだったんですけど、この映画では、シンプルに家族愛を根底に据えていて軸がぶれないのが良かったですね。あと、ジャガーの象徴的な使い方も良かったぁ。
見どころは、やっぱり逃走劇! これはすごい興奮でした。逃走劇の面白さを存分に描いていましたね。しかも、ただ逃走するだけでなく、逃走の過程で男が成長していくのが、神話的な雰囲気さえ漂わせていました。
うーん、メルギブ・・・いろいろと問題はありそうですけど、監督としてはなかなか良いのかもしれないですね。
生々しさと泥臭さ
前半は、金をかけた再現フィルムのようで、面白みがない。
獲物を捕り、集落を作り、楽しく暮らす。
部族同士が争い、男達は家族のために戦う。
いつの時代なのか、どこの部族なのか分からないくらい時代錯誤ではあるが、このような世界なのだと思いこんでみた。
苦労してまで大人数の生贄を運ぶあたりは納得いかないが、それでもこのような世界なのだと思いこんでみる。
結果、インカ・マヤ文明だったのだが、生贄儀式のあたりは絶対に違う気がする。
このあたりは多大な演出効果が加わり、どうも好きになれなかった。
ただ、後半の逃亡劇は生々しく泥臭く、いかにもメル・ギブソンっぽい描き方に見入ってしまう。
ここにきてようやく、再現映像がエンターテイメントへと変化した。
逃げる者の息使いが苦しいくらいに伝わり、それでも戦い続ける姿に勇ましさを感じた。
しかし、それ以外はよくできた再現フィルムといった印象。
個人的には嫌いではないが。。
映画のある意味プロトタイプ。
政治的なメッセージや高尚な芸術作品ではない、所謂大衆娯楽としての映画の原型がここにある。バスター・キートンやチャップリンの映画創世記から、映画のおもしろさを高めるひとつの要素、テクニックとして「おっかけっこ」がある。早い話がカーチェイスである。アクション物には不可欠のシーンであり、例えばこのシーンがない「007」など気の抜けたビールのようなものだろう。子供の頃に鬼ごっこをして遊んだことが無い、そんな子供は皆無のはず。原始的な遊び鬼ごっこ。相手を捕まえるため必死で追いかける、捕まらないため全力で逃げる。何故か興奮し血沸き肉踊るあの快感。
それを観せるシーンを作るのはある意味定番といえる。
ほとんどズブの素人を使ったり、全篇セリフをマヤ語で通したりと凝った作りをしているが、ストーリーはシンプルである。
前半のエピソードは後半へ繋ぐためだけのもの。
後半は鬼ごっこのスタート。
穴に隠した身重の妻。大雨でその穴に水が溜まっていく。これはカウント・ダウンの演出。そう、エイリアンでラスト、女王と死闘を繰り広げるとき必ず「自爆装置が作動しました5分後には爆発します・・・。」あれと同じで手に汗握る演出。ギブソンはちゃんと分かっている。
ジャングルの中での必死の鬼ごっこ。
シンプルゆえに理屈抜きで興奮して観てしまう。
描写に工夫がない
全篇マヤ語のみで、マヤ文明末期(16世紀)を舞台に繰り広げられるアクション映画。
冒頭は、森深く住む部族の生活模様が丹念に描かれる。男たちは研ぎ澄まされた感覚と肉体を持った狩人だ。中盤、村がマヤ帝国の傭兵に襲撃される。このあたりから残虐なシーンが増えてくる。終盤1/3は、捕虜になった主人公が帝国のもとから脱出、追っ手とのサバイバル合戦に進展する。久しぶりに憎たらしい悪役らしい悪役を観た。
「300」が美術書なら、この「アポカリプト」は原色大図鑑のような映像で、南米大陸の自然がダイナミックに描かれているところが魅力。
ただ、どちらも殺戮シーンをまともに描写する点が好きになれない。よりリアルに描くことも手法ではあろうが、まともな描写を避けながらも状況を伝えるテクニックこそが映画の醍醐味のはず。影の使い方なんかはスピルバーグが巧い。その工夫を怠って、CGでなんでもかんでも描いてしまう風潮が蔓延してしまったら、みんな画一的な作品ばかりになってしまうだろう。
すごい映画観ちゃった
メル・ギブソンって監督として、本当に力量あるお方です。ほんとすごいとしか言いようがありません。この人は、人間の野生的かつ残酷な部分、そして根源的な愛を描かせたら右にでる者がいないのでは、と思うくらい。
前作「パッション」で、もうついてけないかもと思い、観るのを伸ばし伸ばしにしていた本作。ついに観ちゃいました。題材は末期のマヤ文明の人々。しかも全編マヤ語です。
中盤、「パッション」ほどではないけど凄惨、残酷なシーンが続きますが、リタイヤせずになんとか後半へ。ここからがすごいんですね。走る、走る、とにかく走る、愛する人のもとへ。息つく間もないくらい、というか息してるのを忘れるくらい、すごい展開が続きます。
内容はほぼゼロ。でも、これは内容に文句をつけるのは野暮。だって題材になってるのは狩猟系の原住民族で、視点もすべて原住民族からのなんですから。政治もなければ経済もない。あるのはただその日その日の暮らし。ドラマってのは現代の副産物なんでしょう。
メル・ギブソン監督は、(いずれにせよ)骨格のがっしりした映画をつくります。次回作はまた劇場で観たいと思いました。ちなみに本作、カップルや血の弱い人は絶対観ないでね。
全41件中、21~40件目を表示