アポカリプトのレビュー・感想・評価
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逃げる、追いかける・・・
オープニングのテロップには「文明の滅亡は内部崩壊から・・・」などと、意味深なメッセージが強烈に映し出される。残虐非道のマヤ人は周辺部族を徹底的に侵略し、生贄と称し次々と無益な殺生を繰り返していた・・・と、アウシュビッツ以上の大量殺戮があったかのように描かれているけど、どうも気になってネットで調べてみたりした。
公式サイトによれば、この映画のような近隣小国の征服はあったようだし、生贄の儀式もあったかのようだ。しかし、反論も多数あるようですし、映画の時代設定が無茶苦茶のようなのでどこまでが真実に迫っていたのかさっぱりわかりません。史実はどうあれ、マヤ人を残虐な人種だという印象を与えてしまうのは、かつてのハリウッド映画がアメリカインディアンを描いたのと同罪。そして、国や文明を救うのは白人のキリスト教宣教師だったりするわけです。が、もちろん予備知識を仕入れずに先入観がなければ、ストーリーも単純だし、普通の娯楽作品として楽しめるのです。
マヤ文明滅亡の原因は謎につつまれてますが、途中で皮膚病の少女に出会うところでその可能性の一部を描いています。その少女の“昼が夜に”や“ジャガー”という予言も面白い。だけど、皆既日食があった日の晩にまで満月が出ることは、天文学の進んでいたマヤ文明に対する侮辱なのか、それともキリスト教が現代でも天動説を信じているのかは知りませんが、どうしても違和感が拭い去ることができません。その他にもツッコミどころは多いような気がします。
ストーリー的には批判だらけになるのですが、迫力の映像だけは否定できません。滝へ飛び込むシーンや本物の黒豹を使った逃亡シーン。断頭台(?)での首を切られる人からのアングルなどの映像などには、まるで体がスクリーンに吸い込まれるほどの絶望感まで味わわせてくれます。だから、本当にストーリーや設定が惜しい・・・「マヤ、インカ、アステカを滅ぼしたのは白人である」としなければダメですよね。
超サイヤ人的な覚醒
後半のカタルシス
構成が丁寧かつ設定は挑戦的
リアリティーがヤバイ
とても素晴らしい作品
傑作
よくできてるわー
生々しさと泥臭さ
前半は、金をかけた再現フィルムのようで、面白みがない。
獲物を捕り、集落を作り、楽しく暮らす。
部族同士が争い、男達は家族のために戦う。
いつの時代なのか、どこの部族なのか分からないくらい時代錯誤ではあるが、このような世界なのだと思いこんでみた。
苦労してまで大人数の生贄を運ぶあたりは納得いかないが、それでもこのような世界なのだと思いこんでみる。
結果、インカ・マヤ文明だったのだが、生贄儀式のあたりは絶対に違う気がする。
このあたりは多大な演出効果が加わり、どうも好きになれなかった。
ただ、後半の逃亡劇は生々しく泥臭く、いかにもメル・ギブソンっぽい描き方に見入ってしまう。
ここにきてようやく、再現映像がエンターテイメントへと変化した。
逃げる者の息使いが苦しいくらいに伝わり、それでも戦い続ける姿に勇ましさを感じた。
しかし、それ以外はよくできた再現フィルムといった印象。
個人的には嫌いではないが。。
映画のある意味プロトタイプ。
政治的なメッセージや高尚な芸術作品ではない、所謂大衆娯楽としての映画の原型がここにある。バスター・キートンやチャップリンの映画創世記から、映画のおもしろさを高めるひとつの要素、テクニックとして「おっかけっこ」がある。早い話がカーチェイスである。アクション物には不可欠のシーンであり、例えばこのシーンがない「007」など気の抜けたビールのようなものだろう。子供の頃に鬼ごっこをして遊んだことが無い、そんな子供は皆無のはず。原始的な遊び鬼ごっこ。相手を捕まえるため必死で追いかける、捕まらないため全力で逃げる。何故か興奮し血沸き肉踊るあの快感。
それを観せるシーンを作るのはある意味定番といえる。
ほとんどズブの素人を使ったり、全篇セリフをマヤ語で通したりと凝った作りをしているが、ストーリーはシンプルである。
前半のエピソードは後半へ繋ぐためだけのもの。
後半は鬼ごっこのスタート。
穴に隠した身重の妻。大雨でその穴に水が溜まっていく。これはカウント・ダウンの演出。そう、エイリアンでラスト、女王と死闘を繰り広げるとき必ず「自爆装置が作動しました5分後には爆発します・・・。」あれと同じで手に汗握る演出。ギブソンはちゃんと分かっている。
ジャングルの中での必死の鬼ごっこ。
シンプルゆえに理屈抜きで興奮して観てしまう。
描写に工夫がない
全篇マヤ語のみで、マヤ文明末期(16世紀)を舞台に繰り広げられるアクション映画。
冒頭は、森深く住む部族の生活模様が丹念に描かれる。男たちは研ぎ澄まされた感覚と肉体を持った狩人だ。中盤、村がマヤ帝国の傭兵に襲撃される。このあたりから残虐なシーンが増えてくる。終盤1/3は、捕虜になった主人公が帝国のもとから脱出、追っ手とのサバイバル合戦に進展する。久しぶりに憎たらしい悪役らしい悪役を観た。
「300」が美術書なら、この「アポカリプト」は原色大図鑑のような映像で、南米大陸の自然がダイナミックに描かれているところが魅力。
ただ、どちらも殺戮シーンをまともに描写する点が好きになれない。よりリアルに描くことも手法ではあろうが、まともな描写を避けながらも状況を伝えるテクニックこそが映画の醍醐味のはず。影の使い方なんかはスピルバーグが巧い。その工夫を怠って、CGでなんでもかんでも描いてしまう風潮が蔓延してしまったら、みんな画一的な作品ばかりになってしまうだろう。
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